SCP-1472-JP
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アイテム番号: SCP-1472-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1472-JPはサイト-8102にて、SCP-1472-JP-A群を昆虫飼育用容器、SCP-1472-JP-B群を標準小型生物用収容室にそれぞれ収容します。それぞれの飼育は非異常の同種と同様の手順で行い、個体数維持を目的とした交配時にのみ専用手順での介入を行ってください。担当職員には重要添付資料: 各SCP-1472-JP群飼育、交配手順詳細の確認が義務付けられます。

説明: SCP-1472-JPは異常な行動形質と身体器官の構造を有する2種類の実験動物群です。それぞれキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)をベースにしたSCP-1472JP-A群(以下A群)とハツカネズミ(Mus musculus)をベースにしたSCP-1472-JP-B群(以下B群)に大別されます。

SCP-1472-JP群は交尾を行う際、一部のヒト(Homo sapiens)が持つパラフィリアを保有しているかのような習性を見せます。収容後の分類工程では個体ごとに対応するパラフィリアが異なることが確認されており、A群B群が各3種類に細分化されています(以下、SCP-1472JP-A-1~3,SCP-1472-JP-B-1~3)。各SCP-1472-JP分類群にはそれぞれに特異な器官の発達が見られます。保有する器官は対応するパラフィリアにより異なり、多くは肉眼で判別可能です。また、異常な身体器官がヒトや植物など明らかに別種の生物に類似している点は特筆に値します。SCP-1472-JP群は特異な交尾欲求によってのみ繁殖行動をとるため対応するパラフィリアによっては自力での繁殖が不可能な場合があり、またその異常な身体構造のため人間による補助無しには個体数を維持できない場合があります。

以下はSCP-1472-JP-A-1~3群及びSCP-1472-JP-B-1~3群のおおまかな特徴と個体数維持に必要な処置の一覧です。

[SCP-1472-JP-A群]

SCP-1472-JP-A-1

対応するパラフィリア: ペドフィリア1

異常な行動形質: 雌雄共に、成虫個体が同種の成虫個体ではなく幼虫個体との交尾行動を試みる

異常な身体器官構造: 雌雄共に生殖器官のみが縮小されたヒト生殖器に置換されており、雄個体では腹部先端にヒト男性器、雌個体では腹部内部にヒトの子宮と同等の構造が確認される。

必要な交配介入処置: 飼育瓶内に同種の幼虫個体とSCP-1472-JP-A-1雄成虫個体を入れ、交配行動を誘発。瓶内での射精行動を確認した後に精液を回収し、顕微鏡下で雌成虫個体に注入する。

SCP-1472-JP-A-2

対応するパラフィリア: コプロフィリア23

異常な行動形質: 交配行動の誘発に人糞を必要とし、雌雄共に人糞を自身と交尾相手の体表へ塗布しながらの交尾を行う

異常な身体器官構造: 食道から肛門に至る消化管構造のいずれか一部が縮小されたヒトのものに置き換わっており、置換箇所は個体によって異なる。

必要な交配介入処置: 交配の際、飼育瓶内に雌雄成虫個体と共に人糞を封入する。その他の手順に通常のキイロショウジョウバエ交配との差異は無い。

SCP-1472-JP-A-3

対応するパラフィリア: オキュロフィリア4

異常な行動形質: 交配行動時に、雌雄共に交尾相手の眼球を舐める行動が見られる

異常な身体器官構造: 雌雄共に左右の複眼が縮小されたヒト眼球に置換されており、吻部後方に自身の体長と同程度まで伸びる赤色の舌状器官を備えている5

必要な交配介入処置: 通常のキイロショウジョウバエ交配との差異は無いが、SCP-1472-JP-A-3個体の眼球は複眼と比較して傷つきやすいため飼育瓶への移動時に注意が必要である。

補遺: SCP-1472-JP-A-3群の一部は発見現場(後述)に於いて他のA-3個体群とは個別に隔離管理されていた形跡があり、発見された記録と遺伝子解析からこの一群には過去世代に於いてA-2個体群との人工交配実験が行われた事が判明している。このSCP-1472-JP-A-3個体群同士の交配では一部の子個体がSCP-1472-JP-A-2となる事が確認されており、SCP-1472-JP-A-3形質はSCP-1472-JP-A-2形質に対して顕性であると見られる。


[SCP-1472-JP-B群]

SCP-1472-JP-B-1

対応するパラフィリア: アクロトモフィリア6

異常な行動形質: 雌雄共に、四肢を欠損した個体が存在する環境下でのみ発情し、該当個体との交尾を行う

異常な身体器官構造: 前肢、後肢共に非異常の同種と比較して発達しており、指などの末端部ではヒトに近似した形態を呈する個体も存在する。

必要な交配介入処置: 担当職員が手術によって雄個体の四肢を切除し、管理環境下で雌個体を発情させ交尾を行わせる。雌個体の四肢を切除する事でも交尾行動の誘発は可能だが、母個体と子個体双方の生存率が著しく低下するため推奨されない。

SCP-1472-JP-B-2

対応するパラフィリア: デンドロフィリア7

異常な行動形質: 植物、または植物的形質を有する対象8に発情し、交尾を行う

異常な身体器官構造: 体毛に葉緑素を持ち雌雄同体、雄性生殖器はセイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)の茎に類似し、雌性生殖器は鮮やかな黄色である。交尾による生殖の他、単為生殖も可能である。

必要な交配介入処置: 無し。個体数が過剰となった場合、一部の個体を終了する事が許可されている。

補遺: SCP-1472-JP-B-2群からは稀にトウモロコシ(Zea mays)に類似した形質を示す個体が誕生する事があるが、この形質はセイヨウタンポポ形質に対して潜性である。

SCP-1472-JP-B-3

対応するパラフィリア: ナレートフィリア9

異常な行動形質: 雌雄共に行動をリアルタイムに詳述する口述音声が存在する場合にのみ発情して交尾を行い、また交尾を中断せずに完了する為にも同様の口述音声を必要とする

異常な身体器官構造: 非異常の同種と比較して大脳皮質が頭蓋骨の変形を伴いながら顕著に増大しており、特にヒトのウェルニッケ野に相当すると推測される箇所の発達が著しい。

必要な交配介入処置: 担当職員がケージ内の雌雄個体双方の行動を目視し、両個体の行動を明瞭な発声で詳述する。この詳述には日本語を用い、交尾行動の完遂まで継続する。この際、SCP-1472-JP-B-3群は大脳皮質の増大に伴って知能レベルの大幅な向上が見られる個体群であるため、扉やロック機構部といったケージの構造に言及する形での状況詳述は推奨されない。

補遺1: SCP-1472-JPは201█年█月█日、██県██市山中にて発生した火災に伴い発見されました。出火元は建築時期不明の山小屋であり、実地調査時に発見された地下室から継続的に飼育されていたと見られるSCP-1472JP群が回収されました。地上階部分の焼け跡からは僅かに焼け残ったSCP-1472-JP群に関する資料の一部や小紙片群10が回収された他、SCP-1472-JP群の飼育者であったと見られる不明な人物の非異常性な死体が発見されました。資料からはSCP-1472-JP群が人工的なオブジェクトであり、エンドウマメ(Pisum sativum)やトウモロコシを用いた遺伝子操作実験11と並行してSCP-1472-JP-A群が作成され、その後にSCP-1472JP-B群の作成へ移行した経緯が読み取れますが、死体の人物がSCP-1472-JP群の製作者であるか、またその背景理由や動機は現時点で不明です。

また地下室からはUniverse25を模倣したとみられる16個の巣箱を環状に並べ20本のトンネルで接続した構造物が半ば焼け落ちた状態で発見されており、巣箱内部にそれぞれ設置された16個の映像機器が回収されました。飼育者はこの構造物内で不明な期間、複数タイプのSCP-1472-JP-B個体群を飼育したと見られています。以下は唯一復元に成功した断片的な映像記録であり、強く歪んだ声質での人語を用いた口述を行う不明な発話者の音声が含まれます。

復元された映像記録

<抜粋開始>

[映像は巣箱内を映しており、カメラ視野の左右端にトンネルに続く開口部が収められている。また鋸屑の敷き詰められた床面に横たわる2体のSCP-1472-JP-B-2個体と、巣箱中央からカメラ視野上方まで伸びるエンドウマメの草本が確認できる。]

[右のトンネル開口部から、肥大した頭蓋と鮮やかな赤色の体毛を持つ未知のSCP-1472-JP-B個体が3体侵入して1472-JP-B-2個体を押し退け、3体入り乱れての交尾を開始する。この際押し退けられたSCP-1472-JP-B-2個体の腹部が映り、凡そ妊娠15日目の状態にある事が分かる。]

不明な発話者: やはり聖母はここにいた (2秒間の羽音) 緑の乙女は

[左のトンネルから複数のSCP-1472-JP-B個体が侵入。その内の5体は極度に肥大した頭蓋を有し、植物繊維で編まれた環を頭上に乗せている12]

不明な発話者: ああ、信仰の蹂躙だ

[3体のSCP-1472-JP-B-4個体が上述のSCP-1472-JP-B-2個体を捕らえ、強引に交尾行動を開始する。この3体の内2体は雌、1体は雄である。]

[右トンネル開口部から火の手が上がり、巣箱内の鋸屑に延焼する。]

不明な発話者: 父よ

[エンドウマメの草本が倒れる。花部はハツカネズミを模した異常な形態であり、小刻みに痙攣している。]

不明な発話者: 父の関心は鼠達に移ってしまった、私達は可哀想なんだ

[妊娠状態にないもう1匹のSCP-1472-JP-B個体がエンドウマメ花部との交尾行動を試みる]

不明な発話者: 父は我々を見捨てた、私は可哀想、私は可哀想なんだ……、あぁっ…… (何らかの物体が排出される粘性の音響)

[直後、カメラの視界が上方から降り注いだ不明な蛆状幼虫と粘液によってレンズが覆われる事で遮られる]

不明な発話者: 楽園が燃えている

[羽音が発生し、5秒間継続しながら徐々に減衰する13]

<映像途絶>

回収された資料の記載と以下に挙げる状況証拠から、現在未発見未収容状態のSCP-1472-JP群が存在する可能性が高く、野生環境下での繁殖や非異常同種との交配によって引き起こされる遺伝子汚染の危険性を踏まえて未把握のSCP-1472-JP群の捜索が継続されています。

  • 小屋内部には各所に木材や鋸屑を集めて意図的に着火された痕跡が点在している
  • 焼け跡に存在した死体には、両手首内側と両足甲にそれぞれハツカネズミの連続した咬傷によって十字形の傷が付けられていた
  • 同死体の鳩尾上にはリンゴが配置されており、死体上で複数のハツカネズミがそのリンゴを齧りながら交尾行動に及んだ形跡が見られる
  • 死体の頭部周辺には油を染み込ませた木材が円形に配置された上で着火された形跡があり、光輪を模したものと解釈できる
  • 映像記録にて発話を行っていた実体及び、それと同様の形質を持つ実体を財団は捕捉できていない
  • 映像記録にて未知のSCP-1472-JP-B個体群が確認された他、回収資料にはノーモフィリア14、オクロフィリア15ピロフィリア16ハイエロフィリア17にそれぞれ対応するSCP-1472-JP-B群への言及が見られるが財団が回収した個体群には該当個体は確認できない

補遺2(202█/█/12追記): 202█年現在、農業作物として流通しているエンドウマメの一部にSCP-1472-JP遺伝子汚染が確認されています。同年の3月時点から「エンドウマメに蛆が湧いていた」とのクレームが███県█市、██県██市及び█市、███県██市にて栽培されたエンドウマメを対象に散見されており、5月1日に報告された「さやえんどうの内部にネズミの胎児が詰まっていた」との事例によりSCP-1472-JPとの関連性が浮上、遺伝子調査によってSCP-1472-JP-A群、B群双方との交配が発生している事が判明しました。これら遺伝子汚染による影響はいずれも一般的エンドウマメの形質に対して潜性、かつB群形質がA群形質に対して潜性の関係となっており、遺伝子汚染規模の把握は難航しています。現在この事案と回収資料双方の内容を踏まえて一般流通しているエンドウマメとトウモロコシに対する大規模調査プロトコルの制定が進められており、特別収容プロトコルへの近日中の追記が予定されています。

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