SCP-1432-JP
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警告: 以下のファイルはレベル4/1432ーJP機密情報です


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4/1432-JP LEVEL 4/1432-JP

CLASSIFIED

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Item #: SCP-1432-JP

Object Class: Neutralized


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SCP-1432-JPの発生箇所イメージ図(着色箇所)


特別収容プロトコル: SCP-1432-JPの収容には成功していません。SCP-1432-JPは消失し、現在まで再出現は確認されておらず、その予兆も観測されていません。当報告書はSCP-1432-JPの再出現に備えサイト-8181に保管されます。再発生が確認された場合はO5評議会が招集され、収容プランの計画が行われます。

説明: SCP-1432-JPは2001年7月20日から9月19日までの間、地球上に出現していた帯状の発光体有機実体異常気圧、正体不明のエネルギー発生源です。建造物や生物に対しては接触しても干渉せず、地表や海底に接触した場合のみ干渉します。エネルギー反応を検知する機材でのみ発生を確認する事が可能であり、日本列島を中心に蛇行しながら8方向に平均して約20,000km程の長さで展開し、いずれも地球に巻きつくように振舞います。

SCP-1432-JPは、地表や海底に強く干渉する事で地球の自転を阻害し、地球の自転速度を低下させます。この性質の為、SCP-1432-JPは発生直後より地球全土に深刻な悪影響を与え、後述するK-クラスインシデントを発生させました。このK-クラスインシデントは、2001年9月19日にSCP-1432-JPが消失し、その後2002年2月9日に地球の全住民に対する記憶処理が行われた事で終結宣言がなされ、解決済みインシデントとしてアーカイブされています。

SCP-1432-JPの発生原因は、科学的根拠に基づく証明には至っていないものの、愛知県日間賀島に住む民間人「新藤 洋祐1」が突如獲得した異常性によるものと考えられています。詳しくは下記アーカイブを参照してください。

XKクラスインシデント-012「フォークボール」: "フォークボール"は、2001年7月20日に発生したSCP-1432-JPにより、地球の自転が著しく阻害されたことにより発生したK-クラスインシデントです。
時系列 出来事
7/20 財団所有の衛星「アーサリー」がSCP-1432-JPを起源とする不明なエネルギー反応を観測。
7/21 財団調査団による世界各地での調査開始、目立った発見は得れず。
7/24 世界各地の衛星が発信する地表データに異常発生。カーナビゲーションシステムや航空機の管制機能に深刻な異常が多発する。
7/25 GOCより情報提供有り、地球の自転速度低下が初めて観測される。
7/27 財団とGOCによる共同声明発表。XK-クラスインシデントの発生が発表された。
7/30 財団がGOCの提案する協定に調印。インシデントを民間人に対し秘匿する事を条件に、SCP-1432-JP無力化への協力と、民間人保護を目的とするSCP-███-█の提供を約束した。
8/4 高緯度地域での海面上昇が観測され、同時に低緯度地域での海面低下が観測された。
8/10 SCP-1432-JPの正体について、錯綜する情報により混乱が発生していたが、発生源が日本国である事が特定される。
8/16 地磁気による磁気シールドに弱体が観測される。
8/18 SCP-1432-JPが8方向に伸びる帯状エネルギー体である事が判明する。
8/25 地球の1日が20時間から22時間まで延長される。K-クラスシナリオの進行度が10%に達する。
8/27 低緯度地域での酸素濃度の低下を確認。
9/2 自転速度低下が起因となる地殻運動が誘発され、財団███支部が壊滅する地震が発生。
9/8 愛知県日間賀島にて巨大なエネルギー反応を確認。GOC所属ヨン博士が愛知県日間賀島がSCP-1432-JPの発生源であると提唱。
9/11 日間賀島にてSCP-1432-JP発生源特定に関する文書-1432-JPを回収。
9/12 文書-1432-JPの著者、「新藤 洋祐」を特定、拘束。新藤 洋祐は持病により昏睡状態であったため、財団所有の医療センターへ搬送された。新藤 洋祐をPoI-81-874に指定。
9/14 GOCは、SCP-1432-JPの発生源が新藤 洋祐であるという見方を発表。
9/17 新藤 洋祐へ、SCP-1432-JPを無力化する試みが行われるが全て失敗する。
9/17 自転速度の著しい低下により、1日が22時間から24時間まで延長される。
9/18 新藤 洋祐を終了する提案がGOCから行われる。財団は回答を保留。
9/19 新藤 洋祐の容態が急変し死亡。SCP-1432-JPの消失が確認される。
9/20 財団とGOCによるインシデント秘匿プロトコルが実行される。地球の住民全員に対する記憶処理と、地球の1日を24時間とする情報改竄と、海面増減による地表の変化に関する情報改竄を実行。
2/9 インシデント秘匿プロトコルが完了。事態の終結が宣言され、財団とGOCの協力が解消される。

文書-1432-JP: PoI-81-874「新藤 洋祐」直筆の日記です。SCP-1432-JPの発生経緯に関する文書であると考えられています。

6/25
梅雨は僕の大好きな季節だ。雨雲が太陽を僕から隠してくれる。今日も大雨で芸術日和、朝から晩まで外に居たから防護服がビショビショだ。あーあ、ずっと梅雨だったらいいのに。このペースだとまだまだ完成しないなあ。


 

7/2
小さい頃に書いてた漫画が出てきた、懐かしい。世界中の人々が、僕の為に地球にしがみついて地球の自転を止めてくれる話で、一日中夜が続いて僕が外で遊んで終わるお話。馬鹿みたいなお話だよ、まったく。太陽がダメなんて僕だけなのに。僕一人の為に世界中の皆がどうにかしてくれる訳ないだろ?


 

7/10
昼頃メールがきた。アメリカの金持ちらしいんだけど、僕の芸術に興味があるらしい。今度僕に会いたいってさ。これってすごい事だよね?


 

7/18
梅雨が明けた。死ね。


 

7/19
怪文書が届いた。イタズラだろうけど、なんだろう、胸騒ぎがする。


 

7/22
今日、医者が来た。僕はもうダメらしい。赤ん坊のころに日光に当たりすぎたから。この病気に気づくのが遅すぎた。僕にはもう時間がない、もうすぐ死んでしまうらしい。

まだ死ねない。せめて、あの作品だけでも。


 

7/24
例のアメリカ人が家に来た。僕のホームページを見て、僕の芸術に興味を示したらしい。もし完成したら目が飛び出るような金額で買い付けたいと申し出てきた。しかも今後スポンサー契約を結びたいってさ!人生最高の日、間違いない。星の数ほどいる芸術家が、何も成せずに散っていくのに、僕は芸術家としての夢を掴んだんだ。

でも、僕には時間が無い。完成させる事なんて……。
星の数ほどいる芸術家に流れている当たり前の時間が僕にはないんだ。


 

7/25
この前の怪文書について調べてみたんだけど、あれは都々逸っていう詩の1種らしい。
胸騒ぎの正体も分かった。あの怪文書が届いてから明らかに1日が長くなっている。僕は夜の時間を細かく記録しているから間違いない。
自転が遅くなっているのか……、どういう現象なのか皆目見当もつかないけど、1日が長くなるってことは必然的に夜も長くなる。僕の外に出れる時間が延びるってことだ、こんな幸運な事は無い。
でも、これは大変な事だよ。もし自転が遅くなってしまったら世界は絶対に壊れてしまう。地球の地磁気が弱くなったら世界中の人が、僕みたいに太陽から……。ダメだ、そういうのは求めてない。

でも、もし、本当に自転が止まってくれたら……、ぼくは自由かな?ハハ、完全に停止しても半年は昼だけどね。


 

7/27
今日、ブッシュが発表してたよ。「地球の自転速度が急激に遅くなってる」だってさ。
君は僕の為に自転を堰き止めてくれているんだろ?僕の漫画の人々の様に。なんでだろう、そんな気がする。あの都々逸は僕が貰った初めてのファンレターだ。

ちょっと怖い。でも決めたよ。君がくれた機会を無駄にしない。この調子で夜が長くなってくれればきっと間に合う。だから、やろう。

陽穿ち

天命廻る

トルヌソル

押収物品: PoI-81-874「新藤 洋祐」の自宅敷地内より押収された物品です。

  • 新藤 洋祐が███████病患者である事を示す診断書類
  • PoI-01-021「███・████」との連絡に利用されたノートPC
  • 文書-1432-JP
  • 都々逸調の詩2が書かれたA4紙
  • 大量破壊兵器-1432-JP(SCP-███-JP)

大量破壊兵器-1432-JPは新藤 洋祐が自作したと思われる大型の機械です。内部に8枚存在する反射鏡で██████を増幅し、上空へ照射する事でオゾン層を焼き消す事が可能であり、文書-1432-JPで存在が示唆された"芸術"であると思われます。詳しくはSCP-███-JPを参照してください。

タコタコ.jpg

観測された実体(色調補正済)

補遺: 7/20に衛星「アーサリー」がエネルギー反応を観測した直前、地球上に不審な実体が確認されています。この実体はアーサリーが記録した映像上において0.0001秒の間のみ観測されたものであり、詳細は判明していません。

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