アイテム番号: SCP-1572
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1572はサイト-77の標準的収容ロッカーに保管されます。如何なる職員もSCP-1572を直接的に目視することは許可されておらず、SCP-1572を閲覧しているのが発見された対象者は影響力が消えるまで隔離されます。SCP-1572の異なるルートに関する実験が進行中です。全ての実験はDクラス職員の継続的損失によって打ち切られました。
対象者が到達する前に該当地点を破壊することによってSCP-1572の効果は即座に停止しますが、この手法は資産の浪費だと見做され、打ち切られました。
説明: SCP-1572は28×43cmのオレンジ色の子供用画用紙です。極めて古びているように見えますが、破れ目・裂け目はありません。“ひみつのスペシアルうらみさマップ[原文ママ]”という文言がSCP-1572の片面に書かれています。
SCP-1572を視認した人間は、それを、対象者が重要視している一地点への道筋を記した地図だと認識します。これらの地点は対象者にとって幼少期から強く印象付けられている場所であり、カーニバルや公園などの楽しい思い出と関連する所からより抽象的な意味合いを持つ場所まで、対象者ごとに幅広く異なります。対象者はこの地図を、クレヨンまたはマーカーで粗雑に記された子供っぽい手書きの物であると報告します。最後の閲覧以降に示されている目的地が改変された/変化した場合、対象者は常に、初めから現在と同じように記されていたと主張します。SCP-1572の影響が及ぶのは一度に1人までです。
対象者はSCP-1572を使用して目的地に到達しようと試みることが可能であり、当該地点を再訪することが重要なのだと主張します。また、対象者は目的地の現状や、現在の位置からSCP-1572に示されている領域に移動するための正確な方法など、SCP-1572を閲覧するまで知り得なかったはずの地域に関する記憶について語り始めます。対象者はこの試みを放棄するように説得可能であり、SCP-1572の効果は対象者から46時間以上取り上げられると消失します。
目的地へ近付くにつれ、対象者はSCP-1572から声が聞こえ、日が沈むまでに目的地に到達しなければ“思い出しちゃう”だろうと語りかけてくると主張します。日が暮れるにつれて、対象者は遠距離から自分を観察している実体群が見えると主張し、それらは目的地に関連する存在だと述べます。目的地に接近するほどに、これらの生物は無形存在として視認可能になります。SCP-1572効果によって出現した存在は全て物理実体を持ちませんが、対象者を視界に収めている人物はSCP-1572実体を視認可能であり、写真やビデオテープに記録することもできます。
SCP-1572曝露によって出現した実体群は、対象者が目的地に到着するまでその後を追跡し、対象者が近接している場所と想起する記憶をベースにして姿を変化させます。場合によっては、実体群は対象者の隣人、子供の頃のペット、もしくは過去の経験に基づく姿を取ります ― 一例として、幼少期の家を目指していた対象者は、ヘビに咬まれて4歳で死んだ妹に類似する容姿のヒト型爬虫類が見えると主張しました。また、実体群は対象者にしか意味を理解できない抽象的な形態を取ることもあります。実験によって、これらは知性を持たず、純粋に対象者の記憶と反応に応じて変化するだけの存在だと示されました。
目的地に到着した対象者は子供時代と同じように当該領域への相互作用を開始し、通常は陶酔感を見せるか、突然の運動能力を発揮します。領域内の対象者は、観察されていない状況下において唐突に消失する可能性があります。詳細についてはSCP-1572実験ログを参照してください。SCP-1572曝露によって失踪した対象者らは、1987/11/16の時点で一人も回収されていません。
SCP-1572は、SCP-1967に関連する要注意人物“█████ ███”の調査過程で、彼の家にある壁金庫の中から発見されました。1987/11/16現在、SCP-1572はSafeに分類されています。
補遺: SCP-1572実験ログ