アイテム番号: SCP-1468
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 回収した全てのSCP-1468の個体は財団飼鳥園#4に収容します。1日2回、鎮静または拘束して適切な量の水と鳥餌を強制的に給餌します。SCP-1468の健康を維持する為に、適時の治療が必要です。軟質素材の大きなブロックを安全な刻字用の面として飼鳥園に設置します。行動の差異がある為、全てのSCP-1468の個体がこの素材を利用する訳ではなく、また幾つかの個体に対しては健康面に危険をもたらす可能性があります。
説明: SCP-1468はPoecile atricapillus種、もしくは標準和名アメリカコガラ種の亜集団の総称です。全てのSCP-1468の個体は定期的に刻字可能な面に嘴で言葉や文字を刻み、通常は可能な限り柔らかい素材を探しますが、幾つかの個体では鉄のように刻字不可能な硬い素材で刻字を試みようとする様も記録されています。殆どの場合、英語のアルファベットを使用しますが、キリル文字やペルシャ語のアルファベットを刻むSCP-1468の個体も記録されています。観察で各SCP-1468の個体は異なる既知の文学作品をゆっくり模写している事が示唆されており、その多くはフィクション小説です。より詳細はSCP-1468観察記録を参照してください。
SCP-1468の個体はほぼ休むことなくこの刻字作業を続け、唯一少量の食料と水を摂取する時にのみ休止します。この為、栄養学的に生存可能な量の食料と水の提供と、治療には拘束と鎮静が必要です。刻字行動による度重なる過度の負担により、SCP-1468の個体は嘴のひび割れ及び欠損、感染症、首の筋肉痛、脱水及び栄養失調に陥り、いくつかの事例では死に至っています。SCP-1468の個体はこれらの負傷からの痛みを無視しているようで、その代わりに刻み続けます。この行動は最初の発見以降エスカレートしており、損傷率が増加しています。
SCP-1468の個体が文学作品の完成に成功した場合、何が発生するのかは現在不明です。現在の執筆状況ではSCP-1468-19が完成に最も近く、オルダス・ハクスリー著の『すばらしき新世界』が約78%完成しています。SCP-1468の個体間で刻字速度は均一ではありません。
SCP-1468の個体は刻字に関係のない行動を取る事は珍しく、交配は観察されていません。この為、現在のSCP-1468の個体の子孫の繁殖を確実とする為に人工的な手段が提案されています。これが認可されなかった場合、SCP-1468は自身を絶滅に追い込むと考えられています。
SCP-1468観察記録のサンプル
SCP-# | 刻んでいる文学作品 | 完成度 | 追記事項 | |
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1468-1 | スティーブン・キング著『不眠症』 | 52% | ||
1468-4 | ジョージ・オーウェル著『空気を求めて』 | 23% | 嘴が破損した為、現在治療を受けています。 | |
1468-6 | 現在不明 | N/A | 現在までに元の作品を特定するに十分な単語は記録されていません。 | |
1468-7 | ピアズ・アンソニイ著『On a Pale Horse』 | 19% | ||
1468-10 | チャールズ・ディケンズ著『二都物語』 | 3% | ||
1468-11 | ニザーミー・ギャンジェヴィー著『ライラとマジュヌーン』 | 37% | 唯一の既知の詩作の例です。刻字にはペルシャ語のアルファベットが使用されています。 | |
1468-15 | フョードル・ドストエフスキー著『罪と罰』 | 40% | 刻字にはキリル文字のアルファベットが使用されています。 | |
1468-19 | オルダス・ハクスリー著『すばらしき新世界』 | 78% | ||
1468-20 | ジョン・スタインベック著『アメリカとアメリカ人』 | 27% | ||
1468-21 | K.A.アップルゲイト著『エイリアンの侵略』 | N/A | 栄養失調による合併症で死亡。 | |
1468-26 | ニール・ゲイマン、テリー・プラチェット共著『グッド・オーメンズ』 | N/A | 栄養失調による合併症で死亡。 | |
1468-33 | セオドア・スース・ガイゼル著『緑の卵とハム』 | N/A | 栄養失調による合併症で死亡。 |
20██/12/█、カレン・██████研究員はSCP-1468の個体が以前考えられていた物より高い認識機能を持っている可能性と、意思疎通の試みの実行を提案しました。以下はSCP-1468の個体との意思疎通の試行です。SCP-1468-29は無作為に選ばれました。