SCP-1429-JP
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コウジョウバエ.jpg

SCP-1429-JPの成虫

アイテム番号: SCP-1429-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 実験に使用する必要最低限数のSCP-1429-JPが昆虫飼育用容器に収容され、サイト-8103の収容室に保管されています。飼育は標準的なキイロショウジョウバエのものと同様の手順で行います。繁殖および実験目的以外では各容器にSCP-1429-JPはそれぞれ1体ずつ収容してください。

財団の管理下に置かれていないSCP-1429-JPを完全に絶滅させるため、野生下のSCP-1429-JPが発見された場合、専門チームが派遣され、駆除作戦が実行されます。また、全国の警察機関の事故データベースからSCP-1429-JP-1の関連が疑われる事例を常に捜索してください。事例が発見された場合は駆除作戦の実行とともに、適切な記憶処理及びカバーストーリーの流布が行われます。

SCP-1429-JP-αはサイト-8103の低危険度物品収容ロッカーに保管されています。SCP-1429-JP-αの原理、構造の解明および再現のための研究は現在、SCP-1429-JP関連業務のうち最優先で行われます。毎月15日に現金2,000,000円をSCP-1429-JP-αの内部に挿入します。この現金の挿入はSCP-1429-JP-α研究プロジェクトの完了または野生下のSCP-1429-JPの絶滅の確認と同時に直ちに終了される予定です。

説明: SCP-1429-JPは異常性を持つ昆虫です。生態的特徴はショウジョウバエ科の種に類似していますが、人為的な遺伝子改変の痕跡が認められます。現在、離島および北海道地域を除く日本のほぼ全域に生息しています。

SCP-1429-JPの成虫は自身の周囲の空間または実体のヒューム値を上昇させる能力を持ちます。1個体のSCP-1429-JPによる変動は最大で+4.5×10−1 Hmほどで、上昇の最大値はSCP-1429-JPの個体群密度に伴って増加します。30匹/m2の個体群密度で最大+3.2 Hmという数値が測定されています。この能力は通常、周囲のヒューム値が基底値(1.0 Hm)よりも低い場合にそれを基底値に近付けるように作用します。また、SCP-1429-JPは負のヒューム走性(humetaxis)を示します。

SCP-1429-JP個体群が極度に集中した状態でSCP-1429-JPが繁殖を行うと、次の世代のSCP-1429-JPは基底値以上にヒューム値を増加させることが可能になります。この状態のSCP-1429-JPをSCP-1429-JP-1と指定します。SCP-1429-JP-1はヒューム値変動能力を利用し破壊的な現実改変を引き起こします。

SCP-1429-JP-1による現実改変はこれまでに、人的被害が生じたものだけで57件記録されています。具体的な事例として、自動車の内部構造に対し改変を行い交通事故を起こさせる事例について、同じ内容のものが複数発生しています。改変の対象として自動車やバイクのような乗り物、人間、犬や猫などの動物が報告されており、SCP-1429-JP-1は動くもの、音を出すもの、大きいものといった改変対象の選択基準を持っていると考えられています。

SCP-1429-JPの持つ負のヒューム走性によって、SCP-1429-JPはしばしば財団の管理下に無い異常性オブジェクトの周囲に群れを形成します。そのようなオブジェクトを一箇所に集中させることはSCP-1429-JP-1の発生を引き起こしやすく、オブジェクトの製造や販売を行ういくつかの要注意団体もSCP-1429-JPについて認知し、駆除を試みていることが判明しています。

駆除装置.jpg

SCP-1429-JP-αの外観

SCP-1429-JP-αは金属製の機械です。表面に"Sho-Hei project"の刻印があります。SCP-1429-JP-αは稼働している間、自身を中心として半径1000kmの範囲内におけるSCP-1429-JP-1の現実改変能力を抑制し、通常のSCP-1429-JPと同様の状態に戻す効果があります。

SCP-1429-JP-αが上述の効果を発揮する原理は完全には解明されていません。発見時、財団の技術で再現が不可能な部品が14個含まれており、現在までにそのうち6個の解析を完了しています。

SCP-1429-JP-αはSCP-1429-JP-1の被害報告を受け、現地調査に向かったエージェントによって発見されました。発見時、SCP-1429-JP-αには以下の文書が貼り付けられていました。

SCP財団の皆様へ

本製品は日本生類創研と東弊重工の合同研究開発企画である「生弊プロジェクト」の製品です。皆様もご存知かと思いますが、現実改変能力を持った昆虫の被害が多発しています。この問題を解決するため、我々2つの組織がそれぞれの強みを活かし共同で作り上げたのが本製品です。この度は試用品として皆様にお届けいたしました。

試用期間は本日から15日間といたします。試用期間終了後もご利用を継続したい場合、月額500,000円でご利用いただけます。毎月20日までに装置下部へ現金をお入れ下さい。支払いが行われなかった場合、装置はこちらで回収いたします。あらかじめご了承ください。

さらに今回、財団の皆様への特別なご案内として、月額2,000,000円でオプションコースをご用意いたしました。このコースでは装置をアップデートし、影響範囲を半径50mから1000kmまで拡大いたします。これにより日本全国のハエを一気に不活性化させることが可能です。ご検討よろしくお願いします。

生弊プロジェクト

この文書を受け、倫理委員会、特定要注意団体対策本部およびSCP-1429-JP研究チームによる会議が行われました。会議では要注意団体への資金提供や収容の外部への委託に対し否定的な意見が多く出たものの、SCP-1429-JP-1による一般社会への被害を防ぐことが先決であるとし、提示された「オプションコース」のための2,000,000円を支払うことが決定されました。同時に、SCP-1429-JP-αの原理を解析し財団で再現するための研究プロジェクトが計画されました。

補遺: SCP-1429-JP-αの回収以降、野生下のSCP-1429-JP個体数が増加傾向にあることが確認されました。この事案についての質問文書をSCP-1429-JP-α現金挿入部に挿入したところ、その2日後に次の文書がSCP-1429-JP-αから排出されました。

SCP財団の皆様へ

平素より本プロジェクトの製品をご利用頂きありがとうございます。
さて、先日いただきましたお問い合わせの件について調査を行いました。結果をご報告させていただきます。

ご利用いただいている製品は昆虫の現実改変能力を抑制する装置です。装置によって現実改変能力を抑制された昆虫が余剰エネルギーを成長や生殖に流用しているのではないか。というのがこちらの仮説です。これは予期しない副作用であり、現在対策を検討しております。

この度は製品の不具合によってご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。今後このような事態が発生することのないよう、再発防止に努めてまいります。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

生弊プロジェクト

この文書の真偽は不明です。また、現在SCP-1429-JP-αの運用に関する議論が再審議中です。

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