SCP-1560
評価: -2+x

アイテム番号: SCP-1560

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1560の生体は現在の財団における如何なる手段でも収容不可能であるため、機動部隊ラムダ4『野鳥の会』がSCP-1560の既知の集団に対する追跡任務を割り当てられています。SCP-1560の死体標本はサイト-██の標準型低温生物保存器に保管され、最低でも2人のレベル3上級研究員の事前許可を受けた上で標本利用が認められます。

説明: SCP-1560は異次元由来と推定される、学名Thalassarche melanophrys、和名マユグロアホウドリに酷似した、巨大な体長、異常な目、完全に欠損した脚部といった特徴を持つ動物の一種です。SCP-1560の成体の翼幅は3.8m以上にも成り(T.malanophrysの約3倍)、その寿命はSCP-1560が財団の監視下に入ってからの期間をも上回ります(約██年)。SCP-1560の目は地球の鳥類のそれとは著しく異なり、試験の結果紫外線に対し非常に鋭敏であると判明した複眼を持っています。

SCP-1560の集団は家族単位の小グループで海面からの高度8100メートル以上もの高さに居り、財団はそのうち6 8 15の家族集団について把握し追跡しています。SCP-1560の行動は地球の海鳥のそれと似通いますが、SCP-1560は陸に降りず、ただ高度が8100メートル以下に落ちる際にのみ、5分から10分の間完全に消失します。SCP-1560に対する長期間の撮影写真及び広範な研究から、SCP-1560の主な食物である異次元空間に住まう大型頭足類を追い立て捕らえるためである事が示唆されており、このためかSCP-1560はしばしば、マッコウクジラが深海でダイオウイカを追った際に付けられる様な爪痕や切り傷を負っています。

今日まで、財団では研究用の生きた検体を捕らえる事は出来ないままとなっています。SCP-1560が負傷または捕らえられた際、その検体はその時点の高度に関わらず異次元へ自発的に移動します。検体を鎮静させる試みも生きた検体を得られないという結果に終わり、ほとんどの場合鎮静させられた検体は異次元に帰らずに死亡したと推測されます。SCP-1560が姿を最小限にしか現さないようになり、財団の観測用飛行機に対し嫌悪感を示し始めているため、SCP-1560の更なる検体を捕らえる試みは無期限に中止されています。

補遺1560-01: SCP-1560の重要な個体に関する記録

指定番号: SCP-1560-01
概要: 既知の中では最大かつ最高齢のSCP-1560-01は高度な知能を示す雄の個体であり翼幅は3.86 mに達する。文書作成時点で成体だった当個体は財団の観測下██年を生き続けており、SCP-1560の最長寿命を現在も更新中である。SCP-1560-01は8羽の群れを引き連れていたが、そのうちの一羽は財団による捕獲の試みの後は姿を現さなくなっている。SCP-1560-01はやや攻撃的な性格であり、財団の飛行機が群れの500 m以内に近付いた際にはこれを追い払おうとする。

指定番号: SCP-1560-08
概要: 成熟した雌の個体であるSCP-1560-08は██年█月██日に約18分間の消失後、3羽のSCP-1560の新生個体と共に再度現れ、これらをSCP-1560-29、SCP-1560-30、SCP-1560-31とそれぞれ指定した。

指定番号: SCP-1560-21
概要: SCP-1560-21は██年██月██日の『狩猟降下』後に酷く負傷して再度現れた。傷により死亡し墜落するまで重度に損傷した状態で空中に一時間持ちこたえ、その後機動部隊ラムダ4の隊員達により回収された。SCP-1560-21の死体はサイト-██に冷凍保存されると共に、その胃の内容物及び死体の傷跡には刺のある触手の断片が入り込んでいた。

指定番号: SCP-1560-28
概要: [削除済]。怪鳥1の9号の残骸自体は墜落現場から全て回収された。生存者無し。

補遺1560-02: 観測者の記録

今日まで、SCP-1560は風向きや活動領域とは無関係にただ東から西に向けて飛んでいる事が観測されている。これが表す意味は目下調査中だ。

█████████博士

補遺1560-03: 観測者の記録

我々はこれまでの所非常に幸運だったが、SCP-1560の巨体とその個体数の増加は、通常巡航高度において民間航空機との接触事故が起こる前ぶれである事を意味する。これまで恒久的な封じ込め手段が確立出来ていたが、我々はSCP-1560の一つないし複数の群れを駆除し間引く事も考慮せねばならない。

█████████博士

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