クレジット
タイトル: SCP-1495 - 因果の発情期
翻訳責任者:
Raihachi
翻訳年: 2020
原題: SCP-1495 - Karmic Musth
著作権者:
Dajvj
作成年: 2013
初訳時参照リビジョン: 9
元記事リンク: ソース
アイテム番号: SCP-1495
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 標準状態下では、 SCP-1495は財団の大型陸生哺乳類用動物学的収容基準に従い、サイト██の専用建造物構内で飼育および給餌されます。SCP-1495-2から-15の飼育担当に配属された人物は、コミュニケーションを簡略化するために愛称を使用することが許可されます。
番犬またはその他の飼育動物を構内に立入らせないでください。小型齧歯類を除き、構内で発見された現地の哺乳類は発見時に除去するか終了してください。
承認された実験に使用されない限り、SCP-1495との交流に割り当てられたDクラス職員が暴力的な重罪人であることを認知されたり推測されたりしてはいけません。SCP-1495-M-1実験に使用されるDクラス職員はこの基準の対象ではありませんが、実験前にその経歴を文書化しなければなりません。
SCP-1495群の一員は構内を自由に歩き回ることができます。SCP-1495の追加の雌標本が野生で発見された場合、捕獲してサイト██の群れに編入してください。雄が野生で発見された場合は記録および研究されますが、SCP-1495-Mの未収容実例の発生を防ぐためにその年の8月15日までに終了してください。SCP-1495-Mイベント中に雄が発見された場合、直ちに終了してください。
SCP-1495-Mイベントが発生する前に、雄にはSCP-1495-M-1を収集するためのタンクを備えた頭蓋シャントを装着させてください。構内全体を点検し、収容エリア内に現地の動物群が存在しないことを確認してください。
SCP-1495-Mイベント中、SCP-1495-2、SCP-1495-3、およびSCP-1495-4は、構内の最遠端にある3つの独立した環境制御型鋼鉄檻に鎖で繋いでください。檻は厚さ1.5mの鉄筋コンクリート製の高さ5mの壁で囲まれています。SCP-1495-2、SCP-1495-3、およびSCP-1495-4は1495-Mの期間中は常に別々の房に配置してください。この種の監禁状態において1495-Mの短縮を促進するため、SCP-1495-2、SCP-1495-3、およびSCP-1495-4には食料や水、または薬は提供されません。
説明: SCP-1495はLoxodonta africana(アフリカゾウ)に類似した外見を持つ、未知のゾウの群れです。群れは3頭の雄SCP-1495-(2、3、および4)と現在8匹の雌SCP-1495-(5、7、8、9、10、11、13、および15)で構成されています。すべての対象は非常に高い知能を有しており、頭蓋はLoxodonta africanaより約10%大きいことが観察されました。当該実体群は飼育員に対して通常は従順です。対象は人間の発話に反応し、老齢の対象は1000語以上の英単語を理解します。SCP-1495との有意義なコミュニケーションを実現するための試みがなされています。
雌: 雌の対象の多くは頭蓋が大型である、知能が高い、平均寿命が長い(75〜85年と考えられています)ことを除いて、生理学的にはLoxodonta africanaと同一です。最近の実験では、雌は飼育員とのコミュニケーション能力がより高いことが示されています(補遺1495-A4参照)。
雄: 一般的に雄もLoxodonta africanaと実質的に同一ですが、その他に何点か注目すべき相違点を有しています。性成熟期に達すると、雄のSCP-1495は特に回復力が高くなり、加速度的に負傷を治癒します。この時点では、老化も停止しているように見受けられます。研究員たちはこの3頭の雄の年齢を推定することができていません。最も注目すべき点は、雄が他の哺乳類の行動を指示することが観察されていることです。これらの哺乳類は自発的に協調して行動したり、同様に攻撃を行ったりします(補遺参照)。
SCP-1495-M: 年に1度、通常は秋季の中旬に雄はSCP-1495-Mを経験します。この状態はマスト(musth)として知られる雄の象が経験するホルモン異常の期間と類似しています。SCP-1495-Mは通常のマストと同様に、非常に攻撃的な行動とテンポリンと呼ばれる粘度の高いタール状の分泌物を伴います。SCP-1495から分泌されたテンポリンをSCP-1495-M-1と記載します。SCP-1495-M-1の匂いはSCP-1495-Mイベント近傍から除去された後も数時間継続する上に大抵の動物に対して攻撃性を増幅する効果を有するため、雄は隔離されるものとします。
化学分析試験:
ラッド博士が実施した試験によると、SCP-1495-M-1が何種類かの哺乳類の攻撃的な行動を誘発することが判明しましたが、霊長類への影響は示されていません。ヒトに対しては、SCP-1495-M-1は低刺激的の心地よい香りであるように見受けられます。SCP-1495-M-1をDクラス職員に注射したところ、急速に疾患が治癒したように見受けられたものの、ほとんどのDクラスは最終的に心不全を発症して約2時間後に死亡しました。試験における唯一の例外はD-19-0777であり、財団の観察下にあります(補遺1495-A3を参照)。
SCP-1495-M-1にはSCP-500から発見された特定の未知の化学物質に類似した化合物が含まれています。これらの物質に関するさらなる試験は承認待ちです。ラッド博士による注:キシラジンを使用してSCP-1495-Mの効果を軽減しようと試行した際、SCP-1495-M-1の分泌物はこれらの特性が欠如していたものの、他の哺乳類への影響は変化しないままでした。
1979年10月29日: [編集済] 座標はインドのシンガリラ国立公園の地点を示していました。財団職員が即座にボンベイから派遣されました。
1979年11月01日: 財団の偵察部隊が西ベンガル州ダージリンに到着。ベースキャンプを設置し、現地ガイドおよび適切な装備を確保しました。
1979年11月02日: 財団職員が大雪の中徒歩で出発。現地のシェルパ2名がチームに同行しました。
1979年11月03日: 座標地点に到着すると、部隊はアフリカゾウの小さな群れ(雄4頭、雌6頭)を発見し驚嘆しました。(1)さらなる評価のために専門観察部隊が要請されました。
1979年11月09日: 観察部隊が到着し、10頭のゾウすべてにタグが付与されました。
1979年11月14日: 対象には優れた知能が認められました。他種族との異常な相互作用が認められました。
1979年12月06日: 群れは外見上異常な特徴を示していませんでしたが、その高い知能、異常な生息地、および発見された性質により観察部隊は群れ全体の収容を要請しました。
1979年12月14日:群れがサイト-██に空輸され、Anomalous/未確認動物として分類されました。
1980年3月14日: 専用の動物用囲いの建設工事が完了し、群れは仮設収容所から搬出されました。
1980年7月09日: 現地の動物群と直接相互作用する雄の発生が初めて記録されました。
1980年9月14日: マストの初期兆候を起因とし、飼育員は4頭すべての雄を構内の成木に鎖で繋ぎました。
1980年9月15日: マストの状態は悪化しました。マストの影響を軽減するため、飼育担当者はキシラジンを投与しました。
1980年9月17日: Odocoileus virginianus(オジロジカ)の異常な群れが、雄が鎖で繋がれている地点付近の樹木限界線で観測されました。数は不明ですが、75頭から150頭が集合したと推定されています。
1980年9月18日: 4頭すべての雄が鎖を破壊し、構内を突破して██に駐車していた自動車を攻撃し始めました。セキュリティ部隊が緊急配備される間、数10頭のオジロジカがDクラス宿舎を襲撃し、内部にいたDクラス職員120名のうち107名が殺害されました。エージェント・ガレス・マーロウも襲撃により殺害されました。注: 後に特定された注目すべき点として、エージェント・マーロウは財団エージェントとしての不適当な行為について倫理委員会による調査を受けていました。
1980年9月19日: 雄を確保するために強力な鎮静剤が使用されました。最高齢の雄(飼育員には"ガネーシャ"として認知されていました)は、通常の生体の雄のゾウを鎮静させるのに必要な量の8倍の精神安定剤が投与された後、心不全で死亡しました。
1980年9月21日: ラッド博士はゾウとシカの襲撃には関連性があっただけでなく、ゾウが収容違反を誘導して襲撃を容易にしたと指摘しました。ラッド博士は群れ全体をEuclidクラスSCPとして再分類することを要請しています。
SCP-1495は1979年に財団によって独自に発見されました(補遺1495-A1を参照)。この種がアフリカゾウに最も酷似している点は注目に値しますが、それらはLoxodonta africanaの歴史的生息範囲から数千マイルも離れたインド東部で発見されました。
完全収容後、財団はインド西ベンガル州ダージリン地区およびその周辺における異常事象調査を実施しました。初秋の異常な動物襲撃に関する報告は1972年から始まり、1979年11月に収容されるまで毎年発生していました。それぞれの襲撃は研究員が一般的にSCP-1495-Mと一致すると認めている時期に発生しました。
現地の動物相の群れ、ときには複数の種がダージリン、シッキム、ネパール東部において人々を襲撃して殺害しました。多くの被害者は、自宅内部やその周辺で襲撃されました。ほとんどすべてのケースで動物は特定の1名または複数の人物を標的とし、近辺にいる他の人物を無視したり通り過ぎたりしている様子が確認されています。。襲撃は種類や場所によって異なりますが、ほとんどの襲撃では動物らは最初に被害者を無力化するために関節の腱を攻撃し、被害者の襲撃中における生存時間を延長できるようにしている様子が確認されています。
1978年にダージリン刑務所で発生した、18名の受刑者と1名の警備員がヒョウネコおよびレッサーパンダの群れに殺害されたという大規模な襲撃について財団が認知するまで、犠牲者の間に識別可能なパターンは見られませんでした。死亡した受刑者はすべて殺人または強姦の有罪判決を受けており、死亡した警備員は受刑者に対する性的虐待を行っていた事実が認知されています。収監済の反体制派の人々や物乞いは襲撃されませんでした。
SCP-1495-M-1の初期実験中、10名のDクラス被験者に対して当該物質を静脈内投与しました。いずれの事例においても、被験者は全体的に活力の増加および総体的な健康状態が改善されたと報告しましたが、9名の被験者は処置を受けてから120分以内に心不全で死亡しました。唯一の例外は8番目の被験者であるD-19-0777でした。
実験時、D-19-0777には気管支炎の症状が認められました。SCP-1495-M-1を注入すると、症状は急速に消失し始めました。観察から6時間後、D-19-0777は循環器障害の徴候を示さなかったため試験から生存したと断定されました。最初の7名と同様の流れでさらに2名の被験者が死亡した後、D-19-0777はインタビューのために観察の対象外とされました:
インタビュー対象: D-19-0777
インタビュアー: エージェント・ D. C. ヨアヒム
序文: インタビュー開始から04:33時点の記録より抜粋
[抜粋開始]
エージェント・ヨアヒム: ありがとうございます。では記録のために、最終的にあなたが█████州で死刑判決を受けることになった罪状を述べてください。
D-19-0777: 2名の殺人。しかし言っておくが俺はやってない。俺は妻と息子を愛していたんだ。
エージェント・ヨアヒム: あなたは有罪判決に対して3回上訴したものの退けられましたね。
D-19-0777: クソ█████。クソ人種差別弁護士どもとクソ人種差別裁判官どもが。俺は自分から噓発見器にかけてくれって言ったのにそうしなかった。俺は上訴するたびに言ったんだ。俺の家族を殺した奴らはまだ野放しなんだ。
エージェント・ヨアヒム: これによるとあなたは当日の夜グロック17を発砲したそうですね。4発、犠牲者から検出されたのと同じ数の弾数です。でもあなたは自分の所有地にいた誰かに発砲したと主張するんですね?
D-19-0777: 奴らが俺の妻と息子から取り出した弾丸は証拠から"消えた"んだ。奴らは俺の弾なんか見つけられっこないんだ、俺は原っぱに向かって撃ったんだからな。奴らは探すことさえしなかっただろうよ。
[抜粋終了]
エージェント・ヨアヒムはD-19-0777が█████州で受けた有罪判決は不当であり、殺人を犯したことがない可能性を考慮すべきであると提言しています。当該事象と1979年のインドにおける標的型動物襲撃(補遺A2参照)を関連付け、SCP-1495-M-1およびSCP-1495-M-1の影響を受けた動物は罪悪感に関連するヒトの脳内化学物質と反応するという仮説が立てられました。
しかしさらなる実験を行う前に、SCP-1495-M-1を投与された後に死亡した過去2名のDクラス被験者を再調査したところ、この仮説は反証されました。これらの被験者は殺人の有罪判決を受けましたが、いずれも反社会的人格特性を示し、従って生理学的に罪悪感や羞恥心を経験することはありませんでした。11度目の実験は殺人罪で死刑判決を受けたDクラスに対して行われましたが、当該被験者には長期のAクラス記憶処理が施されおり、実験時点では自分の罪状を全く自覚していませんでした。当該被験者は他の9名の被験者と同様に死亡しました。
現時点ではSCP-1495-M-1自体が意識しているのかそれとも洞察力を有しているのかは不明ですが、殺人や性的暴行などといった様々な犯罪を実行した人物を特定する能力を有しているようです。様々な種類の犯罪への影響に関する実験は、SCP-1495-M-1が殺害する犯罪者の閾値が存在するかどうかを判断するために保留中です。
O5-█からの注:殺人犯や強姦犯ではないDクラス職員は限られているため、このような実験は非常に困難だろう。
インタビュー対象: SCP-1495-5
インタビュアー: ラッド博士
序文: ラッド博士のSCP-1495群の雌とのコミュニケーション技術が適切に奏功したと判断された後、サイト管理官はSCP-1495の性質、能力、目的に関するさらなる見識を得るために、最高齢の雌とのインタビューを行うよう要請しました。SCP-1495-5は2000語の英語語彙および初歩的な綴りの理解力を有しています。返答はSCP-1495-5の鼻によって大型の黒板上に記載されました。
注: ラッド博士はSCP-1495-5をヒンディー語の5に因んで"パンカ"と呼称しています。これは、飼育担当者が日常で使用している名前です。飼育担当者は各対象とのコミュニケーションを目的として固有の名前を割り当てました。
<記録開始>
ラッド博士: おはよう、パンカ。
SCP-1495-5: やあらど
ラッド博士: パンカ、聞きたいことがあるんだ。できるだけ答えてね。分かるかな?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: ありがとう。パンカ、人間以外の動物と話すことはできるかい?
SCP-1495-5: わたしはできない
ラッド博士: 他の動物は?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: それは雄のことかな?
[SCP-1495-5は理解していないことを示すジェスチャーを行う]
ラッド博士: それはバルタザール、メルキオール、それとガスパールのことかな?注: SCP-1495-2、-3、そして-4の飼育名です。
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: バルタザール、メルキオール、それとガスパールは他の動物とお話しできるのかな?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: パンカ、バルタザールとメルキオールとガスパールは動物たちに何を教えているのかな?
SCP-1495-5: いいこと
ラッド博士: 彼らは動物たちに人を殺すように言うこともあるのかな?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: バルタザール、メルキオール、それとガスパールは誰を殺したいのかな?
SCP-1495-5: ころしたくない
ラッド博士: バルタザール、メルキオール、それとガスパールの中で誰が動物たちに殺せって言うのかな?
SCP-1495-5: ぱぱに
注: パパはSCP-1495が学習したことのない単語です。
ラッド博士: お父さんにかい?
SCP-1495-5: ちがうぱぱに
ラッド博士: パンカ、どうして彼らは動物に殺せって言うのかな?
SCP-1495-5: ばらんず注: "バランス"の意であるようです
ラッド博士: バランス?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: パンカ、パパって何かな?
SCP-1495-5: わるいこと
ラッド博士: パパは悪いっていうことかな?
[返答なし]
ラッド博士: パンカ、パパについて教えてくれないかな。
SCP-1495-5: もういいらど
[SCP-1495-5はラッド博士の足元にチョークを置き、構内から退出する。]
<記録終了>
終了報告書: 後に判定されたところによると、"パパ"は"罪"あるいは"悪事"という意味のヒンディー語पाप/pāpa という意味の可能性があります。
本ページを引用する際の表記:
このコンポーネントの使用方法については、ライセンスボックス を参照してください。ライセンスについては、ライセンスガイド を参照してください。