アイテム番号: SCP-1495
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 通常の条件下では、 SCP-1495はサイト██の専用囲い内で財団の大型陸生哺乳類用の動物学的収容基準に従って飼育および給餌してください。SCP-1495-2から-15を飼育することになった人物はコミュニケーションを簡略化するために愛称を使用することが許可されます。
番犬やその他の家畜を囲いの中に入れないでください。小型の齧歯類を除き、囲い内で発見された近くの哺乳類の動物相は発見時に除去するか終了してください。
承認された実験に使用されない限り、SCP-1495との交流に割り当てられたDクラス職員が暴力的な重罪人と知られたり推測されたりしてはいけません。SCP-1495-M-1実験に使用されるDクラス職員はこの基準の対象ではありませんが、その経歴は実験前に文書化しなければなりません。
SCP-1495群の一員は自由に囲い内の中を歩き回ることができます。SCP-1495の追加の雌検体が野生で発見された場合、捕獲してサイト██の群れに編入してください。野生の雄が発見された場合は記録および研究されますが、SCP-1495-Mの未収容実例を防ぐためにその年の8月15日までに終了してください。SCP-1495-Mイベント中に雄が発見された場合、直ちに終了してください。
SCP-1495-Mイベントが発生する前に、雄にはSCP-1495-M-1を収集するためのタンクを備えた頭部バイパスを装着させてください。囲い全体を点検し、収容エリア内近くに動物がいないことを確認してください。
SCP-1495-Mイベント中、SCP-1495-2、SCP-1495-3、およびSCP-1495-4は、囲いの遠端にある3つの独立した環境制御型鉄檻に鎖でつないでください。檻は厚さ1.5mの鉄筋コンクリート製の高さ5mの壁で囲まれています。SCP-1495-2、SCP-1495-3、およびSCP-1495-4は1495-Mの期間中は常に別々の小部屋に配置してください。この種の監禁状態で1495-Mを短縮するためにSCP-1495-2、SCP-1495-3、およびSCP-1495-4には食物や水、または薬は提供されません。
説明: SCP-1495はLoxodonta africana(アフリカゾウ)に類似した外見を持つ未知のゾウの群れです。群れは3頭の雄SCP-1495-(2、3、および4)と現在8匹の雌SCP-1495-(5、7、8、9、10、11、13、および15)で構成されています。すべての対象は非常に知能が高く、頭蓋はLoxodonta africanaより約10%大きいことが観察されました。彼らは一般的に飼育員に対して従順です。対象は人間の発話に反応し、老齢の対象は1000語以上の英単語を理解します。SCP-1495との有意義なコミュニケーションを実現するための試みがなされています。
雌: 雌対象の多くは頭蓋が大きく、知能が高く、平均寿命が長い(75〜85年と考えられています)ことを除いて生理学的にはLoxodonta africanaと同一です。最近の実験では雌は飼育員とのコミュニケーション能力が高いことが示されています(補遺1495-A4参照)。
雄: 一般的に雄はLoxodonta africanaとほぼ同一ですが、他にもいくつか注目すべき相違点があります。性成熟期に達すると、雄のSCP-1495は特に回復力が強くなり、加速度的に負傷を治癒します。この時点では、老化も止まっているように見えます。研究員たちはこの3頭の雄の年齢を推定することができませんでした。最も注目すべき点は、雄が他の哺乳類の行動を指示することが観察されていることです。これらの哺乳類は自発的に協調して行動したり、同様に攻撃を行ったりします(補遺参照)。
SCP-1495-M: 年に1度、通常は秋季の中旬に雄はSCP-1495-Mを経験します。この状態はマスト(musth)として知られる雄の象が経験するホルモン異常の期間と類似しています。SCP-1495-Mは通常のマストと同様に、非常に攻撃的な行動とテンポリンと呼ばれるタールのような分泌物を伴います。SCP-1495により分泌されたテンポリンをSCP-1495-M-1と記載します。SCP-1495-M-1の匂いはSCP-1495-Mイベント近辺から除去された後数時間続く上に大部分の動物に対して複合的な攻撃効果を有するので、雄は隔離されるべきです。
化学分析実験:
ラッド博士が実施した実験ではSCP-1495-M-1が何種類かの哺乳類の攻撃行動を誘発することが判明しましたが、霊長類への影響は示されていません。ヒトにとって、SCP-1495-M-1は低刺激的で心地よい香りです。SCP-1495-M-1をDクラス職員に注射したところ、急速に疾患が治癒したようでしたが、ほとんどのDクラスは最終的に心不全を発症して約2時間後に死亡しました。実験における唯一の例外はD-19-0777であり、財団の観察下にあります(補遺1495-A3を参照)。
SCP-1495-M-1にはSCP-500で発見されたある種の未知の化学物質に類似した化合物が含まれています。これらの物質に関するさらなる実験は承認待ちです。ラッド博士による注:キシラジンを使用してSCP-1495-Mの効果を減らそうと試みたところ、SCP-1495-M-1の分泌物はこれらの特性を欠いていましたが他の哺乳類への影響は変化しませんでした。
1979年10月29日: [編集済] 座標はインドのシンガリラ国立公園を示していました。直ちにボンベイから財団職員が派遣されました。
1979年11月01日: 財団の偵察部隊が西ベンガル州ダージリンに到着。ベースキャンプを設置し、現地ガイドおよび適切な装備を確保しました。
1979年11月02日: 財団職員が大雪の中徒歩で出発。現地のシェルパ2名がチームに同行しました。
1979年11月03日: 座標に到着すると、部隊はアフリカゾウの小さな群れ(雄4頭、雌6頭)を発見し捕らえました。さらなる評価のために専門観察部隊が要請されました。
1979年11月09日: 観察部隊が到着し、10頭のゾウすべてにタグが付けられました。
1979年11月14日: 対象は優れた知能を持つことが明らかになりました。他種族との異常な相互作用が認められました。
1979年12月06日: 群れは外見上異常な特徴を示しませんでしたが、その高い知能、異常な生息地、および発見された性質により観察部隊は群れ全体の収容を要請しました。
1979年12月14日:群れがサイト-██に空輸され、Anomalous/未確認動物に分類されました。
1980年3月14日: 動物用囲いの建設工事が完了し、群れは仮収容所から搬出されました。
1980年7月09日: 収容中の動物相と直接相互作用する雄の発生が初めて記録されました。
1980年9月14日: マストの初期兆候が見られたため、飼育員によって囲い内の成木に4頭すべての雄を鎖でつなぎました。
1980年9月17日: Odocoileus virginianus(オジロジカ)の異常な群れが雄が鎖でつながれている場所の樹木限界線付近で観測された。数は不明ですが、75頭から150頭が集まったと推定されています。
1980年9月18日: 4頭すべての雄が鎖を破壊し、囲いを破ってサイト-██に駐車していた自動車を攻撃し始めました。セキュリティ部隊が収容違反に対処している間、数10頭のオジロジカがDクラス寄宿舎を襲撃し、Dクラス職員120名のうち107名が殺害されました。エージェント・ガレス・マーローも襲撃により殺害されました。注: エージェント・マーローが財団エージェントとしてふさわしくない行為について倫理委員会の調査を受けていたことは、後に注目に値すると判断されました。
1980年9月19日: 雄を確保するために強力な鎮静剤が使用されました。最高齢の雄(飼育員には「ガネーシュ」として知られていました)は、大人の雄のゾウを鎮静させるのに通常必要な量の8倍の精神安定剤が投与された後、心不全で死亡しました。
1980年9月21日: ラッド博士はゾウとシカの攻撃には関連性があっただけでなく、ゾウが収容違反を誘導して攻撃を容易にしたと指摘しました。ラッド博士によって群れ全体をEuclidクラスSCPとして再分類することが要求されます。
SCP-1495は1979年に財団が独自に発見しました(補遺1495-A1を参照)。この種がアフリカゾウに最もよく似ている点は注目に値しますが、それらはLoxodonta africanaの歴史的生息範囲から数千マイルも離れたインド東部で発見されました。
完全収容後、財団はインド西ベンガル州ダージリン地区およびその周辺での異常事象調査を実施しました。異常な初秋の動物襲撃に関する報告は1972年から始まり、1979年の11月に収容されるまで毎年発生していましたが、それぞれの襲撃は研究員が一般的にSCP-1495-Mと一致すると認めている時期に発生しました。
地元の動物相の群れ、ときには複数の種がダージリン、シッキム、ネパール東部において人々を襲撃して殺害しました。多くの被害者は、自宅とその周辺で襲撃されました。ほとんどすべてのケースで動物は特定の人物を標的とし、近くにいる他の人物を無視したり通り過ぎたりしているように見えました。襲撃は種類や場所によって異なりますが、ほとんどの襲撃では動物が被害者を無力化して生存時間を長くするために、最初に関節の腱を攻撃したとのことです。
1978年にダージリン刑務所で起こった、18名の受刑者と1名の警備員がヒョウネコとレッサーパンダの群れに殺害されたという大規模な襲撃があったことを財団が認知するまで、犠牲者の間に識別可能なパターンは見られませんでした。死亡した受刑者はすべて殺人または強姦の有罪判決を受けており、死亡した警備員は受刑者に対する性的虐待を行っていたことが知られています。投獄された反体制派や物乞いは襲撃されませんでした。
SCP‐1495‐M‐1の初期実験中に、本物質を10名のDクラス被験者に静脈内投与しました。いずれの症例においても、被験者は全体的に活力の増加と総体的な健康状態が改善されたと報告しましたが、9名の被験者は治療を受けてから120分以内に心不全で死亡しました。唯一の例外は8番目の被験者であるD-19-0777でした。
実験時、D-19-0777には気管支炎の症状が認められました。SCP‐1495‐M‐1を注入すると、症状は急速に消失し始めました。観察から6時間後、D‐19‐0777は循環器障害の徴候を示さなかったため試験を生き延びたと断定されました。最初の7人と同じ方法でさらに2人の被験者が死亡した後、D-19-0777は面接のために観察外とされました:
インタビュー対象: D-19-0777
インタビュアー: エージェント・ D. C. ヨアヒム
序文: インタビュー開始から04:33時点の記録より抜粋
[抜粋開始]
エージェント・ヨアヒム: ありがとうございます。では記録のために、最終的にあなたが█████州で死刑判決を受けることになった罪状を述べてください。
D-19-0777: 2名の殺人。でも言っとくけど俺はやってない。俺は妻と息子を愛していたんだ。
エージェント・ヨアヒム: 有罪判決を3回も不服として訴え失敗したんですね。
D-19-0777: クソ█████。クソ人種差別弁護士野郎とクソ人種差別裁判官どもが。俺を噓発見器にかけろって言ったのにそうしなかった。俺は控訴するたびに言ったんだ。俺の家族を殺した奴らは野放しだ。
エージェント・ヨアヒム: あなたは当日の夜グロック17を発砲したと言われています。4発、犠牲者から検出されたのと同じ数の弾数です。でもあなたは所有地で自分の敷地内の誰かに撃ったと主張するんですね?
D-19-0777: 奴らが俺の妻と息子から検出した弾丸は証拠から「無くなった」んだ。奴らは俺の弾なんか見つけられっこないんだ、俺は地面に向かって撃ったんだからな。奴らが見つけたと言っていることさえ疑っているんだ。
[抜粋終了]
エージェント・ヨアヒムはD-19-0777が█████州で受けた有罪判決は不当であり殺人を犯したことがない可能性を考慮することを提言しています。この件と1979年のインドにおける標的動物襲撃(補遺A2参照)を合わせて、SCP-1495-M-1およびSCP-1495-M-1の影響を受けた動物は罪悪感に関連するヒトの脳内化学物質と反応するという仮説が立てられました。
しかしさらなる実験を行う前に、SCP-1495-M-1を投与された後に死亡した過去2名のDクラス被験者を再調査したところ、この仮説は反証されました。これらの被験者は殺人の有罪判決を受けましたが、いずれも社会病的人格特性を示し、したがって生理学的に罪悪感や羞恥心を感じることはありませんでした。殺人罪で死刑判決を受けたDクラスに対して11回目の実験が行われましたが、彼には長期のAクラス記憶処理が施されおり実験時点では自分の罪状に全く気付いていませんでした。彼は他の9名の被験者と同様に死亡しました。
SCP-1495-M-1自体が意識しているのかそれとも洞察力があるのかは現時点では不明ですが、殺人や性的暴行など様々な罪を犯した人物を特定する能力を持っているようです。SCP-1495-M-1によって死亡する犯罪の閾値があるかどうかを判断するさまざまな種類の犯罪への影響に関する実験は保留中です。
O5-█からの注:殺人犯や強姦犯ではないDクラス職員は限られているため、このような実験は非常に難しいだろう。
インタビュー対象: SCP-1495-5
インタビュアー: ラッド博士
序文: ラッド博士のSCP-1495群の雌とのコミュニケーション技術が適切に成功したと判断された後、サイト管理官はSCP-1495の性質、能力、目的に関するさらなる洞察を得るために、最高齢の雌とのインタビューを行うよう依頼しました。SCP-1495-5は2000語からなる英語の語彙力と初歩的な綴りを理解することができます。返答はSCP-1495-5の鼻によって大きな黒板上に書かれました。
注: ラッド博士はSCP-1495-5をヒンディー語の5に因んで「パンカ」と呼んでいます。これは、飼育員が日常で使用している名前です。飼育員は各対象とのコミュニケーションのために固有の名前を割り当てました。
<記録開始>
ラッド博士: おはよう、パンカ。
SCP-1495-5: おはようらど
ラッド博士: パンカ、聞きたいことがあるんだ。できるだけ答えてね。分かるかな?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: ありがとう。パンカ、人間以外の動物とお話できますか?
SCP-1495-5: わたしはできない
ラッド博士: 他はできるのかな?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: それは雄のことかな?
[SCP-1495-5は理解していないことを示すジェスチャーを行う]
ラッド博士: それはバルタザール、メルキオール、それとガスパールのことかな?注: SCP-1495-2、-3、そして-4の飼育名です。
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: バルタザール、メルキオール、それとガスパールは他の動物とお話しできるのかな?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: パンカ、バルタザール、メルキオール、それとガスパールは動物たちに何を教えているのかな?
SCP-1495-5: いいこと
ラッド博士: 彼らは動物たちに人を殺すように言うこともあるのかな?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: バルタザール、メルキオール、それとガスパールは誰を殺したいのかな?
SCP-1495-5: ころしたくない
ラッド博士: バルタザール、メルキオール、それとガスパールの中で誰が動物たちに殺せって言うのかな?
SCP-1495-5: ぱぱ
注: パパはSCP-1495が学習したことのない単語です。
ラッド博士: お父さんのこと?
SCP-1495-5: ちがうぱぱ
ラッド博士: パンカ、どうして彼らは動物に殺せっていうのかな?
SCP-1495-5: ばらんず注: 「バランス」のことのようである
ラッド博士: バランス?
[SCP-1495-5は頷いて肯定する]
ラッド博士: パンカ、パパって何かな?
SCP-1495-5: わるい
ラッド博士: パパは悪いっていうことかな?
[返答なし]
ラッド博士: パンカ、パパについて教えてくれないかな。
SCP-1495-5: もういいらど
[SCP-1495-5はラッド博士の足元にチョークを置き、囲いから出ます。]
<記録終了>
終了報告書: 後になって「パパ」は「罪」あるいは「悪事」という意味のヒンズー語पाप/pāpa という意味であるようだと断定されました。