SCP-1518
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アイテム番号: SCP-1518

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1518はサイト-███-█の地下セクターにある湿気調整された金庫室に収容されています。金庫室は10m×5m×10mでコンクリートで造られています。SCP-1518自体は1.5m×2m×1.5mの業務用発泡体で出来た円筒状シェルに収容されています。シェルは厚さ30cmで垂直の縫い目で分けられる2つの等しい大きさの断片から構成されています。この縫い目には移動とSCP-1518-1による損害のメンテナンスが必要なときにシェルを開けられるように蝶番が付けられています。金庫室には輪番させるために更に4つのシェルが置かれています;これらのシェルは点検のため使用していない時は開かれた状態を保つことになっています。輪番に使用するため5つ全てのシェルは機械式アセンブリで天井から吊り下げられています。

63分毎に1回(これは直接放出イベントに続くよう調整されました)、SCP-1518監視職員は遠隔操作でシェルを輪番させます。その後、Dクラス1人が泡スプレーを装備して金庫室に入り、前シェル内部の損害を修復することになっています。SCP-1518が現在のシェルを破った場合、輪番とメンテナンスを即座に実行し、スケジュールを応じて調整します。24時間毎に1回、Level3職員2人が部屋に入りシェルの完全性を調べることになっています。

事案-SCP-1518-B3を考慮し、SCP-1518を収容している金庫室は防音加工が施され、音声監視を無効にし、メンテナンス作業員は耳当てを装備することになっています。

水に関する導管またはシステムを金庫室10m以内に存在させてはいけません。SCP-1518を雨に晒すことは禁じられており、どのような状況下でも水に浸からせてはいけません。

説明: SCP-1518は1.1m×1.8m×1.1mの機能していない石灰岩の噴水です。電源や外部操作制御を所有しているようには見えません。噴水は表面的には水に似た液体で満たされています。この液体は蒸発せず、噴水から移動できないと推測されます;物質を維持するメカニズムは不明ですが、噴水をかき乱したり転倒させても溢れることはありません。液体に晒された固体または液体(SCP-1518自体以外の)はそれぞれ即座に昇華または蒸発します。

ほぼ315秒毎にSCP-1518は7~8つの泡(SCP-1518-1)を放出します。泡の寸法はどれも同じで、直径約3cmです。SCP-1518-1は非異常性の泡と同じ働きをしますが、どのような状況でも破裂が確認されませんでした。放出後、固体または液体物質(SCP-1518自体と含まれている液体以外、泡はこれらの物質に対して"跳ねて離れる"ように見えます)と接触するまでSCP-1518-1はSCP-1518からゆっくりと漂います。SCP-1518-1が気体物質と接触することによる副作用は観察されませんでした。

SCP-1518-1は固体物質との間で破壊反応を見せます。曝された泡はその存在が消えるまで大きさを減少させ、失われた体積と同等分だけ固体物質の量を破壊します(物質の質量と密度はこの反応とは無関係です)。泡と破壊された物質の痕跡は残りません。

SCP-1518-1が曝された液体物質をすべて吸収し、吸収した体積と同等分だけ大きさを増やします。この為、雨または多湿に曝されると通常は被害が大きくなります。更に、多量の生きている生物物質の液体内容物は曝された生物を死に至らせます。現在、泡1つが大洋の水と接触するだけでXK世界終焉シナリオを誘発すると考えられています。

199█年、ボスニア共和国[編集済]にて"人喰い噴水"の報告が伝わったことでSCP-1518は発見されました。問題の地域は現在ボスニア紛争中の組織的な民族浄化に関与していました;人工物に関する最初の噂の前に、わずか10日で███人の死者を出した粛清事件が発生しました。この噂の主な情報提供者は█████ ██████████であり、粛清事件を実行するために雇われた"暗殺部隊"の一員でした。部隊の他14人はSCP-1518に関する異常行動によって死亡しました。人工物の回収直後、地域に小雨が降り、回収部隊は深刻な損害と死者を出しました。第2部隊が回収に成功し、人工物はサイト-███-█に移送されました。██████████は財団と最初に接触した直後に自殺しましたが、彼の所持品は回収され、その中に日記がありました。

財団言語学者が回収した資料をほとんど直接英語に翻訳しました。

199█/██/██、記録██

本日█████からメッセージを受け取った、我々に[編集済]との要請だ。指定の場所がひどい汚染を受けていることは知っていたが、そこからの即座の報告が我々にない事には正直驚いた。更に良いことに、彼は我々に数晩程彼の所に泊まることを許してくれるそうだ;他の隊員にそのことを伝えるとほとんどが泣いた。ベッドは足りなくても構わないが、食料、酒、風呂は十分に部屋にあるのか?我々の努力に対する労いはまだないようだ。

199█/██/██、記録██

問題なく到着し、█████が我々を迎え入れると彼の土地へと案内してくれた。美しい場所だ、たくさんの大理石、花崗岩、砂岩の工芸物がある。彼は我々に昼食を振る舞うと発見した"問題の地域"について話した。彼はバルコニーの一部に双眼鏡と望遠鏡を用意していた:明らかに彼は明日の事を見たがっていた。今夜、我々は殺菌に備えた。

199█/██/██、記録██

予備殺菌に問題はない、男は地域から一掃し、女と子供は土地の1階で拘束している。なぜボスは子供も拘束するように言ったのだろうか、いつもなら男とともに一掃するはずだ。█████は文句を言っていない、楽しんでいるようだ。

199█/██/██、記録██

ボスの目的には間違った何かがある。通常なら[削除済]だが決して…彼らとではない。その後我々はあの子達を川へと放り込んだ、少なくとも他の隊員はそうした。[削除済]にはまだ衝撃を受けている、そう、私は参加しなかったのだ。ある者は潜水を知るには若すぎた、ある者は岸に近づいたところを我々に撃たれた。ボスは私に近づくと1人を撃てと指示した。私は拒絶した。ボスは私に銃を向けた。私は死体を撃った、彼が気付かないことを望みながら、しかし彼は気付いた。ボスは私を哀れだと言って撃った。█████はこの間笑い続けていた。女はまだ家に居て、私は彼女らが我々に向かって叫んでいるのが聞こえた、かすかだが。他の隊員は再び[削除済]に戻り、その後彼らを殺菌した。

199█/██/██、記録██

眠れない。何度も窓から外を見る、子供達や女達の声がまた聴こえたような気がした。何処かから壁に水が滴り落ちる音も聴こえたような気がした。█████は我々に朝食を振る舞うと、皆笑いながら談笑した。ボスは私の側で戯け続けた、私が軟弱かのように、皆はそれを笑っていた。それは別に構わない。問題はむしろ水が止まったことだ。█████は誰か直すよう指示したが、彼らは明日まで到着しない。お陰でその夜はみんな酒の飲み比べを始めたので、彼らから逃げるために私は自分の部屋へに逃げてきた。

199█/██/██、記録██

寝ている間に問題が起きた;振り返る、どうして眠れたのだろうか。暗がりで何も見えなかったが、光る何かを見た。ソレは水で出来ていた、しかしソレは目を持っていること、私をじっと見つめていることが分かる。子供、高さで判断したが、顔は判別付かない。しばらくじっと私を見つめ、私は動かなかった。それから、何の身振りもなしに浮いて行ったが、私にはついて来いと言われているように思えた。ソレの後を追い中庭に入ると、私は目撃した。我々部隊の隊員が宙に漂っていたのだ。それ以上に色んな物が並んで浮かんでいた。それらは█████が所有する石灰岩の噴水を囲み、█████と思われる何かは噴水の土台から突き出ていた。彼は噴水に沈み、[削除済]。それから、彼以外は噴水の中で流され、同じように[削除済]、どちらも音はなかった;彼らは明らかに目覚めていたが何も言わなかった。この何か達は私を見つめ続けた、噴水に流されてる彼らも同様に、彼らは決して私から目を離さなかった。彼らが全員消えるまでには少なくとも1時間は経っただろうか、その間私は全く動けなかった。

付録[1518-001]: 事案報告SCP-1518-B3

████/██/██、5:05AM、SCP-1518は以前は見られなかったノイズを発し始めました。音はSCP-1518を取り囲む泡で一部かき消され、金庫室の音声監視によって検知されるのみで、エージェント・█████はこの現象に曝されました。█████はその後プロトコルに逆らい人工物を囲むシェルを開けると檻に入り、その中でSCP-1518を"飲もう"とし死亡しました。聴覚保護をしたエージェントが監視を不能にしSCP-1518を確保できるまでに更に4人の職員がこの事件で死亡しました。この現象は3時間後に止みました。

SCP-1518から発生したノイズは録音上では安全に観察でき、ボスニア語で子供達によって歌われるループソングだと断定しました(人数、年齢、個々の性別は現在研究中です)。歌のサイクルは同じではありません;歌詞は一貫していますが、実際の発声は変動します。

歌の完全な翻訳の複写は以下の通りです:

あわをつかまえてごらん、
たくさんの、たくさんの、
はじけさせないで、
あわはキミのいのち

それはキミ、お母さん、お父さん?
泣かないで、泣かないで、
それはキミ、お姉さん、お兄さん?
キレイでしょ?

さああわがおちてくるよ
下に、下に、下に、下に、
あわは止められない、
はじける、はじける

あわをつかまえてごらん、
ソレはなに、お母さん、お父さん?
ボクたちはあわ、
はじけとんでしんじゃった

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