アイテム番号: SCP-1485-JP
オブジェクトクラス: Safe Keter
特別収容プロトコル: SCP-1485-JPはサイト-81██内小型生物収容エリア内に雌雄に分けた状態で収容され、小型齧歯類基準の食事・ケアを行って下さい。SCP-1485-JP群個体数は約10~20匹以内に留め、交配を伴う実験には上級職員以上の許可が必要です。
財団の管轄外となっているSCP-1485-JP群が発見された場合、地域ごとにオペレーション・ペストキルに基づいた処置並びにカバーストーリーの流布を行って下さい。
説明: SCP-1485-JPは異常性を有するハツカネズミ(Mus musculus)群です。体毛は一般的にパンダカラーと称される白黒で構成されており、耐久性や活動サイクル、寿命等は一般的なハツカネズミと同じである事が確認されています。
尾部先端はハツカネズミの遺伝子とアルミニウムが合わさった成分によってタイプA型USBコネクタと完全に同様の形状を保ちます。耐久性は通常のUSBコネクタに比べてやや高く、隅の欠けや腐食といった軽度の損傷はSCP-1485-JP本来の代謝に伴って回復する様子が確認されています。
SCP-1485-JPの尾部をパソコン・タブレット等に挿入する事で自動的にダウンロードされる「Mouse de mouse」と名付けられたドライバを認識・適用した場合、一般的なマウスと同様の機能を使用する事が可能です。接続中SCP-1485-JPは両手足を伸ばした体勢で固定後一時的な仮死状態となり、接続が解除されたと同時に仮死状態は解除されます。以下は接続時のSCP-1485-JP操作方法です。
SCP-1485-JPの操作 | 適用される行動 |
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SCP-1485-JPを平面状に擦る | 腹側を擦る事でポインタの移動 |
SCP-1485-JPの耳を触る | 右耳の付け根が右クリック、左耳の付け根を押し込む事で左クリック |
SCP-1485-JPの額を擦る | 上下に擦る事でページの上下移動、左右に擦る事でページの遷移が可能 |
SCP-1485-JPの尻を摘まむ | 画面上に「マウス操作プロパティ」が出現。左利き向け操作への切り替えやポインタ速度等の変更が可能 |
SCP-1485-JPは2012年11月18日、石川県内に存在するペットショップ関連店に偽装された日本生類創研関連施設への強制調査により発見されました。内部は最近に放棄された形跡が見られ、確認されたケージ・培養槽等の設備からSCP-1485-JPを含む推定12種以上の生体オブジェクトを保持していたと予想されます。
<実験記録001:2012/11/21>
実施方法: SCP-1485-JPの尾部をパソコンのUSBポートへと挿入する。
結果: SCP-1485-JPは一時的な仮死状態に陥り、「Mouse de mouse」と名付けられたドライバが自動的にパソコン内へとインストールされ、通常のマウスと同様の操作が可能になった。接続を解除した直後SCP-1485-JPの仮死状態は解除された。
分析: ほとんど予想通りの結果である。
<実験記録002:2012/11/21>
実施方法: SCP-1485-JPの切断した尾部をパソコンのUSBポートへと挿入する。
結果: 変化なし。
分析: 異常性の本元はSCP-1485-JP本体に備わっている様だ。
<実験記録003:2012/11/22>
実施方法: 実験記録002において尾部を切断されたSCP-1485-JPの尾部を縫合により結合し、パソコンのUSBポートへと挿入する。
結果: 実験記録001と同様の結果を残した。
<実験記録004:2012/11/22>
実施方法: 尾部を切断したSCP-1485-JPに通常のタイプAUSBコネクタを縫合により結合し、パソコンのUSBポートへと挿入する。
結果: 変化なし。
分析: あくまで生態的な尻尾で無ければ駄目であるらしい。
<実験記録005:2012/11/24>
実施方法: 2匹のSCP-1485-JPの尾をそれぞれ切断し、互いの尾部を入れ替えて縫合、パソコンのUSBポートへと挿入する。
結果: 2匹とも実験記録001と同様の結果を残した。
分析: 案外無茶も利く様だが、そもそも通常の人間はネズミをマウス代わりには使わない。
<実験記録006:2012/12/21>
実施方法: SCP-1485-JP同士、SCP-1485-JPと通常のハツカネズミの異性を交配させる。
結果: SCP-1485-JP同士で交配させた仔は全てがSCP-1485-JPと変化したが、通常のハツカネズミと交配させ出産した仔は全てが非異常性のハツカネズミだった。体色のパターンは通常の遺伝と一致する。
分析: 一安心といった所か。
<実験記録007:2013/3/20>
実施方法: 実験記録006において確認されたSCP-1485-JPと通常のハツカネズミとの間に産まれた仔同士を交配させる。
結果: 出産が確認された孫は約5割がSCP-1485-JPに変化していた。
分析: これで安心出来なくなったな。
関連施設への追加調査の結果、発見されたノートパソコン内部のデータから以下の送信済みメールが確認されました。また、ノートパソコンの状態・メール機能以外のデータが削除されている事から施設調査後に置かれた可能性が高いと予想されています。
以下は送信済みメールの訳文です。全ての文章が英語によって記載されていました。
作成日時 : 2012/09/28[送信済]
送信者: 日本生類創研M-28支部
宛先: Alen Parkliner
タイトル : 発送しました。
この度は貴社への御注文誠にありがとうございました。先程全ての下準備を終えて発送致しました。
何も発送ラインに問題が無ければ、3日後にそちらの元へと届く筈です。試供品と比較してより自然な操作を目指した各種性能を向上させました。
ご縁がありましたらどうか再び我が社の力を頼りになって頂ければ幸いです。
なお、多忙の為商品に関する意見・要望は今メールの受信後14日以内でしかお受け出来ません。ご了承下さい。
作成日時 : 2012/10/05[送信済]
送信者: 日本生類創研M-28支部
宛先: Alen Parkliner
タイトル : 育て方について:Re
添付したマニュアルに記載した通りに、オス・メスごとにケージは分けて管理して下さい。
このままでは個体数が増殖し続け、環境の悪化・個体同士の共食い等が発生する場合があります。
作成日時 : 2012/10/06[送信済]
送信者: 日本生類創研M-28支部
宛先: Alen Parkliner
タイトル : ありがとうございます:Re
先程のメールに記載しました通りに、オス・メスごとにケージは分割する事を提案します。
一般的にネズミの繁殖速度は極めて早いもので、そちらが管理可能な個体数を超過するまでそれほどの時間は掛からないでしょう。
添付された画像内の「かわいく尊い子供」についてですが、再来月には繁殖が十分可能な程成長します。
作成日時 : 2012/10/09[送信済]
送信者: 日本生類創研M-28支部
宛先: Alen Parkliner
タイトル : これで良いのです:Re
貴方が所属している慈善財団がその様な思想を持ち合わせていたとは知りませんでしたが、
此方が把握していたならばもう少し別の該当する生物を送れていたかと思います。
個人的な意見となりますが、急を要する程その地域にマウス(PC機器)は必要なのでしょうか?
今メールを読んだのであれば、まずはケージを分ける所から始めて下さい。
作成日時 : 2012/10/12[送信済]
送信者: 日本生類創研M-28支部
宛先: Alen Parkliner
タイトル : 問題ありません:Re
逃がしたんですか?
作成日時 : 2012/10/13[未送信]
送信者: 日本生類創研M-28支部
宛先: Alen Parkliner
タイトル : 自然に戻しています:Re
それを世間一般的には不法投棄と呼びます。