SCP-1504-JP
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アイテム番号: SCP-1504-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 常に1体のSCP-1504-JPが収容下にある状態を保ちます。SCP-1504-JPは特別な収容プロトコルを必要としないため、標準人型生物収容プロトコルが適用されます。

SCP-1504-JPの発展のため、現在のSCP-1504-JPの情報がデータベースに保管されます。研究メンバーは定期的に新しいSCP-1504-JPの捜索を行い、発見された際にはSCP-1504-JPの入れ替えが行われます。その際、SCP-1504-JPは監視されていない収容室に配置することで解放します。現在収容下にあるSCP-1504-JPが逃亡しようとした場合は該当個体を監視下から外し、新たなSCP-1504-JPの捜索及び収容が行われます。研究メンバーはSCP-1504-JPの捜索のために、クラスQL記憶力増強薬の服用が許可されています。

説明: SCP-1504-JPは「ミスター・証明」を捜索した際に発見される実体の総称です。捜索の方法や規模に関わらず、SCP-1504-JPは1分から5分程度の時間で発見されます。SCP-1504-JPは捜索者の付近でありながら注目されていなかった場所や、捜索者が立ち入った空間に前兆無く出現することで発見されます。SCP-1504-JPは発見された際、発見者に自身が「ミスター・証明」であることを伝えます。これはすべてのSCP-1504-JP個体に共通した行動です。

SCP-1504-JPの特徴は概ね、2つの観点によって決定します。1点は捜索者が抱いていたイメージ、もう1点は後述するSCP-1504-JP-Aです。SCP-1504-JPは捜索者のイメージに基づいて特徴を変化させ、特に明確なイメージを抱いていなかった項目に関しては無造作に決定されます。しかし、どれ程明確にイメージしていたとしても、その項目がSCP-1504-JP-Aと反する場合にはSCP-1504-JPに反映されません。

SCP-1504-JP-Aはある1個人の特徴をすべて包括した情報集合体です。SCP-1504-JP-AはSCP-1504-JPの研究課程において、財団によって定義されました。SCP-1504-JP-Aの詳細な情報は大半が未定義の状態です。しかし、後述の"人格発展イベント"によってSCP-1504-JP-Aの定義を詳細化することが可能と判明しました。

「ミスター・証明」を自称するSCP-1504-JPは同時に1個体しか存在出来ません。よりSCP-1504-JP-Aに合致するSCP-1504-JPが発見された時点で、それまで「ミスター・証明」を自称していたSCP-1504-JPはその自称を取りやめる旨を周囲に伝え、その場から立ち去ろうとします。自称を取りやめたSCP-1504-JPにも干渉可能であり無期限に拘留出来ますが、観測下から外れた時点で消失します。また、SCP-1504-JP同士を引き合わせる試みは、よりSCP-1504-JP-Aとの差異が大きい個体の消失に繋がります。また、現在のSCP-1504-JPよりSCP-1504-JP-Aとの差異が大きい個体を発見することは不可能になります。この一連の流れはSCP-1504-JPのパーソナリティが徐々にSCP-1504-JP-Aに合致していくことを示しており、研究チームによって"人格発展イベント"と名付けられました。

SCP-1504-JPは我々の研究心を刺激するものだったが、その研究が長引くにつれてSCP-1504-JPの複雑な異常性に頭を悩ませる者は多くなった。SCP-1504-JPの第一発見者である私が幾つかの場面を主観的に書き残すことによって、研究者達の助けになれば喜ばしいことだと思う。

我々はSCP-1014-JPの収容に伴いGoI-5869"ゲーマーズ・アゲインスト・ウィード"の日本進出を感知した。私は日本で顕著なネットミームや社会問題と、得られた"ミスターズ・リスト"の各項目との関連付け作業を行っていた。GoI-5869はそのようなトピックと自身の作品とを結びつける傾向にあるからだ。ミスター・キリ番、ミスター・ああああ、そして作業対象がミスター・証明へと差し掛かった時、SCP-1504-JPは私のデスクの上に居た。

最初はオレンジ色のカエルだった。周囲3mまで伝播するテレパシーを用いて、私に「自分がミスター・証明である」と伝えてきた。その後、SCP-1504-JPは何かするでもなく我々の収容の試みに同意した。しかし、それから1日もせずにSCP-1504-JPは「自分はミスター・証明ではない」とテレパシーを発し、収容室の影に消えて無くなった。同時に、チームの研究員の一人が「人間型のミスター・証明を見つけた」と報告を行った。そのSCP-1504-JPも、歩行方法や排泄箇所などが通常の人間とはかなり異なっていたがね。このような非人間的な特徴は、何百回かの人格発展イベントによって矯正されていった。現在のSCP-1504-JPはナンバリング上では541番目だが、初期に比べて随分人間的だと言える。

我々はSCP-1504-JPが捜索者のイメージに対応して、SCP-2855のような完全な適応性を見せるという仮定を行った。この仮定に基づいた実験は早い段階で挫かれることとなった。現実改変能力を持ったSCP-1504-JPは見つからず、タコ人間型のSCP-1504-JPも見つからない。そして当初は確かに存在したオレンジのカエルも見つからなかった。あれはSCP-1504-JPがSCP-1504-JP-Aから著しく離れていた故の"ブレ"のようなものであり、意図的に捜索出来るものでは無かったのだ。ここから我々の研究は勢いを失い、何度か失敗もするようになる。印象的だったのは、研究チームがSCP-1504-JPをサッカー好きだと思い込んだばかりに、実は野球の方が好きだと判明するまでに丸々2日間が無駄になった事件だ。ともあれSCP-1504-JPは人格発展イベントを繰り返す度にSCP-1504-JP-Aに近づいている。「近づくだけで永遠に辿り着けない」と主張する研究者もいるがね、私もその一人だ。この作業に終わりがあるのかは正直怪しい。

SCP-1504-JPへは何十回もインタビューを行ったが、その記録はすべて信頼に値しないと評された。"人格発展イベント"の度にSCP-1504-JPの主張は移り変わっている。つまり、SCP-1504-JPの主張も記憶もまだ"ブレ"の影響を受けている。実際の所、SCP-1504-JP本人からSCP-1504-JP-Aの情報を得ることは出来ない。そもそも「SCP-1504-JP本人」という表現自体が間違っている、SCP-1504-JP-Aが本人であり、SCP-1504-JPはそこから垂らされる情報の雫に過ぎない。これが研究チームに立ちはだかる壁をより一層高いものにしている。

██博士

補遺1504-1: SCP-2293を要因としたGoI-5869の拠点地襲撃において、SCP-2293に関する情報が現場に残されたノートパソコンから得られたと同時に、SCP-1504-JPの創造を示唆するチャットログが回収されていました。SCP-1504-JPに関連する会話のみが抜粋して添付されています。

財団は出産に関連する消失現象を確認していません。財団が収容する、氏名が明確になっている女性人型存在に"まゆこ"は█人該当します。その中でとりわけ非実体的な存在として、SCP-060-JPが挙げられます。ログ回収後のデータの洗い出しにより、出産の公的な記録が残っているにも関わらず、母親や出産の協力を行った医師が存在しないことが判明しました。これは当初SCP-060-JPの収容に当たった人員達の証言とは矛盾しています。現時点でこれがSCP-1504-JPとどのような関係性を示しているのかは不明です。また、ハンドルネーム"BohemRhap"に関わるネット上の異常な現象は確認されていません。

補遺1504-2: 「"███麻祐子"2という名の妹が居るSCP-1504-JP」の発見に成功しました。また、「ハンドルネームがBohemRhapであるSCP-1504-JP」や「好きなバンドが"クイーン"であるSCP-1504-JP」の発見にも成功しています。補遺1504-1のチャットログにて認知されたBohemRhapとSCP-1504-JP-Aとの同一性が認められると共に、SCP-060-JPとSCP-1504-JPが兄妹の関係にあるとする仮説はこれにより立証されました。SCP-1504-JPの母親は関わった人間に非実体性又は反ミーム性を付与するアノマリーである可能性がありますが、苗字が███であることを判断材料にするか否かに関わらず、現在財団はそのようなアノマリーを収容していません。

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