
移送前のSCP-1443。
アイテム番号: SCP-1443
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1443実例はセクター-28の指定の温室に収容されます。定期的にレベル2職員によって給水と追肥が行われます。十分な温度、湿度、及び光量が常に保たれるように管理しなければなりません。SCP-1443を用いた実験は、事前にレベル3職員の認可を得る必要があります;結果は文書化し、直ちに報告してください。
収容房内は常に遠隔カメラによって監視します。収容房内にSCP-1443-1の出現が確認された場合、速やかに人員を退去させます。
説明: SCP-1443はアメリカノウゼンカズラの品種Campsis × tagliabuanaの未知のバリエーションです。多年にわたりSCP-1443の花が観察されますが、これまでに結実した例は確認されていません。一見してSCP-1443の外見に異常な点は見られませんが、特筆べき点として実例の特定の蔓上に、4枚ずつ鱗翅目の昆虫の前翅及び後翅に似た特定の配置で成長する葉が確認されています。
およそ24時間おきに、SCP-1443はこれらの蔓の葉群から、蝶を模した投影(SCP-1443-1と指定)を生成します。十分に近い距離からこの投影を観察した人間は、即座に眠気を感じ、SCP-1443付近から退去しなかった場合、睡眠状態に陥ります。
観察から、SCP-1443-1実例はSCP-1443によって生成されてから最大15分間残存することが判明しています。SCP-1443-1実例は付近に存在する眠っている人間の上にとまる行動を見せますが、これは生成元のSCP-1443から1m以内に限定されます。
影響を受けた人間はSCP-1443-1に暴露してから数時間で目を覚ましますが、この初期暴露で明らかに無害な蝶の夢を経験します。暴露から2週間にわたって暴露者は疲労と突発的な眠気を感じ、またこの期間に見る夢はすべて蝶に関連したものとなります。
2週間が経過してから暴露者が初めて睡眠状態に入った時、SCP-1443-1(概ね3~7体)が対象の頭部に出現します。これらの投影は額の辺りから出現するように見え、またこのプロセスにおいて対象の睡眠状態に変化は見られません。出現したSCP-1443-1はひとまとまりになって土がむき出しになった休息に適した場所を探します。15分以内にそれらの場所を見つけたSCP-1443-1はひとまとまりになり、新たなSCP-1443に変化します。それらの場所を15分以内に発見できなかった場合、SCP-1443-1は消失します。このように“植樹された”SCP-1443がすぐにSCP-1443-1を生成することはありません。新たに生み出された草本が成熟するまでに要する時間は不明です。1
SCP-1443-1の宿主になった人間は、SCP-1443-1を“抱いている”ことに関して痛みなどはないと報告しています。SCP-1443への暴露は、永続的な副作用などを齎すものではないと判断されています。 事件記録を参照してください。
補遺 1443-1: ████-██-██に行われたDクラス職員D-26423を用いた実験において、14日間の“生育”期間において推定70体のSCP-1443-1投影が出現しました(事件記録参照)。実験は一時的に凍結されました;再開後、出現する投影の数は通常通りに戻り、それ以来同様の事案は発生していません。
事件記録1443-1からの抜粋: 実験中、D-26423の頭蓋骨に骨折が生じ、昏睡状態に入りました。ビデオ監視映像によると出現した1443-1の群れは予め実験のため用意されていた温室に侵入し、約3mのSCP-1443に変化しました。オブジェクトの巨大化は効率的な収容に問題が発生すると判断され、潜在的脅威排除のためSCP-1443の周囲に高濃度の除草剤を散布することが決定しました。除草剤の散布が開始されるとSCP-1443実例は発声を開始しました(音声記録参照)。
音声記録1443-2 [大まかにギリシャ語から翻訳]
[言語化不能] …我らはどこへ行けばよいのだ… 舟守は渡河前に100年の[言語化不能]を保証した… このように[言語化不能]の川岸で滞ることは望んでいない… 何故、門が壊れていくのか [言語化不能]
その後の調査により、事件記録1443-1の発生は、██████の██████で発生した████地震と同じタイミングであり、この地震で███名が死に至っていたことが判明しました。