収容以前のSCP-157-JP。
アイテム番号: SCP-157-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-157-JPは京都府内に存在する集合住宅212号室を改装した特殊防音コンテナに保管されています。対象の振り子部分には緩衝材を取りつけ、振り子同士がぶつかり合うことを避けてください。なお、振り子そのものが動かなくなるような固定は禁止します。対象を取り扱う際は、財団指定の遮音装置の着用を義務付けます。収容場所の周辺区域にはカバーストーリー「建設工事」を適応し、一般人の進入を禁止してください。対象の活性化に際して起こる微弱な地震は「建設工事の振動」とカバーしてください。
説明: SCP-157-JPは異常性を持った振り子時計です。材質そのものは通常の物質であり、後述する異常性の発生要因は分かっていません。また、底面には「めさましとけひ」と日本語のひらがなで書かれています。
SCP-157-JPは不定期に活性化し、その異常性を発露します。対象は振り子をぶつけあわせ、特殊な音を数分間発生させます。この特殊音を爬虫類、哺乳類、鳥類が聞いた場合、外的刺激への鈍化、身体動作の停止、意識の喪失といった反応を即座に引き起こします。20██年現在、この特殊音によって意識を喪失した生物の覚醒は確認されていません。
特殊音の大きさは60dBであり、通常の会話と同程度の物です。しかし、通常の音に比べ、明らかに遠距離にまで到達します。発見当初の事案では、被害範囲の大きさから対象を中心として半径80m円内に響いたことは確実です。特殊音の聞こえる範囲は拡大し続けていることが分かっており、201█年現在では、空気中であればおそらく半径1500mを越えていると推測されます。
SCP-157-JPは「集合住宅1から遠距離に離れる」「破壊、分解を受ける」「振り子を動かせない固定を受ける」等の条件が満たされた時、空間転移を行います。転移後の出現個所は発見地点の212号室内のいずれかの地点です。該当号室内で分解等を行おうとした場合、対象は瞬間的な空間転移を室内で行い続けます。この特性があるため、対象の分解や破壊、集合住宅外への移送は成功していません。
SCP-157-JPは200█年2月3日、京都府██市の集合住宅212号室で発見されました。財団の調査により、SCP-157-JPはその部屋の住民が19██年に京都府のアンティークショップで購入したものと分かっています。発見日とズレがあるため、対象の異常性は突然発露したものではないかと推測されています。発見当日、対象から発生した音によって該当号室の住人および近隣の一般人██名が対象の異常性によって意識を喪失しました。また運転中のドライバー6名が影響を受けたため、重大な交通事故が発生しています。事態には財団の機動部隊が出動し、対象が発見されました。
20██年現在、該当の集合住宅は財団が買い取り、SCP-157-JPの収容施設として利用されています。
補遺1: 20██年6月9日、SCP-157-JPの文字盤の裏面に非常に小さな日本語の文字列が並んでいることが確認されました。内容は以下です。
ひとの ねふりは あやしの めさめ
補遺2: SCP-157-JPが活性化2するたび、収容場所を震央とする微弱な地震が京都府内に発生していることがわかっています。震源調査の結果、収容場所直下1100kmに巨大な[編集済み]が存在することが判明しました。
補遺3: オブジェクトの起源を調査したところ、アンティークショップに以下の資料が残されていました。
[解読不能の漢字]様
御子息のめさましとけひ
確かに御納めし〼東弊組
アンティークショップ自体は1998年に開店しており、資料はオブジェクトに元々付属していたものだと思われます。記述されている東弊組と東弊重工の関連性は調査中です。