SCP-1449
評価: +6+x

アイテム番号: SCP-1449

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1449は直径13mのタイプ65収容モジュール内に収容されています。収容モジュールは磁気浮遊システムを用いて保管室内で浮かせることになっており、また表面にいかなる亀裂や歪もないかどうか毎日監視されています。収容が不可能になった場合、SCP-1449の収容モジュールを保管している部屋はギ酸メチルをベースとした泡で満たされることになっています。

SCP-1449と接触したすべての被験者は既知の夢の特徴と構造を把握する必要があり、ラン=デザントス明晰テスト(Lang-Desantos Lucidity Test)において75点もしくはそれ以上のスコアに到達しなければならりません。また、A5直感像想起ミーメティックトリガー(A5 Eidetic Recall Memetic Triggers)を埋め込む必要があります。テストにより集められたすべての情報は文章1449-FGに編集されることになっています。

説明: SCP-1449はジンベエザメ(Rhincodon typus)を描いた生命を持つ芸術的表現です。オーストラリア先住民の点描画の様式で描かれ、体長は13mです。SCP-1449はいかなる種類の栄養ないしその他の通常の身体的欲求も必要としていません。水生環境中では、SCP-1449は3次元で存在することができますが、連続した固体表面に存在する時は2次元形態に移行することができます。SCP-1449の3次元形態はすべて塗料の点で構成され、ドットは成熟したジンベエザメの外形に合わせ配列されています。2次元形態では真上から見た図として描かれています。

水のある環境中ではSCP-1449の行動は、異常性のない同種の個体の行動と類似しています。しかしながら、SCP-1449はおおよそ50日から70日に1度、夜間に内陸へ移動し、移動先は通常人口の少ない地域です。SCP-1449は内陸で少なくとも400キロメートル移動することが目撃されています。現時点ではこの活動の目的は不明です。

SCP-1449から2kmの範囲内でレム睡眠に入る人々は鮮明な夢を体験し、その夢では環境と住民が共有され、複数の区別され得る連続体1の中で相互に作用しあいます。すべての夢では被験者がSCP-1449の尾にしがみつくところから始まり、そして被験者は沿岸の泳ぐことが可能な距離内に取り残されます。現在は18箇所の固有の入場地点が知られており、それぞれの入場地点は別々の設定2の連続体に存在しています。対象者は連続体内の出来事に影響を及ぼすことができ、またこの変化は他の被験者にも目撃される可能性があります。しかしながらこの変化は単一の連続体内に限定されます。すべての連続体において夢の中の環境は、広く、浅い海の中に一連の諸島と小さな大陸がある環境です。この地域の住民は通常、見た目は人間型ですが、知性ある珍しい非人間型種族も複数存在しています。住人たちは被験者たちの性質を知らず、単に「遠くからの旅人(travelers from afar)」であると主張します。

補遺-01: SCP-1449の夢の中の環境には以下のような特筆すべき出来事、存在、土地が含まれています。

  • テスト0003:非人間の知性種との最初の意思疎通。その存在は体長およそ10mでヘビに似た身体構造を持っていた。その存在たちとはテスト0016、0023、0040、0056において再度遭遇した。
  • テスト0009:被験者は渡りを行うカモノハシの群れを目撃した。各固体は体重2000キログラムを上回ると見積もられた。また群れは立位身長3メートルで全身に刺青をした6人の人間型生物に引き連れられていた。
  • テスト0014:被験者はバニップ(bunyip)に怪我を負わされた。後遺症は残らなかった。(訳注:バニップはオーストラリアの伝説上の怪物)
  • テスト0029:被験者はラビットハンターのグレイ(Grey the Rabbit Hunter)の弟子として認められ、テスト終了前に3回狩りを成功させた。
  • テスト0035:体長90キロメートルと見積もられる、プリズムの鱗を持つヘビ型生物の最初の観察。テスト0090と0091では連続して観察された。
  • テスト0054:被験者は連続体1449-11においてその地方の奴隷商人の拘束を開始するという大きな変化をもたらし、結果として奴隷商人は処刑された。同じ設定舞台においてその後の訪問では被験者は住人よりその地域の民族的英雄とみなされた。
  • テスト0076:死火山のカルデラにおいておよそ100トンの溶けた白色のプラスチックとコンピューターの電気回路を発見。起源不明。
  • テスト0081:地元のラグビー暴動のため被験者によりテスト中断。

補遺-02: 20██/██/██ 設定舞台1449-01 テスト0103:夢の中の環境における「死せる鋸歯の丘(Dead Jagged Hills)」地帯(第15地区、第3領域)の探検中に、エージェント██████は同じ夢環境内において活動している他の現実世界の人(これ以降、被験者1449-0001と呼称)との接触を持ったとみられます。その時点でエージェント██████はSCP-1449と接触していた唯一の被験者でした。その後の同地帯への訪問において、問題の被験者は一切目撃されませんでした。

被験者1449-0001は相当な困窮状態にある、年齢およそ30歳の白人男性のような外見でした。衣服はぼろぼろに擦り切れ、動物の革や鮫皮で継ぎ接ぎしていました。Agent ██████が思い出したところによると、被験者1449-0001はAgent ██████を目撃すると、近寄ってきて次の言葉を残しました。

何もしゃべらないでくれ。もし君がしゃべれば、俺は気が狂ってしまう。君がしゃべれば何か恐ろしいことが起こるんだ。

君は夢見人だ。俺のように。私の名前はニコライ(Nikolai)、Dhunhomeの船占師だ。またSelachiosk Pungix Combinの同胞でありそして……くそっくそっくそっ違う、ニコライじゃない、私はニコライじゃない。俺はエージェ……エージェント……エージェント……ジョン?くそっ。IDコードは34254-Q0……Q0……ちくしょうちくちょうちくしょう!

すまない……俺は……はっきりとした記憶を持ち続けられない。
こんなにも長い間ここまで頭をはっきりさせておくのは苦しい。夢見ることが全ての隙間を満たす。物事の存在はもたらされたものであるにも関わらず、常にずっとそう在った。時の始まりから俺はこの崖の上に立っている。丁度この場所が常に此処に在ったように。時が始まる前の神々の死により夢は引き剥がされた、でも俺にとっては五年前の話だ。そして……ここまでのところはいいか?俺にはもう夢と現実を区別するのがやっとだ。俺の世界は常に在りのままで、我々はそれをあのように変えた。我々は夢見ることを傷付ける。サメ、これがそれに対する我々の認識だ。我々はそれを傷付ける。我々の世界でそれを殺し夢の時代3はその流れ出る血のように溢れ出て……我々は此処にこの大きな傷跡を作り、そして……そして……物事は間違っている。魚は歩き幽霊は石に宿り女はプラスチックの子供を産み人間の血の海の中でヒルの領域は永遠に広がりセンターは大量の壊れたガラスの中でオパールの牝馬の押しつぶされた背中の上でパンダの骨のボウルからコカインとキャビアを食べそれは常にこのようにある。駄目だ……それをしてはいけない。再びそれをしてはいけない。

被験者1449-0001はこの時点で自分の小屋に戻り、さらなる調査からは彼は消えていなくなったことが明らかになりました。この地帯へのその後の訪問ではさらなる発見はありません。

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