SCP-1522
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アイテム番号: SCP-1522

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1522-1およびSCP-1522-2は機動部隊パイ-2"バルドルの薪"によって追跡および監視されていました。機動部隊パイ-2の保有装備はハミルトン級カッター2隻、レジェンド級カッター1隻(SCPS-ミノス)および搭載機で構成されていました。

民間の海上輸送船舶は、SCP-1522-1およびSCP-1522-2の予想針路から遠ざかるよう指示されました。これが可能でない時、機動部隊パイ-2の艦船はSCP-1522-1およびSCP-1522-2を孤立した海域へ引き付け誘導するために照明弾を発射することになっていました。

説明: SCP-1522は、全長39mの2隻のトロール漁船(SCP-1522-1およびSCP-1522-2)を指します。SCP-1522-1およびSCP-1522-2はそれらのスペックを越える速度で航行できました。事例-1522-ロー以前に観測されたそれらの最高速度は120ノットでした。SCP-1522-1およびSCP-1522-2の船橋操船機器は自律移動が可能でしたが、財団職員の手では動かすことができませんでした。SCP-1522-1およびSCP-1522-2は知性を持つと推定され、財団船舶の軌道修正信号に通常通り応答しました。

記録によると、SCP-1522-1およびSCP-1522-2は英国ウィトビーにあるParkol Marine造船所で1991年に製造されています。建造後に別々の買い手に売られる前に、SCP-1522-1およびSCP-1522-2は財政的な問題により数か月のあいだウィトビー湾内に留置かれました。機械的な問題の頻発によって除籍されるまで、二隻は3~5年間それぞれの企業に貢献しました。この期間には特異な影響は存在しませんでした。SCP-1522-1あるいはSCP-1522-2が、実際に除籍に伴う廃船処置を受けたかどうかは明らかではありません。

1997年5月、SCP-1522-1およびSCP-1522-2はアラスカ南部沿岸において再研磨・再塗装された状態で発見されました。財団のVBSS(Visit(視察), board(乗船), search(探索), and seizure(押収))作戦では、どちらの船にも乗組員の姿を確認できませんでした。SCP-1522-1およびSCP-1522-2はコククジラの親子を追跡していました。SCP-1522-1およびSCP-1522-2はクジラ目の鳴き声を模倣するように改良したアクティブソナー音を用い、大多数の時間を様々なクジラ類を探知してそれに接触する、遊びのような活動に費やしていました。動物を観察するあいだ、SCP-1522-1およびSCP-1522-2の船体は定期的に長時間接触しました。

おそらくはホッキョククジラの探索として北極地方で費やされた7か月の間に、SCP-1522-2は氷山と衝突しました。氷山の一部はSCP-1522-2の外板を貫徹しており、脱落させることはできませんでした。SCP-1522-1は氷山が溶けるまで、数週間かけてSCP-1522-2と氷山をより暖かい水域へと曳航しました。SCP-1522-2は海上にて健在でしたが、10ノット以上速く航行することは観察されませんでした。

補遺-1522-1: 事例-1522-ローの事件記録。場所は2011年中頃、スコットランドのウラプールから北西へ60kmの地点。

序文: 続く記録は、機動部隊パイ-2のメンバーから得られた目撃報告および録画装置を合成したものである。SCP-1522-1およびSCP-1522-2はミンククジラの群れを追っていた。

<記録開始>

11.51 - SCP-1522-1は80ノットに加速、大波を起こして数匹のクジラを跳ねさせ、SCP-1522-2を僅かに揺らす。その後SCP-1522-2の船首付近を旋回。

11.54 - SCP-1522-2はSCP-1522-1の左舷側に付き、霧笛を鳴らす。二隻は共に南西の方角へ針路を変える。

12.18 - SCP-1522-1およびSCP-1522-2の両船は完全に停止。17秒間両船とも活動せず。その後SCP-1522-1は自らの気象レーダーをSCP-1522-2に照射し、遅い間隔で霧笛を3回鳴らす。

12.19 SCPSミノスは方位3-4-0より飛来するRGM-84ハープーン対艦ミサイルを検知。その針路はSCP-1522-2を目標と示す。

12.20 - SCP-1522-2は霧笛を4回鳴らし8ノットで移動を開始。SCP-1522-1の船体に触れようとする。SCP-1522-1およびSCP-1522-2は緩やかに衝突。SCPSミノスは方位3-4-0より飛来する第二のハープーンミサイルを検知。

12.22 - SCP-1522-1は方位3-4-0へ転針。その後SCP-1522-1はマッハ4に加速して巨大な蒸気の柱を残し、高さおよそ60mの船首波を生み出す。SCP-1522-1は23秒で水平線上に消失。

12.23 - ハープーンミサイルはSCP-1522-2の右舷側に着弾。SCP-1522-2の船体は破裂し沈み始める。SCP-1522-2の灯火類は全て消える。

12.26 - SCP-1522-1が先程去った方向から戻る様子を視認。SCP-1522-1の霧笛は鳴り響き続ける。SCP-1522-1はSCP-1522-2の右舷側に移動してSCP-1522-2への浸水を防ごうとする。

12.28 - SCP-1522-2は完全に沈みつつあり、SCP-1522-1から多数のアクティブソナーの探知音が検知される。SCP-1522-1は一連の複雑な高速動作を開始。その結果生じる水面下の波紋はSCP-1522-2の下に多層の高圧を形成し、SCP-1522-2を再浮上させようとするSCP-1522-1の明白な努力であると確認。

12.30 - SCP-1522-2はもはや水面から視認できない。SCP-1522-1は全ての活動を停止。

16.00 - MH-65Cドルフィン捜索救難ヘリコプターがSCPSミノスを発艦しSCP-1522-1に接近。活動はなにも報告されない。

19.36 - 鳴り続けていたSCP-1522-1の霧笛が止まる。SCPSミノスのソナーはSCP-1522-1から大きな長方形の物体の分離を検知。これは後にSCP-1522-1船体の一部と判明。SCP-1522-1は10分以内に完全に沈没。

最終陳述: SCP-1522-1およびSCP-1522-2は、スバールバルのサイト-6がサルベージに備えている間に浜に打ち上げられた。悪天候が回収作業を数ヶ月間遅らせたため、酷く腐食した状態であった。また、船級不明のGOC船舶の残骸を北緯59度30分、西経6度09分で発見。救命艇は発見できず。

付録-1522-2: 船舶の回収作業と探査に伴い、SCP-1522-2の船体からは、小型で部分的に形成された、外見的には異常性の無い手漕ぎボート2隻が回収されました。これらのボートはSCP-1522-2から摘出され、現在はスバールバルのサイト-6で保管されています。

付録-1522-3: SCP-1522-1とSCP-1522-2の漂着後、対象の残骸付近で正体不明の人型物体が確認されたものの確保には至りませんでした。下記のメモはSCP-1522-1およびSCP-1522-2のブリッジ上で発見されました。

彼らは最期のときまで幸せだった。すべての船が夜の海を行き違うわけじゃない。
-パングロス

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