アイテム番号: SCP-1477-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1477-JPはその異常性により財団サイトへの移動が不可能であるため、現在SCP-1477-JPが存在しているアパートをカバーストーリー"老朽化"により閉鎖します。実験等の目的でSCP-1477-JPに入る際は防具服の着用が義務付けられます。
説明: SCP-1477-JPは平峰 亮1氏が生前居住していた、神奈川県南足柄市████に存在するアパートの204号室です。部屋の内部には平峰氏の遺体が存在しており、平峰氏の死因は非異常性の心臓発作であると推定されています。SCP-1477-JPの異常性がSCP-1477-JPの内部にある物品に起因するものであるかに関しては現状不明です。
SCP-1477-JPの異常性はSCP-1477-JP内において人間が行う一部の動作に対する阻害という形で発現します。現在では、調査によりSCP-1477-JP内部で仏教における五戒に抵触する言動を行おうとした場合に異常性が発現し、動作が阻害されることが判明しています。以下は現在財団が発見しているSCP-1477-JP内で発生する現象を分類したものです。
不殺生戒
概要: 意図的な生物の殺害の禁止。
結果: 生物を意図的に殺害しようとした際、対象となった生物が致命的ダメージを受ける際に瞬間的に不死性を獲得する。この対象には自害は含まれず、また意図的でない場合も同様である。
不偸盗戒
概要: 窃盗行為の禁止。
結果: SCP-1477-JP内の物体をSCP-1477-JP外に移動させようとした際、SCP-1477-JPと外部の境界部分に不可視の障壁が発生する。ただし、その物体の所有権を自らが有している場合には発生しない。
不邪婬戒
概要: 非道徳的な性行為の禁止。
結果: [未検証]
不妄語戒
概要: 誤った発言の禁止。
結果: SCP-1477-JP内で発声者が嘘であると認識している事柄を発声しようとした際、一時的に発声障害が発生し、その事柄を発言できない。発声者の認識による判定であり、実際のその事柄の真偽は関係しない。
不飲酒戒
概要: 中毒性のある物質の摂取の禁止。
結果: SCP-1477-JP内にアルコール、ニコチン、カフェインなどをはじめとした依存性物質が含まれる物質を持ち込んだ場合、即座にその成分が消失する。
平峰氏は生前敬虔な仏教徒であったことが周囲の証言とSCP-1477-JP内の物品により判明していますが、それがSCP-1477-JPの異常性と関連するかは不明です。
発見経緯: SCP-1477-JPは神奈川県警による巡回連絡の際に発見されました。警察によりSCP-1477-JP内の平峰氏の遺体が発見された際には既に平峰氏の死から10日以上経過していたと報告されています。その後、警察機関は平峰氏の遺体を検死に回そうとしましたが、SCP-1477-JPの異常性により失敗2しました。この件を受けてSCP-1477-JPは財団が管理することとなり、事後処理が行われました。
補遺: SCP-1477-JP内部は腐敗した平峰氏の遺体を主としてイエバエ(Musca domestica)をはじめとした昆虫類が繁殖しています。そのため、不殺生戒に抵触するために昆虫類の駆除が出来ないこと、不偸盗戒に抵触するためにその昆虫類の死体及び平峰氏の遺体を撤去することができないことなどから、衛生環境は極めて劣悪なものであり、また改善することが非常に難しくなっています。
現在、実験による異常性の検証はまだ不完全です。しかし、異常性の検証項目の一部、特に不邪婬戒については、推測される性質からSCP-1477-JP内での非衛生的な環境下で行うことは被検体に対し甚大な健康被害をもたらすと考えられます。そのため、実験の続きは何らかの手段によってSCP-1477-JP内に衛生的な空間を発生させることが可能になるまで保留されます。