SCP-1517
評価: +6+x

アイテム番号: SCP-1517

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全てのSCP-1517個体およびSCP-1517-A実例は、サイト-23の冷凍庫で極低温保存します。財団の制御外で報告された追加のSCP-1517およびSCP-1517-Aは収容、もしくは必要に応じて無力化します。SCP-1517に感染した人物の遺体は全て焼却します。SCP-1517個体およびSCP-1517-A実例は、Dクラス職員による実験目的以外では持ち出しが許可されません。

説明: SCP-1517は外見的にジュウシチネンゼミ(Magicicada septendecim)に類似している昆虫の一種です。この種の各個体の体色は幅広く異なりますが、通常は鮮やかな色をしています。成虫期のSCP-1517はジュウシチネンゼミの成虫と同一の習性を示します。

SCP-1517-Aは、SCP-1517の雌の成虫が生む卵のことを指します。産み落とされる際、全てのSCP-1517-A実例は明るい半透明の球体内部に収められており、球体ごとに約400~600個の卵が封入されています。各球体の着色と母親セミの体色は無関係であるように思われます。各球の外側の層は主に硬化した糖類で構成されており、直径およそ3cmです。外殻が溶解または破壊されるまで、卵は休眠状態を保ちます。孵化すると、新たに誕生したSCP-1517個体は最寄りの生体組織を探し出して消費しようとします1。適切な組織を見つけることができない場合、幼虫は2~3分で死にます。

適切な組織を発見したSCP-1517幼虫はそれを消費し始め、未知の過程を経て、摂取した生体組織全体を様々な菓子類へと変換します。この過程において幼虫は組織内に何らかの物質を注入し、問題の部位にある疼痛受容体を不活性化します。変換された生体組織の量は、殆どの場合、SCP-1517によって消費される量にほぼ等しいものです。組織の変換結果である菓子の種類は、概ねSCP-1517幼虫の体色に依存しているようです。幼虫はサブグループごとに異なるカテゴリの組織を摂食対象とします。詳細は以下の表を参照してください。

SCP-1517は1943年、テネシー州██████████の町から青年期の若者7名がほぼ同時に失踪したという報告が寄せられた時に発見されました。財団エージェントは失踪原因を“████のキャンディ・ショップ”まで追跡し、行方不明になっていた全ての若者が、店の奥の部屋で様々なキャンディへと半ば変換され、ジュウシチネンゼミの幼虫らしき生物に覆われているのを発見しました。店のオーナーでもある経営者の男性は、部屋の隅に膝を抱えて蹲っているのが見つかりました。オーナーは尋問を受け、全SCP-1517個体およびSCP-1517-A実例の可能性があるキャンディが押収され、目撃者とオーナーにクラスB記憶処理が施されました。インタビューログは補遺1517-シータを参照してください。

補遺1517-シータ: 以下の添付文書は、SCP-1517が最初に回収された店舗のオーナー、アーサー・████のインタビューの要約です。

インタビュー対象: アーサー・████

インタビュアー: エージェント フレドリクス

序: ████氏はSCP-1517の回収直後にサイト-23でインタビューを受けた。

<記録開始>

フレドリクス: あの事件の詳細を、できる限り詳しく語ってください。

████: あ-ああ。私はただ、店を開けてすぐ、子供たちに新しく入荷したゴブストッパー2を売ってただけなんだ。展示用のキャンディをもう少し持ってくるつもりで貯蔵室に行こうと背を向けた途端、悲鳴が聞こえた。店に走って戻ると、そこに…そこ…(████が過呼吸を起こしかける)

フレドリクス: 落ち着いてください。この時、子供たちは既に部分的に変換されていましたか?

████: (笑い) 変換? 君の言う“変換”というのが虫まみれで倒れて頭の中からお菓子がこぼれてる状態を指すなら、ああ、子供たちは紛れもなく変換されてたよ。

フレドリクス: (メモに詳細を書き留める) それで、このゴブストッパーは何処から入荷したものですか?

████: 新しい仕入れ先だよ。他よりも安かったからね。実際のところ、奇妙なぐらいに安い代物だった。何かおかしいと思うべきだったんだ…社名は“シュガーコム製菓(Sugarcomb Industries)”だった。

フレドリクス: 有難うございます。これでインタビューを終了します。

<記録終了>

最終陳述: ████氏はクラスB記憶処理を施され、解放された。“シュガーコム製菓”という名称の企業は発見されていない。

補遺1517-プサイ: 1944/10/25、D-40695を対象とするSCP-1517の実験で、全ての生体組織が変換される段階までの進行が許可されました。プロセスはおよそ1時間後に完了し、この時点で変換されたD-40695の死体は大雑把にヒト型の姿を取って蘇生しました。対象は基本的な運動制御などの活動が可能な一方で、知性や知覚力の兆候を示さず、また明らかに発声することが不可能でした。蘇生した遺体は、攻撃的行動の欠如など、以前の心理検査でD-40695には見られなかった性格特性を示すように思われました。対象はどれだけの量の菓子を除去しても活動し続けました3。実験終了時、対象は焼却されました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。