SCP-1557
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アイテム番号: SCP-1557

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1557-1封じ込め用の一般人立ち入り禁止異常エリアには、信仰心の薄い財団職員が配置されます。職員はSCP-1557-1の如何なる箇所にも触れてはなりません。SCP-1557内でSCP-1557-Bとの会話は許可されますが、可能ならばその時の位置を地図に書き記す事が当エリアのエージェントがすべき最優先事項です。

説明: SCP-1557はグリーンランドの██████████に位置する扉を通してのみ到達する事の出来る異常地区を指し、この扉をSCP-1557-1と指定します。この構造物は現時点では正体不明の黒色の素材で構成されており、高さ約2.5m、横幅約3mで、表面温度は2700℃超です1。信仰に篤い者は不可視の物理的な障害の影響を受けるため、対象の50m以内に近付く事は出来ません。扉には『邪悪なる者この地に在り』と古代シリア語で刻まれています。SCP-1557-1はa:信仰心の薄い者、b:キリン以外(キリン属キリン)の両方を満たす動物が接近すると開きます。

SCP-1557は、平均気温が約−30℃である事と極めて低い植生密度から、北極圏ツンドラ地帯に似ていると言及されています。SCP-1557-1を例外として、当地は如何なる出入口も、境界線や海岸線も見られません2。当地には二種類の存在が住んでおり、これらをSCP-1557-A、SCP-1557-Bに指定します。

SCP-1557-AはSCP-1557内に住まうキリン達を指します。この動物達は死ぬ事が出来ないらしく、個々の標本は三週間以上もの間食糧も水分も無いまま、SCP-1557-Bから通常から致命的なものにまで及ぶ損傷を受けても生き続けている事が観測されています。上述の損傷は特異な力により迅速に回復されます。加えて、全てのSCP-1557-Aはその場から首を巡らせ動く事が出来ません。これら組合わさった条件はSCP-1557-Aの各個体に対し物理的に多大な苦痛を与えていると目されます。

SCP-1557-Bは現在では正体不明の多数の白色の光球を指し、大抵は直径1mから2mの寸法です。全ての個体はキリン達に物理的な影響を与える事ができますが、現時点では他の如何なる種類の動物にも対象にも接触出来ていない事が見出されています3。個々のSCP-1557-Bは動物に対し会話を行い、一度に複数の被験者に向かい呼びかける事が可能です。範囲内の被験者全員がSCP-1557-Bがその母語で話しているのを聞いたと報告します。これらの存在達はほとんどの時間を主にSCP-1557-Aを責め、怒鳴り、損傷させ、また諸々の手段で傷付ける事に費やします。

会話記録-1557-アルファ: 財団によるSCP-1557の最初の調査において、職員がSCP-1557-Bと会話を行いました。以下の記録は会話を文字起こしした物です。

<記録開始>

SCP-1557-B-001: この地はお前の居る所ではない。

フレドリックス: この場所は何なんだ?

SCP-1557-B-001: 応報。

フレドリックス: ああそう。それでこれらの動物達は[複数のSCP-1557-Aの方へ振りかぶりながら]、ここにどうして…?

SCP-1557-B-001: あの者共は間違った生き方をした。

フレドリックス: そうなの?

SCP-1557-B-001: あの者共は間違った教えに従った。道を通りこの地に連れて来られ、救済までここに留められるのだ。

フレドリックス: 彼らはここに永遠に留まるのか?

SCP-1557-B-001: 恐らくそうではない。[不可解な言葉]、正確に言えば、最終的に確実に訪れる。

フレドリックス: 君達は一体何なんだ?

SCP-1557-B-001: 我々は番人にして教育者、あの者共の守護者にして処罰者。我々はあの者共が教訓を得るために存在する。教訓を学び赦されるまで、我々の封印の義務は邪悪にあらずして行為は罰せられぬ。

フレドリックス: 君達の行為とはあの動物達を攻撃して苛める事なのか?

SCP-1557-B-001: 我々には為すべき事…[SCP-1557-Bの個体がSCP-1557-Aの個体に接近し『お前にはこれがお似合いだ』と叫び両脇で笑いながら繰り返し衝突する]もうお前は行かねばならん、我々には為すべき重要な仕事がある。

[この後、SCP-1557-B-001はSCP-1557-Aの個体への責め苦を再開し、更なる質問には回答を拒んだ。]

<記録終了>

後記: 当記録における会話の後、全てのSCP-1557-Bは財団職員との会話を拒んだ。

事案記録-1557-イプシロン: 2009年2月19日、SCP-1557内にキリンに似た赤い半透明の存在が多数出現しました。これらの動物達は浮遊能力を持ち、個々のSCP-1557-Aに首を巡らせ向かい、両者は消滅しました。この行為はサイト内のSCP-1557-Aが居なくなるまで続きました。その後、赤い半透明のキリン達は再び姿を現すとその後消失するまでの40日間SCP-1557-Bに攻撃を仕掛けました。

当事案からSCP-1557内のキリンは姿を消し、またSCP-1557-Bも移動と会話が出来なくなったように見られます。代わりに、SCP-1557のこの光球群からは甲高いノイズが発している事が指摘されています。財団職員にはSCP-1557の状況を定期的に確認し内部での変化を記述する業務が割り当てられています。

これらに加え、SCP-1557-1前面の碑文も書き換えられており、『第二段階。第一の封印は破られ、今や馬は解放されん。戦士達は[不明]の完了を助くべく到着を待受ける。来たれり。』となっています。

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