
19██に記録されたSCP-1501個体
アイテム番号: SCP-1501
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1501の各個体はサイト-77のEuclid SCP棟にある標準収容室に収納してください。SCP-1501が関連しているなんらかの広告媒体が外部で発見された場合、サイト77の非Anomalousメディア格納ユニットに収容してください。”マナによる慈善財団”が関わっているあらゆる広告媒体は、財団のエージェントによって調査されなければなりません。
説明: SCP-1501は、人間型をしたオートマトン(自動人形)であり、その材質は銅、鉄、プラスチック、動物の毛皮です。各SCP-1501個体の背中には”マナによる慈善財団の公式慈善使節”の語が浮き彫りにしてあります。各個体は募金を収納するための道具として、バケツ、釜、箱、かばんなどを所持しています。
SCP-1501の個体を自由にさせておくと、街角、オフィス街の道路、信号の下などの、募金収集者が一般に見られるような場所に移動しようとします。それらの場所に移動すると、彼らはさまざまな目的を掲げて募金を集めはじめます。この際の名目は非常に多彩であり、絶滅危惧種の鳥を守るため、貧困にあえぐ人々を救うため、AIDS患者の治療のため、老朽化した財団施設補修のため、などが確認されています。
SCP-1501個体が集めた募金は収納器具に収められ、その後、収集の際に掲げた目的に合わせた団体へと送付されます。送付の際の手段として、合衆国の郵便システム、当該団体のオフィスへの手渡し、紙幣を1枚ずつ鳥に運ばせる、などがあります。
人間型の存在がいずれかのSCP-1501個体に繰り返し募金を行った場合、そのSCP-1501個体は募金者を尾行し始め、その人物が行う金銭取引をすべて監視しようとします。SCP-1501個体は募金者の家、職場、その他向かうところすべてへ尾けていくようになります。2~3週間経過すると、その間に募金者がとった行動から寄付の意思ありと判断した事柄について、SCP-1501個体は寄付を募りはじめます。
SCP-1501個体は最終的に、裕福でなおかつ慈善団体に寄付をするような人物を見つけ出します。個体はその人物のみを行動の対象とし、さまざまな慈善団体の活動を知らせる手紙を何通も送りつけ、さらに多額の寄付をするよう仕向けます。これはSCP-1501個体による対象への勧誘行動が物理的に不可能になるまで、いつまでも続きます。
勧誘行動は頻度を増していき、時にSCP-1501の手紙の文面が対象者を説得するようなものに変わったり、あるいはSCP-1501個体自身が対象者の配偶者に変装したりもします。変装にはロウ製の人工補綴物1が用いられ、変装対象と同じ服装をします。SCP-1501の変装が対象者に見破られた場合、SCP-1501は別の変装に切り替えるか、手紙による勧誘のみを行うようになります。公的機関がSCP-1501個体にコンタクトをとろうとした場合、個体は逃走を試み、捕獲されると不活性化します。
SCP-1501はシカゴの█████にて、寄付の習慣がある██ ██████氏の周囲でSCP-1501個体から数ヶ所の慈善団体への寄付がたびたび行われた後に発見されました。██ ██████氏がSCP-1501の起こした事件を現地の警察に通報し、それを財団のエージェントが調査したところ、SCP-1501の異常な効果が記録されました。報告されたSCP-1501個体は財団によって19██年9月19日に収容され、Euclidに分類されました。現在までに、追加で約56体の個体が回収されました。
補遺1501-A: ██ ██████氏が住んでいた住宅で発見された、SCP-1501によって作製された”ホームレスを救え!他人事だなんて思わないで!”という宣伝文句入りの文書。これと酷似した文面で、ホームレスではなく飢餓に苦しむ子供たちの救済を謳う文書も確認されました。
みなさまのような富める市民がご寄付をなさるなら、ホームレスの人々を救うのがなによりも大事でしょう。路上で身動きもとれず、食べられるのは残飯と腐りかけのゴミだけ。そんな生活、あなたはどう思いますか?それがシカゴのホームレスにとっての日常なのです!ガラクタの中を這い回って、ようやく見つけた食べ物はダイコンのしっぽ一切れだけ。これが、彼らの生活なのです。
もしも、優しさと、勇気と、魅力とを兼ね備えた人が、恵まれない人々を救ってくれさえすれば…
絶望のうちにいる人々には、そんな人の助けが必要なのです。選ぶのは、あなたです
マナによる慈善財団
補遺1501-B: ジョージア州█████ ████にあるマナによる慈善財団の施設で発見された文書。
Wehrnerへ
我々にとって最優先すべき課題は、あの糞ロボットどもに対する対処です。アレは広報目的として非常によく働いてくれるだろうと予想していましたが、実際使ってみるとカネをせびってばかり。まるで寄生虫です!もともと我々の活動に対する理解を得るには大変な努力が必要だというのに、あのガラクタはそれを妨げているんです。Peterはロボットに誰が募金したか聞いてまわっていましたが……たぶん彼には何か下心があったんだと思います。ロボットどもの中には、募金集めをしている人間に対して妨害行為を働くものも多いんです。私は言いましたよねWehrner、あいつらを信じちゃいけないって!あいつらはあの機械には単一の役割だけを持つと言っていて、実際その役割を果たしてはいるけれど、ろくでもない結果ばかりもたらしてくる。願わくば、このクレーンでロボットどもを一掃できますように。2
あなたに神さまのお恵みを
Rupert Fish
補遺1501-C: 標準的な手順として、収容違反中にサイト管理官を襲撃した事案の後にSCP-1501のオブジェクトクラス分類が評価されました。この評価ではEuclidクラスが継続され、全実体の分解がその収容の一部となりました。
補遺1501-D: マナによる慈善財団からの漏洩データによると、何体かのSCP-1501個体が将来的にカナダのオンタリオ市内のMCF施設に移転されることが示されています。その施設の存在が確認された場合、SCP-1501個体を捕獲して下さい。