SCP-1494-JP
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あるSCP-1494-JP実例の影響地域。

アイテム番号: SCP-1494-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 全てのSCP-1494-JP実例の影響地域及びその隣接範囲には自動探査ドローン、小型監視カメラ・マイクの追加設置を中心とした無人監視を継続してください。影響地域及びその隣接地域における自治体からはSCP-1494-JP信仰の詳細を隠匿し、特にSCP-1494-JP-A,B,Cの痕跡を隠滅する努力が続けられなくてはなりません。

現在のSCP-1494-JP影響地域の隣接範囲からは全有人財団施設を退避させておかなければなりません。影響地域住民に対する隔離・記憶処理、または影響地域の非人化については収容司令部の総合的判断により、隠蔽・実行コスト・周辺への影響を考慮して行ってください。

隣接範囲に新たなSCP-1494-JP実例が発生した場合、財団が直ちに該当範囲を封鎖して地域住民の介入を退けます。封鎖に関わる職員は3日毎のシフトで入れ替えられ、同一人物が合計30日以上同じ影響地域に逗留してはなりません。

SCP-1494-JP発生車道のアスファルトごとの撤去については現在協議中です。

説明: SCP-1494-JPは日本国内の車道に前兆なく発生する、精神影響性を帯びた洗浄不可能な多量の血痕です。SCP-1494-JPの形態は多様であり、単なる流血痕である場合からある程度の距離を引き摺られたような痕、手や靴の痕、車両のタイヤ痕が残る場合などが確認されています。体格の痕跡が含まれるSCP-1494-JPからは、出血者が第二次性徴前の児童であることが推測されます。また、全てのSCP-1494-JP実例の血液量は該当年齢においてほぼ致死的です。

SCP-1494-JPは地域住民に対する集団的な精神影響性を帯びています。各実例が影響する範囲は概ね2.0~3.5km2であり、この影響範囲に2つ以上の実例は発生しません。これまでのところ、新たなSCP-1494-JP実例は既存のSCP-1494-JPとその影響範囲を隣接させるようにして発生しています。発生までの周期は特定できていません。

SCP-1494-JPが発生した地域では、新たにSCP-1494-JPを神体とする土着信仰が発生します。この信仰は特に老年層を中心として急速に波及し、一ヶ月以内に地域コミュニティに完全定着すると見られています。この間に内外を頻繁に出入りしたり、あるいは完全退去した住民は影響を受けません。

定着の間、地域住民は徐々に車両運転に関する安全意識を欠き、信号や左右確認などの車道における事故忌避の意識も併せて希薄になっていきます。同時に住民は極端に排他的・秘密主義的な性質を持つようになり、外部からの侵入者や調査の試み、介入を異常に拒みます。薬剤的な尋問にも一定の抵抗力を示すため、財団の調査手段は主に探査ドローンや監視カメラ映像の傍受、マイクの設置などの無人調査です。

定着後、地域住民はSCP-1494-JPの付着している車道をテープや縄、新規建造物によって隔離し、地域外から来訪した人間の侵入を禁止します。このプロセスにおいて住民はあらゆる連帯的手段を用いますが、影響範囲が自治体中枢を含んでいなかった場合は外部勢力の介入によって失敗するケースが多数です。隔離に失敗した場合、以降の異常性の変化はなく、住民は繰り返し隔離を試み続けます。外部の人間による隔離は完了とみなされません。

SCP-1494-JPの隔離隠蔽が完了すると、該当地域には3つの儀式が自発的に定着します。それぞれSCP-1494-JP-A,B,Cのナンバリングがなされており、内容は概ね全てのSCP-1494-JP影響地域において共通しています。

  • SCP-1494-JP-A

元服の儀に相当する意義があると推測されています。12歳未満の児童が満12歳までに実行しなければならず、時期は各児童の自由意志に委ねられます。SCP-1494-JP-Aは参加する1人の児童が高速で走行する車両を認識しつつ、その通行車道に前触れなく飛び出して渡り切ることによって完遂されます。その際、車両がブレーキをかけてはなりません。

地域住民の運転に関する安全意識は極めて希薄であるため、この儀式は容易に実行可能です。児童が車両に激突して死亡するとSCP-1494-JP-Aは失敗とみなされ、その遺体はSCP-1494-JP-Bに利用されます。車道は住民によって清掃されます。

  • SCP-1494-JP-B

禊祓に相当する浄化の儀式、葬式・告別式、処刑を兼ねると推測されています。住民が死亡または新たに出生した場合、死亡ならばその遺体を、出生ならば出生者の血縁者一名を大型車両後尾に車道と接触するように固定し、そのまま地域内を高速で走行します。その際、死亡者の血縁者か出生者の母親が車両に搭乗していなければなりません。

遺体または血縁者の肉体が破壊されて半分以上が車道に落ちるか、地域内車道のおよそ80%以上を走行するとSCP-1494-JP-Bは終了し、遺体は通常の生ゴミと同様に廃棄されます。この儀式は稀に外部からの移住者を車両に固定して強制的に実行される場合もあり、その場合は運転手以外の搭乗者を必要としません。車道は住民によって清掃されます。

  • SCP-1494-JP-C

宗教的意義は未解明です。影響地域によって異なる毎年の特定の日付の明朝、住民は各々が準備した花をSCP-1494-JPに供えます。その後全ての住民は帰宅し、翌日まで車道への侵入を許されません。この儀式以外において住民はSCP-1494-JPへ接触できず、この規則への違反は直ちに違反者をSCP-1494-JP-Bの対象とします。儀式の終了後も花は撤去されません。

住民自身を地域から隔離した上での記憶処理による信仰心の消滅は短期的には70%の割合で成功を収めています。発見時期が直近であることから、長期的効果については現在まで十分なデータが収集できていません。

SCP-1494-JPは2017年の財団の発見時点で奈良県██村、大分県██市、茨城県██町において発生しており、その後███への到達を経て影響地域を拡大しました。財団は現在██件の実例を把握しており、うち██件が住民の完全転換と各人へのCクラス以上の記憶処理、または地域の完全無人化によって無力化されています。

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