エドワードのステッカーが欠けているSCP-1439
アイテム番号: SCP-1439
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1439は、サイト-24の試験場にある施錠された引き出しの中で保管します。SCP-1439へのアクセスおよび実験は、少なくとも1人のレベル3上級研究員の事前の許可が必要です。一度に実験できるSCP-1439-1実例の数は1体のみであり、実験終了後に破棄しなければなりません。現在、以前発生した収容違反によりSCP-1439を使用した実験は中止されています。オブジェクトを構成する全ての要素を元の状態に戻すことができれば、実験を再開することができます。追加の安全対策は講じられていますが、もしまた別に収容違反が発生しそうになった場合には、実験チャンバーの外部にあるSCP-1439-1実例をすぐさま破棄しなければなりません。
説明: SCP-1439は、8つの丸いスマイリーフェイスのステッカーが備わっている小さなシートです。各ステッカーは直径約4cmで、その上部にステッカーの一部ではない形で名前が印刷されています。各ステッカーの上の名前は、エドワード、トーマス、ゴードン、ヘンリー、アルバート、ジェームズ、チャールズ、ハーヴェイです。最初の3つのステッカーは明るい青色で、他のステッカーはそれぞれ緑色、灰色、赤色、紫色、茶色となっています。8つ全てに黒い点で描かれた目と、単純な黒い曲線で描かれた口があります。ジェームズのステッカーは当初、財団がSCP-1439を最初に購入した時には欠けた状態になっていましたが、約3ヶ月後に再出現しました。エドワードのステッカーはSCP-1439を最初に収容してから9ヶ月後に消失したため、現在は行方不明となっています。
SCP-1439の効果は、ステッカーの内の1つが植物、動物、人間を含むあらゆる物体の表面に貼り付けられた時に発現します。ステッカーが一旦何かに貼り付けられると、そのステッカーは3~4分かけて徐々に溶解していきます。人間で実験した際の被験者は、この現象が起こると僅かな刺激を訴えましたが、痛みはありませんでした。続く8~10分で被験体は擬人化され、ステッカーが最初に貼り付けられた位置に顔が現れます。この時点で、被験体はSCP-1439-1実例と見なされます。それから20分後には顔がより詳細になり、瞬きや喋ることができるようになります。現在までに実験されたSCP-1439-1実例のほとんどが様々な地域の方言でアメリカ英語を話すことができましたが、流暢な広東語を話すことができる場合もありました。
SCP-1439に最初に曝露してからおよそ1時間後に、対になる腕と足が被験体から成長し始め、より人間的な外観になります。SCP-1439-1実例は、元の被験体の大きさ、重量および全体的な形状に応じて、様々なレベルの機動性を持ち合わせることになります。高さが0.8m未満の被験体は通常完全に擬人化されますが、それよりも大きい被験体は部分的にしか影響を受けません。このことが無生物や人間や動物などの被験体との間にどのような影響を及ぼすかを示す例は、下記の要注目実験ログ2468を参照してください。
SCP-1439-1実例は様々な振る舞いを示しますが、一旦喋ることができるようになると概して感情的に行動するようになるか、専心的になるか、もしくはその両方の性質を示すようになり、要求が満たされない場合には敵対的に行動するようになります。精神病エピソードであることが一般的で、しばしば被験体からの暴力をもたらし、その点からの更なる試験努力は通常は無駄となるため、終了することを推奨します。
これまでのところ、SCP-1439を元の状態に戻す唯一の手段は、SCP-1439-1実例を全て破棄することです。その大きさや影響を受けた区域に応じて、知性のある被験体は処分のために身体の一部を取り除くか、終了する必要がある可能性があります。実験を通して、これまでに██体の動物や人間の死亡や麻痺を引き起こしました。
使用したステッカー |
実験対象と配置 |
試験時間の長さ |
メモ |
チャールズ |
1.5m×1.5m×3mのコンクリート壁の断片。ステッカーは中央に貼られた。 |
49時間 |
壁の約1m2が人体となり、生きた腕と脚がコンクリートから突き出ていた。被験体は動くことができず、彼らの状況について音声的に訴えを行った。被験体は幾度となく″レオ″について訊ねてきたが、その名前について疑問を返すと非協力的となり、その後すぐに黙ってしまった。被験体は単独で放置され、続いて48時間に渡って監視された。時折自身を傷つけようとする以外には、動きのないままであった。コンクリート壁はスレッジハンマーで破壊され、その間も被験体は沈黙していた。被験体が破壊されたと考えられてから3~4分後に、チャールズのステッカーがシートに再出現した。 |
ハーヴェイ |
標準的な財団のデスクランプ。ステッカーは電球に貼られた。 |
92分 |
ランプ全体がSCP-1439の影響を受け、電球に顔が現れ、ランプの調整可能な″首″から腕が生え、基礎から脚が生えた。被験体はコードに魅力を感じており、″電源の入った状態″になるまで質問に答えることを拒否した。研究員が被験体のコードをコンセントに挿し込み、被験体のスイッチをオンにした。被験体は電球の明るい光と熱により顔に火傷を負ったが、「俺はこいつが大好きだ!」と叫んだ。その後、被験体は研究員との会話を止め、性的であると結論付けられた声をあげるのみであった。30分後にプラグを引き抜くと、被験体は研究チームに襲いかかろうとした。被験体は試験場の近くの焼却炉に投棄された。2人の研究員が小さな歯形や傷を負ったが、それ以外は無傷であった。 |
チャールズ |
ステッカーはD-82913の右手の手のひらの中央に貼られた。 |
66分 |
この実験においてD-82913には麻酔を施し、麻酔がSCP-1439-1実例に影響するかどうかの確認と変形によるパニックの予防を行った。D-82913の手全体が影響を受け、小指と親指が腕に変化して手首の近くから脚が生えた。麻酔はSCP-1439-1実例に対して目に見える効果はなかった。被験体の行動は、最初は以前と同じ行動を繰り返しており、コンクリート壁が変化した時の記憶は持ち合わせていなかった。被験体はD-82913の手首から向こうの腕が動かせないため、拘束されていると主張した。被験体は憂鬱になり、質問に答えることはなかった。麻酔下でD-82913の手を外科的に取り外し、SCP-1439-1を現場の焼却炉に投げ入れたが、その過程で抗議は行われなかった。 |
ヘンリー |
ドワーフハムスター。ステッカーはハムスターの背中に貼られた。 |
17時間 |
動物全体が擬人化し、前肢が被験体の脚になり、後肢が被験体の腕になった。ハムスターの前肢は人間のものに合うように、大きさ、形状、向きが変化した。ハムスターの頭部は被験体が立ち上がると真っ直ぐ下を向き、被験体が故意に座ってへし折るまで苦痛の声をあげていた。被験体はハムスターが機能的に死亡していても話し続け、正常に動いた。被験体は非常にカリスマ的であり、研究チームは数時間に渡って質問を行うことに成功し、被験体は″私の友人O████″との暴力的な犯罪のばか騒ぎや、数多くの女性への性的ないたずら、更には財団の秘密に関する知識などを含む様々な話を語っていた。研究チームは被験体によって語られた犯罪や財団の知識の内の幾つかを相互参照したところ、その大部分が誇大妄想の嘘や妄想であると判断した。いくつかの犯罪は[データ削除済]まで一致していた。被験体は処分されることを認識すると暴力的になり、研究施設から逃げ出そうと試みた。研究チームは最終的に被験体の隠れ場所を特定し、そこをアセチレントーチで熔断した。被験体は捕獲され、焼却された。 |
アルバート |
ステッカーはD-59919の左膝に貼られた。 |
被験体が収容から逃れたため、曝露から75分で実験は終了した。 |
ステッカーが溶けた後、顔は現れなかった。その後1時間に渡って何の反応も無かったため、D-59919を実験チャンバーから護送した。実験場から出る直前、D-59919の脚から突如として腕が生え、片方が近くにあった外科用メスを掴み取り、護送していた警備員と近くにいた研究員を無力化した。D-59919はこの間、左脚の制御を失ったことによりパニック状態に陥っていた。SCP-1439-1が突然動き出したためにD-59919は後方に倒れ、後頭部を強打した。D-59919の脚は中央で割け、SCP-1439-1の新たな2本の脚が形成された。その後、被験体は外科用メスを用いて自身をD-59919から切り離し、D-59919のもう片方の脚を捕食し始めた。その直後にセキュリティチームが到着し、被験体を無力化した。D-59919は、大腿動脈切断による出血多量により、その場で死亡していた。このSCP-1439-1実例が他の実例と異なり、なぜこのように顕在化したのかについては不明である。アルバートのステッカーを用いた実験は、新たな安全対策が講じられるまで延期されることとなった。 |
ゴードンとジェームズ |
2mの高さのイチジク属の木。ゴードンのステッカーは幹の頂点に近い所に貼られ、ジェームズのステッカーはゴードンの真下になる根元に貼られた。 |
2時間 |
ステッカーが貼られたそれぞれの部分が、個別のSCP-1439-1実例に変化した。最初は両方の被験体が研究チームの質問を無視し、協力して木を切り離して移動できるようにするために互いに話をしただけであった。彼らはそうすることには成功したものの、研究員たちに襲いかかろうとする試みには失敗し、木の頂点に躓いて転倒した。彼らの協力は片方が他者に対して性的な口説きを行い、熱狂的な論争を始めたことで終わった。研究員は木を試験場から持ち出し、サイト-10から借りてきた木材チッパーを使うことで何事もなく処分に成功した。 |
トーマスとジェームズ |
カーヴァー博士のサーモスボトル。トーマスのステッカーはサーモスボトルのコップの縁の下になる上部の位置に貼られた。ジェームズのステッカーはすぐにトーマスのステッカーの上に貼られた。 |
27分 |
どちらのステッカーも3~4分で溶解した。顔や手足は現れなかったが、サーモスボトルの材質はゆっくりとピンク色の有機物に変化し、僅か18分で急速に腐り始めた。実験では、材質が人間の肉に変化していたことが確認された。DNA検査では、[データ削除済]と複数の点で一致することが明らかとなった。 |
トーマス |
ステッカーはD-11770の鼻に直接貼られた。 |
6分 |
ステッカーは5分後に溶解するその前に、D-11770の顔の全面を覆うように拡張した。被験者は[データ削除済]までは苦痛の兆候を示さなかった。被験者は自分自身や他者に対してそれ以上の害を及ぼす前に治安部隊によって終了された。最初の結論は、人間の脳に接近するとSCP-1439-1の発現の方法が著しく変化し、恐らくは人間を完全に支配下に置いているか、少なくとも行動を大きく変化させているということである。 |
─人間を使用した実験は、予期せぬ影響が考えられるため無期限に延期されています。私は最後の実験の結果がSCP-1439の真の目的を明らかにしたかもしれないことを恐れています。他のものは単にオブジェクトを誤用したことによる副作用だったのです。 - カーヴァー博士
補遺: SCP-1439とSCP-248の効果の発現方法が類似しているため、現在それらは共通の起源を持っていると理論化されています。しかし、SCP-1439には″ザ・ファクトリー″への言及が存在せず、量産されていないように考えられるため、現在までに多くの実例が作成される前にSCP-1439が廃止されたのであろうと予想されています。この理論の信頼性は現時点では不明です。
彼らは2人、彼らは4人、彼らは6人、彼らは8人
彼らは怒りと欲望と憎しみでいっぱい
彼らは自分が何をしたいか知っている
彼らはあなたをレイプし殺害したい
だから夜も昼もドアに鍵をかけよう
そして彼らが遠くに居ることを願うんだ
彼ら自身の精神病は決して癒えることはない
トーマスとその仲間たち
トーマス、彼は撃ちたがりだ
ジェームズは確かに彼の大きなショットガンを愛している
アルバートはあなたに何度か手紙を送る
ゴードンは性犯罪が大好きだ
チャールズはミリタリーマニア
ヘンリーは人を殺し嘘をつきブラフをかます
エドワードは皮膚を羽織りたい
ハーヴェイ、サドマゾヒズムの天才!