
インタビュー中のSCP-1535-1
アイテム番号: SCP-1535
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1535はサイト-18の安全保管庫に保管されることになっています。脆弱な性質を持つため、検査の際は慎重に対象を扱うようにしてください。SCP-1535のフタは別の保管庫に入れ、試験の最中のみ取り出すようにしてください。
説明: SCP-1535はボール社(the Ball company)による1946年製のガラス製メイソンジャー1です。SCP-1535は物理的には一般的なメイソンジャーに似ています。
SCP-1535の特異な性質は、昆虫や爬虫類といった知性を持たない生物が中に入れられ、SCP-1535のフタが閉じられることで表れます。
フタを閉じられるとSCP-1535内部にいる生物は、論理的に思考し、スペイン語を流暢にこなし、またカトリックの教義に精通し、さらにモールス信号を熟知するようになります。SCP-1535の住人のことを、SCP-1535-1と呼びます。
損傷無くSCP-1535の蓋を開く試みは、SCP-1535-1がその内部で生存している間は無意味であることが確かめられています。SCP-1535の蓋は生存しているSCP-1535-1がいなくなれば容易に取り除くことができます。SCP-1535-1は封がされてから1〜2時間後におそらく酸素不足により死亡します。
インタビュー1535-1: 下記のテストにおいてコミュニケーションを円滑にするため、1匹のホタルが使用されました。爬虫類や昆虫を用いた試験においても、ほぼ同じ結果が得られました。
SCP-1535-1はモールス信号で光ることによりコミュニケーションします。
SCP-1535-1: 主よ、本当にあなたなのですか?
研究員ブリーン: うん。
SCP-1535-1: あなたのご意志のままに。ついにあなたにお会いできたこの喜びをどうかお分かりください。
研究員ブリーン: 名前を教えて。
SCP-1535-1: 敬虔なる神のしもべでもある父の名をとり、カミロ・デ・ガリベイ(Camilo de Garibay)と申します。
研究員ブリーン: どうやってここに来たの?
SCP-1535-1: 闇の中に輝ける光を追って参りました。
研究員ブリーン: もうちょっとはっきり言ってくれない?ここに来る前に何があったの?
SCP-1535-1: 私めは…あなたにはお分かりのこととは存じますが、罪深き病魔によって命を断たれたのでございます。どうか私めをお許しくださいますよう。研究員ブリーン: 許す。
SCP-1535-1: 私めは常々知りたいと思っていたのですが、私めがここに来て、今何が起ころうとしているのでございましょうか。私めはここに受け入れていただけたのですよね?私めはずっとあなたに忠実だったのですから。
研究員ブリーン: いまどういう状態かわかってる?
SCP-1535-1: ここは…妙ですね。ですが、私めはあなたのやり方に疑問を持ったりはいたしません。
研究員ブリーン: どうも。(ブリーンがインターカム越しに話す)インタビュー完了。SCP-1535を持っていってください。
徐々に間隔を空けながら、SCP-1535-1からそれまでより強い光が見られるようになる。
研究員ブリーン: ちょっと待って。まだ何かあるみたいだ。
SCP-1535-1: 私めはずっとあなたに忠実でした!私めはあなたのためにこそ、邪悪なる者どもを打ち滅ぼしてきたのです!どうか!どうか私めをお迎え入れください!どうか!
研究員ブリーン: …。
SCP-1535-1はSCP-1535の中を激しく飛び回り始め、壁にぶつかると底に落ちた。
SCP-1535-1: ここは、地獄ですか?
研究員ブリーン: いや、どうだろ。
インタビュー終了
SCP-1535-1はそれ以降コミュニケーションをしなかった。SCP-1535-1は2時間後に息を引き取った。
研究員付記: 今のところ、全てのSCP-1535-1実体は1500年から1600年の間にスペインのカスティーリャに住んでいた故人を自称している。