アイテム番号: SCP-1533
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1533を集団で構成する人物はサイト-██の10×10×10m区画内に収容してください。常に収容チャンバー外部に武装した警備員を配置してください。SCP-1533が逃亡しようとした場合、銃火器では実体を一時的ですが制圧が可能です。物品の類の要求は-本、映画、音楽、あるいはその他のメディア-厳格に拒絶し、SCP-1533区画への道具を密かに持ち込むのを発見された職員は収容施設から退去し、管理者命令に従って再配置されます。いかなる状況下においても職員がお互いにあるいは集団自身と親しく交流することは許可されません。すべてのエージェントは中立的な表現を心掛け、収容区画の存在下では短い平叙的な陳述のみ行ってください。個別化行動、社会的活躍、または単純な指示の伝達を超える他の交流はSCP-1533の行動プールに追加され、脱出を容易にするために利用されます。
標準的に予定されているSCP‐1533イベント日においては、自閉症スペクトラム障害の症状を示す12名のDクラスはSCP‐1533の社交的な成長を阻止するために当該集団と交流してください。SCP-1533の非社交化は武装した警備員の監督下で行われなければなりません。武装した職員は当該集団が自らの利益のためにDクラスを社交化しようとしている兆候や、その他の異常を注意深く監視する任務を負います。工作員はSCP-1533と接触する際にアイコンタクト以外のいかなる方法を採ることを禁じます。
説明: SCP-1533は未知の性質を持つ集合知性の呼称であり、表面的に██名の実体とその人格を支配しています。SCP-1533実体はそれを構成する個人によって組織され、参画する可変的な性質の社会的会合としてのみ現れます。SCP-1533イベントは前回のイベントの場所から半径50マイル以内の範囲で月単位の間隔で発生し、一般的にはホームパーティーや休日の懇親会などといった集まりです。しかし、SCP‐1533は家族の再会や誕生日パーティーのような、集まる前に参加者が互いを知っていることが前提となるイベントを組織することは知られていません。
SCP-1533を構成する人物は過去に交流した人間の対象の行動を模倣する能力を有します。観察された行動はSCP-1533が意のままに扱える集合的な"データベース"に入れられ、その後イベントに応じて異なる実体間に分配されます。各実体は特定の社会的役割を果たすために、多数の行動、スキル、および個人的属性からなる人格の概要を習得します。個人は明らかに熱中しているときでさえ社会的な合図に敏感なままであり、行動の直接見通すだけで行動を"吸収する"ことを実現します。修正可能な属性の具体的な例としては、個人的な性癖、声の抑揚とリズム、スポーツまたは活動における身体的な専門知識、雄弁術、個人の態度、さらにはユーモアのセンスが挙げられます。
SCP-1533が説得力を持った個性を容易に模倣できることは社交的能力の高まりを示しています。この過程は自然淘汰と類似しており、将来の犠牲者により慕われるような好ましい行動を選ぶ傾向があり、参加者を不快にさせたり、他の参加者を「不快にさせる」行動は破棄されます。その結果、個人は軽度の自閉症スペクトラム障害の症状を示すことから、非常に魅力的で危険な個人のグループになるまでに進行しています。
SCP-1533はデータプールを拡張する以外には、人間を操作する力を行使するためだけに存在しています。これには、不愉快で支持できない観点に同意させることによって対象の自己同一性の意欲をそそる方法から、対象に感情的および身体的な危害を加えるといったより間接的な方法まで多岐に渡ります。この共同体はカリスマ的な性格を利用してヒトの標的を魅了し、親密な友情や深い関係の一体性を脅かすことを優先します(パーソナリティリストを参照)。当該集団はゲストの感情的支配権をめぐってそれ自体と争い、最も成功した人格は自分たちの地位を示すためにタトゥーや他の地位の象徴を誇示することによって、ある程度の自律性を表し始めました。
財団工作員が過去のゲストがSCP-1533宛に送った手紙や個人の持ち物を以前のイベント会場に定期的に回収するほどに、その存在は人々に多大な影響を及ぼしています。また、実体は同業者や恋愛対象者といった特定の人物への愛情や敬愛を保証することを約束して、職員を買収しようとしたこともあります。SCP-1533の性格は、現在の財団の理解を超えるボディーランゲージや顔の表情を読み取る能力を発達させました。SCP-1533の能力への支持を高めることになったため、当該集団の操作を受けやすい要員を排除することも困難であることが判明しました。████/██/██時点で、工作員はSCP-1533が遭遇したすべての人物と同化するための社会的データを制限するために、マスクを着用するように指示されています。
パーソナリティリスト: 以下はSCP-1533が人間を支配するために利用した最も顕著な人格のリストです。複数の人格が同じターゲットを選択することはまれです。SCP-1533にはテレパシーや透視能力はありません。イベント前の行動の模倣を予測することに依存しているため、その実体(実体の操作に対するターゲットの受容性によって定義される)の成功率は現在██%に止まっていますが、この率は記録開始から着実に増加しています。SCP-1533は本質的に人間の社会的領域のより悲惨な側面を別々の人格に統合することによって機能するので、財団エージェントは罪のない人々に苦痛を被らせるために当該集団が使うと思われるいかなる計画も転覆させることが強く奨励されています。
実体の挙動および物理的外観の記述は、許可された職務として目立たず振舞うように命じられた潜入エージェントから提供されます。
呼称 |
パーソナリティの概要 |
"AJ" |
首に██████のタトゥーがあり白いフィットキャップをかぶった20代前半の男性。AJはホームパーティーやレイブパーティーイベントに出現します。彼は対象と親密になろうとします。AJの初期実体はターゲットに威圧的で煩わしいとみなされたため、必要な関係を築くための共通基盤を見つけることができませんでした。知識ベースの拡大と社会的本能の洗練により、AJは会話を容易に行うためにターゲットの故郷/キャンパス/職場に友人または兄弟がいると主張します。実体は最も多くのターゲットを最短時間で取り込むことを企てます。██████のタトゥーはイベント██-█を象徴するもので、その際AJは一晩で2人の大学生の年頃の女性を夢中にさせ、彼女たちの友情を著しく損なわせました。 |
"ロジャー" |
ロジャーは20代半ばの男性で、体格は小太りであごひげを生やしています。この実体はホームパーティやコミュニティの集合シナリオでのみ確認されます。ロジャーはかなりの余地を不和にする程度にだらしない外見を装っています。ロジャーの演説者として与えられた役割を考慮すると、ゲストがその外見や見解の主題に嫌悪感を抱くことでその説得力を持たせることを困難にします。この実体は女性が持つ生来の劣等感、権力者の弱者に対する征服感、人間生活の実存的な孤独、決定論的な宇宙における愛の不可能性などについて、魅力的な見解を雄弁かつ高圧的に繰り返し表明しました。少数派の意見を持つ人々はロジャーに引き込まれ、各イベントでフォロワーの小規模な集まりを作ることに貢献してきました。コミュニティの詩の講習会で2名のメンバーが誤った子供時代の記憶により泣かせた後、ロジャーの最近の実体は汚れた服を着て通常顔に大きなポートワインのシミのようなあざがついているのが観察されました。 |
"夫人" |
夫人は20代半ばの魅力的な女性として登場します。夫人はパーティーシナリオで、男性、時には女性の誘惑を担当します。実体の手には危うい関係を持つごとにリングが飾られます。現在のリングの数は██です。 |
"ジェイス" |
ジェイスは10代後半の男性で、社交場で居心地の悪くしているパーティー客をターゲットにしています。パーティーシナリオでは不安や目に見えて問題を抱えているゲストはあまり見られないので、ジェイスが登場する例は稀ではありますが、ターゲットに対する最大の感情的負担となります。実体は同じ問題を抱えていると主張してターゲットに同情の意を表します。不特定の人物や当事者を横目で見たり、二重の意味を込めた発言をしたり、どこにでも見られるような作り笑いをしたり、不適切なときに笑うなどの戦略をとることで、実体はターゲットを安心させると同時に不安をかき立てます。最近では、地元の友人によって渋々アパートのパーティーに連れて行かれた男性のうつ病患者との友人になった後に、黒いリストバンドを身につけている姿が目撃されています(イベント██-██)。この実体は自分も最近はうつ病にも悩まされていると主張し、「『あなた』ができることは実際にやってみることを恐れるほど悪いことはない」とターゲットの不安を和らげました。ジェイスが大げさに実行しようとした時に携帯電話でターゲットの録音を行っていたのを発見すると、対象はしばらくしてマンションの浴室でカミソリの刃によって自傷行為を図ったことが判明しました。 |
"ライアン" |
ライアンは大学生ぐらいの年代の男性で、過去のゲストのユーモラスな感受性が一つの人格に集約されています。ライアンはしばしば、パーティー/クラス/その他のイベントにおいて友人グループや集まりの周囲をうろつき、みだらでわいせつな冗談を言います。喜劇的なタイミングと口調を磨き上げることで、地元地域のイベントやインターネット上でこの実体は小規模な評判を獲得しました。財団はライアンがジョークや寸劇を演じている様子を撮影した██本のYouTube動画を傍受しました。ブルックリン出身の█████ ████が立ち上げたパロディーサイト「ライアン・サンディエゴはどこだ?」は、実体に乗っ取られて即興の演技をするという読書会イベントの後にWeb管理者が実体を突き止め、ニューヨークのコメディシーンに紹介する意向を明らかにした後に直ちに閉鎖されました。 |
"ショーン" |
ショーンはホームパーティーや激情的なシナリオ時に出現する大学生ぐらいの年代の好戦的で身体的に攻撃的な男性です。SCP‐1533イベントでの身体的変化は非常に稀であるため、この実体に付随する行動データの出現は遅れました。この実体は3つの異なる対立を引き起こし、後者は1名のゲストが脳震盪により床に倒れ当局に通報されました。この実体は当初、特定のスタイルやテクニックを使わずに常軌を逸した形で被害者と接触するのみでした。この実体の最近の例では、彼らが実際に武道や防衛訓練に関与しているかどうか物理的に威圧的で酔ったゲストに質問し、彼らに技術を示すように求めます。財団エージェントはショーン個人が熟練した戦闘員と協議するのを防ぐよう強く勧告されています。 |
"ティファニー" |
家でのパーティーシーンに登場する10代後半の苦悩を抱えた女性。ティファニーはSCP-1533が目撃してきたあらゆる苦悩、不安、悲しみ、後悔、苦悩を統合したものです。ティファニーはデイビッドと共生し、それぞれの役割を果たしています。実体はイベントの間、一連の行動ルートをたどります。この3つの動作のうち最初は彼女を最も望んでいるか、潜在的な怒り/不安の兆候を示しているように見える選ばれたゲストと親しくなるために使われます。そのような客がめったにいないと判断した場合、ティファニーは特定ゲストの防御本能を利用して意図して暴力を引き起こします。2番目にはデイビッドと一緒に閉鎖された寝室やバスルームに1時間以上姿を消します。最後の3つ目には、ティファニーは目立つ場所で泣いているのが発見され、彼女は姿を消している間にデイビッドに性的暴行を受けたと主張します。心配したゲストの反応は、当局への通報からデイビッドに対して深刻な身体的危害を加えることにまで及びました。 |
"デイビッド" |
デイビッドはSCP-1533におけるレイブパーティーシナリオで発見された痛覚性愛者をモデルにした特定の実体です。デイビッドはティファニーとの二重の役割でそれに与えられた苦痛から喜びを得ます。この実体は当局によって拘禁された場合に、外部の偵察の役割を果たします。地元警察による手続き手順の同化と周辺都市全体への曝露により知的存在のデータ入力を大幅に拡大しました。デイビッドは地元の警察署に連行された翌朝には不可解にも姿を消してしまいます。財団エージェントは所定のシナリオにおけるデイビッドの出頭を確認した上で、関係者にクラスA記憶処理を施してください。 |
"警官のブラッディとバルストイ" |
当局に逮捕された際にデイブ実体によって収集されたデータをモデルにして、警官のブラッディとバルストイは今日までイベント██-██、ハウスパーティのシナリオの間に一度だけ出現しました。騒音の苦情で現場から通報が来た主張して集団をだまし、手順に自信を持たせることで自分たちが本物の役員だと信じ込ませました。すべてのSCP-1533実体と同様に、知的存在がどのようにして██市警の本物の制服と、郡の警察官に支給される標準支給されるベレッタ92Fを確保できたのかは不明です。元はパーティーの招待客の苦境に友好的かつ同情的だった警官たちはパーティーの参加者たちに最後通告をしました。騒音を抑えて建物内ににとどまることを受け入れれば、パーティーは続けてもよいというものでした。異常な要求でしたが、ゲストは受け入れシナリオは予定通り進みました。財団によると警官はサディスティックな衝動を抱いており、これはこれまでの社会的交流をモデルにしたものではあり得ないと推測されました。████EMTにより、警官のブラッディとバルストイは10名のゲストにベッドの頭に手錠をかけ、フルオート式の.357S&Wマグナムリボルバーでロシアンルーレットをさせた後、ベッドに入ることを禁じました。客はその場面を私用電話に録音し、被害者の家族や友人に強制的に送信させられました。エージェント・██████はマスターベッドルームへの侵入に成功し致死的な武力の使用を許可されました。警官のブラッディとバルストイはその後の銃撃戦で死亡し、彼らに従う実体との間のマスターリンクを切断し、彼らを昏睡状態に陥らせました。被害者には記憶処理が施され、記録は時間内に傍受されました。SCP-1533集団は収容され、最寄りの施設に搬送されました。実体たちは数週間で意識を取り戻しました。 |
補遺1533-01: SCP-1533は現在、人間に友好的なふりをすることを放棄しました。Dクラスは実体の誤認能力を受けるため、Dクラス対象を介して収容サイト内の不安を助長しようとする最近の試みは失敗に終わっています。████/██/██時点で、12名の対象が収容チャンバーから早期に出ようとしたために実体から暴行を受けました。その「ゲーム」が発見されたことを知り、それが危害を加えた対象に再び取り入ろうと試み、SCP-1533に膨大な説得力をもって悔恨と同情を装う方法を学習させました。
████/██/██時点ですべての申し出が拒否され、職員と当該団体間でコミュニケーションを取ることは禁止されています。SCP-1533はその後、財団工作員を通じてさまざまなメディアを収容セルに密かに持ち込むことを試みました。 暇つぶしのためのレクリエーション活動として文献の閲覧や映画の鑑賞を頻繁に要求してきたことから、この現象は他の形態の暴露を通じて行動を吸収することができると考えられています。最近の収容違反は、毎月配属されたDクラスを通じて情報を指示することで、政策の転写に関するものです。SCP-1533の収容セルへのペンと紙の供給は拒否されます。財団研究員はまた、社会的な発育不全に陥ったタクシー運転手の人生を描いた1976年の映画タクシードライバーの中から選ばれたシーンを絶えず再生し、 知性の行動の成長を遅らせる手段とすることを提案しています。O5レビューにて確認中です。
ページリビジョン: 4, 最終更新: 10 Jan 2021 18:12