SCP-1499-JP
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トレッドミル

発見当初のSCP-1499-JP(画像手前)

アイテム番号: SCP-1499-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1499-JPはサイト-8118の標準収容ロッカー内に収容されています。SCP-1499-JPの影響を受けた対象は、実験を除き、臀部の状態を知覚することを阻止してください。

説明: SCP-1499-JPは異常性を有したルームランナーです。型番は株式会社████████が販売しているものと一致していますが。同型の製品と異なる点として、ベルトコンベア部には青色の塗料で「Break your ass !」と記載されています。また株式会社████████が所有するSCP-1499-JPと同型の製品を解析しましたが、SCP-1499-JPを除き異常性は確認されませんでした。これまで分解を試みる実験が行われてきましたが、すべて失敗しており、財団が収容して以降、一切の劣化の兆候及び損傷が見られないことが判明しています。

SCP-1499-JPは2018/1/25、午前6時未明にサイト-8118に隣接されているトレーニングジム内に突如出現する様子が同室にある監視カメラによって観測されました。SCP-1499-JPが出現した直後、トレーニングジムを利用していた財団職員がSCP-1499-JPを使用したため異常性が発覚、その直後に収容されました。

SCP-1499-JPの異常性は、電源がついたSCP-1499-JPに人間(以下、対象)がベルトコンベア部に乗った場合に活性化します。活性化したSCP-1499-JPは、乗っている対象が当該オブジェクトから転倒する程度の速度まで、ベルトコンベア部が後ろ向きに自動回転します。この挙動は同型のルームランナーとは異なります。また、回転する速度は対象の運動能力や対象が乗っている態勢によって変化します。この時の速度は、最小秒速4m、最大で秒速█████mまで記録されています。このことから、SCP-1499-JPが対象の何らかの情報を取得していることが推察されていますが、詳細は不明です。対象がSCP-1499-JPから転倒、または外部からの干渉によりSCP-1499-JPの動作が停止した場合、対象は臀部の強い痛みを訴えます。この時対象は「臀部が割れるように痛い」という内容の供述をします。またこの間に対象は臀部の構造に関する知識が欠落します。外部から対象に臀部の構造に関する情報を知らせた場合、ほとんどの対象はパニックを起こし、以前よりもさらに強い臀部の痛みを訴えます。これらの異常性を除去する方法は確立されていませんが、対象に異常が発現してから約6時間から8時間で対象は正常な状態に戻ることが判明しています。

以下は、SCP-1499-JPを利用した財団職員へのインタビュー記録です。

インタビュー記録1499-JP-1

対象: エージェント██

インタビュアー: ██研究助手

付記: 対象者名及びインタビュアー名は、当記録がサイト管理者に提出された後に、本人の希望により検閲されました。

記録開始

インタビュアー: こんにちは、エージェント██。インタビューに答えられる状態ですか?

対象: 答えられます。答えられますがケツ……臀部が滅茶苦茶痛いんです!

インタビュアー: どのように痛むのですか?

対象: 割れるように痛いんです!博士、早いとこ僕を治療してください。

インタビュアー: 診察の結果、軽度の筋肉疲労はあるものの、貴方の体に特に異常は見受けられないようですが?

対象: お願いします。こうしている間も辛いんです。

インタビュアー: わかりました。立ったままで結構ですので、インタビューを続行します。

対象: なるべく早く済ませてください。(対象が喘ぐ)

インタビュアー: 臀部の痛みはどのような時に強くなりますか?

対象: そういうのはないんですが、痛みに緩急があって、そのタイミングもわからな。(対象が喘ぎ、室内の壁に手を付ける)

インタビュアー: どこが一番痛むなど、場所によって痛みに違いはありますか?

対象: えーっと(対象が自身の臀部を衣服の上から触る)

(その直後、対象が叫び声をあげながら暴れ出す。対象が暴れてから8秒後、警備員に取り押さえられながらインタビューが続行された)

インタビュアー: 落ちついてください。エージェント██。

対象: し、尻が本当に割れて…。

(対象は再び暴れ出す)

インタビュアー: エージェント██。あなたの臀部は正常です。

対象: 正常?これが正常だっていうんですか?(対象が身に着けているズボンを脱ごうと抵抗する)

インタビュアー: やめなさい。人が見ているのですよ。

対象: 自分の体が大変なことになっているのにそんなこといってられませんよ!お願いだから助けて。

(これ以降対象は約4分間に渡って抵抗し、自身の臀部の治療を要求し続けた。インタビュアーの質問に応答することなく時間が経過したため、対象はインタビュー続行不可と判断され、当インタビューは終了された。)

記録終了

終了報告書

インタビューを終えた対象には麻酔が投与され、拘束器具を取り付けられた後別室に移送されました。投与から4時間後、目を覚ました対象は再び臀部の痛みを訴えながら暴れ出し拘束を解くことを試みていました。その間に対象は他者並びに██研究助手に対して臀部の縫合や、強力接着剤を要求し、その理由を対象に聴いたところ、一貫して「割れた臀部を塞ぐため」という内容の供述を行いました。対象の異常性が発現してから8時間後、対象は正常な状態に戻りました。再び対象に事情聴取を実施したところ、異常性が発現して以降の記憶が曖昧であると証言しました。その後事実確認がとれたため、対象はAクラス記憶処理を実施した後に拘束を解除、通常業務に復帰しました。

追記

インタビュー記録1499-JP-█

対象: D-███

インタビュアー: ██博士

付記: SCP-1499-JPの影響を受けたD-███は他の対象に比べ、痛む様子が比較的穏やかであり、現状最もインタビューを行うのに適した人物であると判断されたため、本インタビューが実行された。

記録開始:

インタビュアー: D-███。インタビューに答えられますか?

対象: ああ、今は落ち着いている。

インタビュアー: その臀部の痛みはどのような時に強くなりますか?

対象: そうだな、動くとかなり痛むな。今もこうしてケツを動かさないようにしてるし。

インタビュアー: どの部分が一番痛むなど、場所によって痛みは異なりますか?

対象: そうだな、ちょうど股の真下を中心に痛む感じだ。うっ(対象が嗚咽を漏らす)

インタビュアー: どうしましたか?D-███。

対象: あぁ、ちょっと腹の調子がな、ティッシュ使うぞ。

(対象が室内にあった1数枚のティッシュペーパーを取り出す。)

インタビュアー: トイレでしたら中断してから言っていただければ…待ってくださいここでするのは。

(対象がティッシュペーパーに向けて口内から物体を吐き出す)

インタビュアー: え?

対象: ふぅ、腹の方も落ち着いたな。(物体が包まれたティッシュペーパーを懐にしまおうとする)

インタビュアー: 待ってください、警備員、対象の持ち物を即座に押収してください。(要請から6秒後、警備員が物体を押収しました)

対象: あぁ、悪いな。

インタビュアー: あの、先ほどの物体は、見たところ[編集済み]のようですが。

対象: あぁそうだよ。俺は昔っから腹の調子が悪くてな、いつも急に出したくなるんだ。

インタビュアー: その、口内は大丈夫なのですか?味とか不快感とか、匂いとか。

対象: 体に溜まってたものが一気に出るからな。むしろ気持ちいいくらいだけど?

インタビュアー: わかりました、ですが、その…次からはしっかりトイレで用を足していただけると。

対象: (ため息)あのな博士、俺が[編集済み]を出したい衝動を抑えるのは難しいんだ。生理現象なんだよ。くしゃみやあくびと同じ、それを我慢しろってのは、ちょっと無茶がすぎるんじゃないか?それに、わざわざトイレに行って[編集済み]する必要がどこにあるんだ、ティッシュにくるんでゴミ箱に捨てるだけで十分じゃないか。

インタビュアー: わかりました。ではD-███、あなたは人間が[編集済み]を出す原理をご存じですか?

対象: まぁ人並みには。口から食い物を食って、胃で消化されて、小腸を通って、大腸を通って、口から出すんだろ?

インタビュアー: その知識をどこで?

対象: 小学校の理科の授業で。

インタビュアー: では、トイレの使用用途はご存じですか?

対象: そういえばよくわからないな…貯水室とか?

インタビュアー: …結構です。質問を変えましょう。診断書にある記載の他に腸や消化器官などに重大な疾患がある、またはその兆候に心当たりはありませんか?

対象: ないはずだ。

インタビュアー: 吐糞病も?

対象: なんだ?それ。

インタビュアー: 腸閉塞の別称です。腸官内容物が通過できない状態となり、嘔吐した際腸の内容物も逆流し、便臭が混じる状態を指します。

対象: [編集済み]が戻ってくるってことか?(対象が嗚咽を漏らす)…気持ち悪い。そんな状態になってるんなら、もっと騒ぐしすぐに報告してるよ。

インタビュアー: ではD-███、あなたが[編集済み]を口から出した時と、吐糞病の説明を聞いた時で反応が異なるのはなぜですか?

対象: そりゃお前、[編集済み]が逆流するんだろ?その病気の痛みはわからないけどよ。[編集済み]がまた胃に戻ってくるの想像するだけでなんか嫌なんだよ。

インタビュアー: どちらも結果的に口から排泄されていますし、吐糞病に至っては匂いのみが到達するのですよ?

対象: そんなこと知るかよ。親や教師に聞いてくれよ。

[後略]

終了報告書

D-███が吐き出した物体を解析したところ、下痢気味な人間の糞便であることが判明しました。医師に事実確認を行ったところ、D-███に腸閉塞の症状及びその兆候は無くD-███の体内を調査したところ、大腸と口内を除き、糞便の痕跡はありませんでした。このインタビュー以降もD-███を監視しましたが、SCP-1499-JPの異常性が発現してから6時間28分経過するまで、口内から糞便を吐き出す様子が記録され、肛門から通常の排泄を行う様子は確認されませんでした。通常の状態に戻ったD-███は通常の人間と同一の排泄を行い、また排泄に関する知識も通常に戻りました。なおこのインタビューの後、D-███の親族や通学していた教育機関の教員に事実確認を行ったところ、インタビューで言及された内容とは異なる供述を行いました。親族及び教員にはBクラス記憶処理が実施されました。

このインタビュー以降、SCP-1499-JPの影響を受けた対象は、糞便が直腸に到達した時点で口内に転移することが判明しました。この時、対象の排泄に関する記憶はそのまま口内から排出するというものに置換されることが判明しています。またこの異常な排泄に関する対象の倫理観に影響があることが確認されていますが、対象によって個人差があり、詳細は不明です。

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