アイテム番号: SCP-151-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-151-JPは縦3 m×横5 m×奥行5 mの収容室の中央に配置された温室内に置かれます。温室には適切な光源と自動で給水・施肥する設備を備え、担当の職員は週に一度このシステムの点検を行ってください。収容室の扉は二重扉が採用され、扉のうち一枚は常に閉じた状態にします。予期せぬ効果範囲の拡大や二重扉のドアロックの故障に備えるためにSCP-151-JPの収容室には前室を設けます。また、効果範囲内に指定されている区画に紙媒体の機密文書を保管することは許されません。さらに封じ込め違反の危険があるような非常事態の際には、収容室に至る通路に四ヶ所からシャッターが降ろされます。
実験はクリアランスレベル3以上の職員の許可を得て実施し、実験中に変化した各文書はコピーを取り、前室に設置した鍵付き書類ケースに保管してください。文書の改変による記録の妨害を防ぐため、実験の記録は電子的手段で行うべきです。形式を問わず法規性のある文書、財団の報告書・マニュアルでの実験は、SCP-151-JPの特性から禁止されています。
説明: SCP-151-JPは、[削除済]地方裁判所の所長室に観葉植物として置かれていたアカンサス(Acanthus mollis)です。財団の聴取に対して当時の████所長は、SCP-151-JPを近郊のホームセンターである[編集済]で購入したと証言しました。これはホームセンターの販売履歴などから確かである事が分かっています。SCP-151-JPは収容から██年経過しても寿命により枯死する兆候が見られません。
またSCP-151-JPは自身が存在する扉や壁によって仕切られていない直径30 mの球形の範囲にある紙媒体に書かれた文書に対して、瞬時に改変を加える異常な特性を持ちます。この特性は電子的記録に効果を及ぼすものではありません。SCP-151-JPによる改変は通常、誤謬、不道徳とみなされるような内容を削除、または婉曲的表現へ改め、さらに元々の内容に対する批判的な短い脚注を加えるという性質のものです。この事からSCP-151-JPには高度な知性があると推測されています。しかし研究員の用意したコミュニケーション用の文書を改変させて意思疎通を図る試みは、SCP-151-JPが単なる文章の校正を行うという結果に終わっています。この特性によって変化した文章を読んでも有害な影響はありません。
しかし法典あるいは規則のような形式を持った文書がSCP-151-JPの影響を受けると、SCP-151-JP特有の基準に基づいてまた違った形での改変が行われます。改変された条文は読んだものに「この条文は既存かつ一般化したものである」という一時的な認識を与える異常なミーム的特性を持ちます。この認識は他者から指摘されることで容易に消え去りますが、それがなければ最低3日は継続します。ただし改変された文書を転記・コピーしたものには異常な性質は残りません。この改変には現実的な改正案の提示から、拷問のような時代錯誤な刑罰の追加が含まれます。SCP-151-JPは検察に潜入しているエージェントが[削除済]地方裁判所で頻発した誤審事例・裁判中の異様な発言に気づいたのをきっかけに確保、収容されました。裁判所に保管されていた文書の47 %はSCP-151-JPの改変を受け、そのほとんどに異常なミーム効果が発生していました。
株分けでSCP-151-JPを増やし、異常特性が再現されるかの実験が行われましたが、増やした個体は異常性の認められないアカンサスでしかありませんでした。
補遺1:以下は影響を受けた書籍・条文などの概要です。条文は特に断りのない限り日本のものです。
補遺2:実験のために持ち込んだ一般の小説数冊とともに、██████研究員が誤って上記の内容の書かれたSCP-151-JP報告書をSCP-151-JPの効果範囲内に暴露させました。その結果SCP-151-JP報告書にはSCP-151-JPによる前例のない全面的な改変が行われ、それに気がついた██████研究員は自身へのミーム的影響を阻害するために、他の職員の監視の下で改変後の報告書を確認しました。
ここで改変された文書には異常性がないことが確かめられ、あくまでも法典の条文以外に対する修正・書き換えとして、この改変が行われたのだと断定されました。現在はこの改変でSCP-151-JPが暗示した自身の起源について検証が進められています。
以下は、改変を受けたSCP-151-JP報告書です
この鼻持ちならない検閲マニアには財団の文書に指一本触れさせるな。他の報告書の収容プロトコルを弄くられたら想像以上に厄介なことになるぞ──███博士