SCP-1460-JP
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収容室で撮影されたSCP-1460-JP。
SCP-1460-JPは写真撮影の際にのみ装飾品を身に着けます。

アイテム番号: SCP-1460-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1460-JPはエリア-81JHの低危険度オブジェクト用収容室に収容されます。SCP-1460-JPへロックバンド"X JAPAN"の楽曲を収めたミュージックプレイヤーを支給し、SCP-1460-JPの精神状態を良好な状態に維持してください。SCP-1460-JPへの対話や関連する実験を行う場合は、レベル2以上のセキュリティクリアランスを所持する職員の承認を得てください。SCP-1460-JPと対話を行う際は、SCP-1460-JPを刺激しないよう、友好的かつ温柔な口調で行ってください。

SCP-1460-JPの自傷行為によって発生する恋昏崎新聞社の新聞紙は、収容維持職員により回収され、財団の情報資料としてアーカイブされます。

説明: SCP-1460-JPは自律行動する"赤べこ1"です。外見的特徴に特筆すべき点は存在しませんが、SCP-1460-JPを構成する紙がGoI-0853"恋昏崎新聞社2"が過去に発行していた新聞3であることが判明しています。SCP-1460-JPが何らかの形で破損した場合、この新聞紙と染料が不明な方法で供給され、SCP-1460-JPを修復します。また、SCP-1460-JPもこの異常性を理解しており、自傷行為を行う事で新たな新聞紙を入手し、情報収集や消閑を行います。

SCP-1460-JPは日本語を用いた意思の疎通が可能です。SCP-1460-JPは饒舌な性格と評価されており、SCP-1460-JPから情報を入手するのは比較的容易です。SCP-1460-JPは自身を形而上の概念が具現化した存在であると証言しており、GoI-6366"Imaginanimal"の1種であることを自称しています。また、自身が恋昏崎新聞社により製作されたことを明らかにしており、恋昏崎新聞社並びに恋昏崎4の住民たちが保護している児童を守護する目的で製作されたことを証言しています。ただし、SCP-1460-JPの持つ異常性に児童を保護するような要素は確認されておらず、財団が認知していない異常性を所持している可能性があります。

補遺.1: SCP-1460-JPの趣向

SCP-1460-JPはロックバンド"X JAPAN5"の愛好者です。SCP-1460-JPはX JAPANの楽曲を鼻歌等で演奏する際、激しく頭部を上下させます。SCP-1460-JPの頭部と胴体を繋ぐ紐は異常性の無い通常の紐であるため、頻繁な頭部の落下が確認されています。SCP-1460-JPの持つ情報源は自身を構成する新聞のみであるため、X JAPANに関して所持する知識に偏りが見られますが、特にギター担当"HIDE"を好んでいる様子が確認されています。以下はSCP-1460-JPへX JAPANに関する話題で対話を行った際の記録です。

SCP-1460-JP対話記録 #4
2018/7/1



≪開始≫

[重要度の低い会話のため省略]

[SCP-1460-JPがX JAPANの楽曲『紅』を口ずさんでいる。]

加暮研究員: 紅、お好きなんですね。

SCP-1460-JP: ああ、すごくいい。高い演奏技術から流れるメロディラインも芸術品だが、特に歌詞がいい。激しいだけじゃないメッセージ性に共感できる。

加暮研究員: 共感ですか。紅の歌詞は抽象的な表現の部分も多いと思いますが、どのような部分に共感しているのでしょうか?

SCP-1460-JP: 赤く染まってるところが一番共感できる。慰めてくれるヤツがいないっていう部分もかなり自己投影できるな。あとこの前アンタに"貴方は何処から来ましたか?"って聞かれた時は、こんなに近くで見てるのに俺が見えないのか? って思ったな。ここも微妙に共感ポイントだった。どうみても福島県から来ましたってビジュアルしてるだろ。いや、まぁ福島からは来てないんだけど。

加暮研究員: うーん。なんだかなぁ。ん、赤いのが一番共感できるのですか?

SCP-1460-JP: ああ、そうだ。

加暮研究員: もしかして貴方がHIDEのファンなのって――

SCP-1460-JP: もちろん赤いからだ。最高にかっこいいぜ。そうそう、紅って最初はボツ曲だったんだけどHIDEがテコ入れして今の感じになったんだよな。HIDEはやっぱりすごいぜ。

[SCP-1460-JPがX JAPANの楽曲"Silent Jealousy"のギターソロ部分を鼻歌で演奏し始める。SCP-1460-JPは激しく頭部を上下させ始める。]

加暮研究員: ちょ、ちょっと。ヘッドバッドは良くないってYOSHIKIも言ってましたよ。落ち着いてください。

SCP-1460-JP: なに? そうなのか? しかし赤べことしての内なる衝動を抑えられない!HIDEのギター最高だ──

[SCP-1460-JPの頭部と胴体を繋ぐ紐が切れ、SCP-1460-JPの頭部が落下する。]

SCP-1460-JP: [叫び声]。またやっちまった。おい!アンタ!すまんが紐を結わいてくれんか!

≪終了≫

補遺.2: インシデント

SCP-1460-JPが従来より激しく自傷行為を行っているのが確認されました。担当職員の判断によりこの自傷行為は制止されました。以下はこの自傷行為についてSCP-1460-JPと対話を行った際の記録です。

SCP-1460-JP対話記録 #11
2018/11/10



≪開始≫

加暮研究員: 落ち着いてください。何があったのですか。

SCP-1460-JP: [慟哭]。これを見てくれよー。[慟哭]。

[SCP-1460-JPが新聞の切れ端を見せる。内容は築地本願寺で行われたHIDEの葬儀の様子を報じたものだった。]

SCP-1460-JP: [激しい音割れにより聞き取り不能]、というかX JAPANって解散してたのか。[慟哭]。

加暮研究員: ご存知なかったのですね。当時は騒ぎになりましたね。後追い自殺が多発して大変だったそうで。

SCP-1460-JP: [慟哭]。ん、後追い? それだ!もうこの世界に俺の役目は無い!X JAPANの無いこの世界で生きていくなんて無理だ!俺もHIDEのところへ行こう!アンタ!首を吊るから縄を用意してくれ!

加暮研究員: 何を言ってるんですか。ダメですよ。というか貴方の首は最初から吊られているじゃないですか。首が落ちても大丈夫なわけですし、壊れた部分からドンドン治りますし死んだりできないんじゃないですか?

SCP-1460-JP: そんな。イマジネーションが全ての俺は死ぬことも出来ないのか!? 現実よりも大きく立ちふさがるというのか。待てよ、そうだ、火に飛び込むってのはどうだ。ステーキにはなれないが──

加暮研究員: 何を言ってるのかわかりませんが、あんまり暴れると持ち上げて縛り上げちゃいますよ。

SCP-1460-JP: なんだ小娘。ふん! やれるもんならやってみろ! 俺はもうこの世に未練もやり残したことも無いんだ。大暴れしてやるからな! 俺もHIDEの殉教者になってやる!

≪終了≫



SCP-1460-JPは警備職員により問題なく拘束されました。拘束後もSCP-1460-JPは不安定な状態が続いているため、慎重な経過観察が行われます。

補遺.3: 沈静化

上記インシデントから2日後にSCP-1460-JPは沈静化しました。その際行った対話でSCP-1460-JPの来歴に関する新たな情報を入手しました。以下はその抜粋です。

SCP-1460-JP対話記録 #12
2018/11/12



≪開始≫

加暮研究員: 落ち着いたみたいですね。

SCP-1460-JP: ああ。よく考えたんだ。HIDEはファン想いのアーティストだった。ファンが後追いするのを喜ばないんじゃないかってな。

加暮研究員: 大変良い考え方だと思います。ところでつい先日の貴方のことで質問があります。

SCP-1460-JP: ん、質問? なにが聞きたいんだ。

加暮研究員: 気にしすぎなのかもしれませんが、この前の貴方は"役目は無い"であるとか"やり残したことは無い"などと話していた記憶があります。何か意味があるのかなと思いまして。いかがでしょうか?

SCP-1460-JP: ああ、そのことか。えーっと、俺が恋昏崎から来たっていうのは前に言ったよな。俺は別にただの置物じゃない。俺は赤べこ、これでも一応子供を護る魔除けなんだ。

加暮研究員: 役割というのはそのまんまズバリ魔除けのことですか?

SCP-1460-JP: そうだ。俺を作ったのは恋昏崎新聞社の大久保凛子っていう女記者だった。大久保は恋昏崎に来た時子供を連れてた。涼介って言うんだ。大久保本人の子供かは解らない。でも大切にしていたようだ。

加暮研究員: あー。では貴方はその子供、涼介さんの魔除けとして作られた訳ですね。

SCP-1460-JP: そうそう。涼介は恋昏崎の連中に囲まれて大切に育てられた。その中でも俺はアイツの一番近くでアイツを護っていた。いつ降りかかるとも解らん厄災に備えてな。何度も一緒に遊んだし、何度も喧嘩もしたなぁ。でも、俺が役割を果たす日は来なかった、アイツは何事もなく無事に大人になったのさ。喜ぶべきことだけどな。

加暮研究員: なるほど。それで貴方は自身の役割が終わったと。ちなみに涼介さんは今どうしているのでしょうか。

SCP-1460-JP: 殺されたよ。アンタらにな。捕まってた恋昏即売6の連中を救出するための襲撃作戦に先陣切って参加してな。"目標は財団複合基地エリア-81JH。必ず同志を救い出す。総員奮励努力せよ。"それが俺が最後に聞いたアイツの声、奮励努力って東郷平八郎かよ、なあ?

加暮研究員: それはなんてコメントしたらいいか。ズカズカと聞いて申し訳ありません。それに、涼介さんは貴方にとって大切な存在だったはずです。それを我々が殺害しているとは。

SCP-1460-JP: いいや。アンタらはアンタらの仕事をしただけよ。アイツが普通の道を歩むように導けなかった俺たちに責任があるさ。アイツは、子守に俺みたいな存在を使うような大人たちの背中を見て育っちまったんだ。そんな背中を見せちゃいけなかったんだ。なぁに、俺はもう何とも思ってないさ。

加暮研究員: そうですか。答えていただきありがとうございました。

SCP-1460-JP: あとは特に話すことないな。俺はアイツにせめて花ぐらい手向けるかと思って、ここまで来たところをアンタらに捕まって今日に至るってハナシだしな。少し変わった赤べことしての余生をここで過ごすのも悪くないさ。X JAPANも解散してることだし、風が吹けば少し首を揺らすだけの穏やかな生活も悪くないだろう?

加暮研究員: あー。そのことなんですが少し補足がありまして、X JAPANは2007年に再結成しています。

SCP-1460-JP: なに!? それは本当か? いや、いやいや。HIDEが死んでるのに何故再結成できるんだ。いったいどういう――

加暮研究員: 元LUNASEAのSUGIZOを助っ人にしての再結成ですね。結局SUGIZOは2009年に正式加入していますが。

SCP-1460-JP: [激しい音割れにより聞き取り不能]。なんだそれ!HIDEを忘れちまったのか!? HIDEは置き去りか!? 許せないぞそんなの!

加暮研究員: 落ち着いてください。これを見てみてください。

[加暮研究員が端末を利用し、SCP-1460-JPに2009年に東京ドームで行われたX JAPANのライブ映像を見せる。映像は"紅"が演奏されるシーンから再生された。]

SCP-1460-JP: 紅か。おう、このヴァイオリン弾いてるのがSUGIZOだな?

[映像内のToshlが"紅だ!"と絶叫する。]

SCP-1460-JP: うお!うおお!おお!

[SCP-1460-JPの首が僅かに上下し始める。]

SCP-1460-JP: すごいなToshl、まだこんなに声でるのか!昔のX JAPANがそのまんま居るみたいじゃないか。HIDEが居ないことを除けば。

[演奏が進み、間奏に入ると映像内のモニターに生前のHIDEが演奏している姿が放映される。]

SCP-1460-JP: なっ!? ああ、これは、なんてこった。ああ!ああ!そんな!HIDEが!

[サビに入ると同時にSCP-1460-JPの首が激しく上下される。]

加暮研究員: X JAPANはHIDEを忘れていません。生前の映像、人形、ホログラム、ありとあらゆる手段でX JAPANはHIDEと共に音楽活動を続けています。X JAPANは音楽性の違いや仲間の死を乗り越え今も輝き続けています。

[SCP-1460-JPの首の動きが緩やかになる。]

加暮研究員: 余計なお世話かもしれませんが貴方は涼介さんの死を受け止め切れていないのではないですか? 勿論それは簡単なことでは無いです。でもX JAPANがそうであったように、死者を忘れずに記憶の中で生かし続け、共に歩むことで乗り越えることができるのではないでしょうか? ですから、風に揺れるだけなんて悲しいことを言わず、これからも―ー

SCP-1460-JP: アンタ、こんなに赤い俺を慰めてくれるのかい? そうか、そうだったのか。そうかそうか。

[SCP-1460-JPの首が静かに上下する。]

≪終了≫



対話中に登場した大久保凛子は、GoI-8101"日本生類創研"の重要参考人PoI-81-052"大久保凛子"と同一人物であると考えられます。PoI-81-052は日本生類創研を脱走する形で脱退しており、その際にSCP-1033-JPに関する情報資料を奪取していることが財団諜報部により判明しています。また、PoI-81-052は脱走の際、日本生類創研ヒト科生物研究室より人型実体を奪取しています。SCP-1460-JPが言及した涼介とされる人物はこの人型実体であると推測されます。

SCP-1460-JPが言及したエリア-81JHへの襲撃インシデントはインシデント-1WJK-JP"スマイリーデグレート"を指していると推測されます。詳しくは添付報告書を参照してください。;-)

2011年にX JAPANメンバーのTAIJIは死亡していますが、担当職員の判断によりSCP-1460-JPに対する情報開示は行われていません。2011年の時点で、既に恋昏崎新聞社の情報発信媒体はインターネットに完全移行しているため、SCP-1460-JPがTAIJIの死亡に関する情報を入手することはありません。

加暮研究員によりSCP-1460-JPをAnomalousアイテムとして収容する提案が行われましたが、財団日本支部理事会は恋昏崎新聞社に関する情報資料の充実を目的にSCP-1460-JPの特別収容プロトコルは維持する決定を下し、これを却下しました。

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