SCP-1608
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エリア-78の下層大気中で実体化したSCP-1608。

アイテム番号: SCP-1608

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1608の捕食対象であることが判明した全ての鳥類をエリア-78の鳥類飼育場に確保します。当該エリアの衛星画像は財団職員の手で加工します。

機動部隊カッパ-11"レッド・バロンズ"の構成員は、SCP-1608の現在の居場所を追跡・監視し、その状態をエリア-78へ報告します。収容中に機体が損傷することを避けるため、空挺職員はSCP-1608の推定される居場所から150mの距離を維持してください。海上の職員は観測した全ての実体化事象を報告してください。収容が破られた場合、MTFカッパ-11構成員らはSCP-1608の存在が仮定される場所まで移動して実体化を待ち、エリア-78へ誘導し直すための食料を解放してください。

説明: SCP-1608は地表から50~110m上空に存在するBaleonoptera musculus、通称シロナガスクジラです。体重は154トン、体長は29mと推定されており、鰭には様式化された雲のようなデザインの刻印があります。更なる観察はSCP-1608の異常性質によって妨げられています。

SCP-1608は無形であり、殆どの時間を大気中で漂うことに費やしています。SCP-1608は自身の動きを部分的にしか制御できていないようであり、食料もしくは自身が食料だと思い込んだ物体に向かって進もうと試みます。この間のSCP-1608は観測が不可能であり、空中の身体を追跡するためのあらゆる手法は無益であることが証明されました。SCP-1608は物理的肉体を半時間ごとに1回実体化させ、無形に戻る前に16~20秒その状態を保ちます。SCP-1608が実体化するのは呼吸と排泄のためであると仮定されています。

食事の際、SCP-1608は獲物が無形の胃袋内部に位置するように移動した後、それらを摂取するために1~3秒ほど実体化します。この効果により、SCP-1608の無形状態と重なり合っていた他の固形物もまたSCP-1608の身体に取り込まれます。収容以前、SCP-1608はその急速な消費活動によって、高層大気中を飛行する数種類の鳥類を絶滅寸前まで追いやりました。

加えて、SCP-1608の体内に吸収された消費不可能な物体は、取り込まれた後の何処かの段階で排出されます。SCP-1608が吸収可能な物質の量には上限が無いように思われ、付加質量を補填するようなサイズの増大も見られません。SCP-1608由来の物からは、早くとも1776年まで起源が遡るアーティファクトも発見されています。

SCP-1608は数隻の捕鯨船による“巨大な空飛ぶクジラ”の目撃情報を日本の東京で活動していた財団エージェントが把握した後、1929/08/11に初めて財団によって観測されました。 その後の目撃情報は財団の調査動機となりましたが、当該異常存在に対する全ての調査は予算の関係で打ち切られました。

収容は1976年、東京のエージェントが最初の報告書を再発見し、この異常存在のことを現地司令部に警告した後に開始されました。以前に報告された領域への簡単な偵察任務の後、異常な実体の存在は確証され、収容プロトコルが制定されました。1980/03/19を以て、SCP-1608はEuclidに分類されました。

補遺: SCP-1608に摂取および排出されたアイテムの記録

日付 吸収/摂取された物質
1928/??/?? 最初の文書記録における報告。捕鯨船の一部を消費。これは報告された中で最も低空でのSCP-1608活動だという点に留意。
1976/12/19 SCP-1608の生息が報告されていた領域を偵察中だった財団の飛行機1機を吸収。パイロットのエージェント バーンはMIAと報告された。
1980/03/11 1898年頃のイギリスの捕鯨船の一部を排出(マストの物見台を含む)。保存状態の良好な、身元不明の人間1名の遺体が物見台の内部で発見され、対象はSCP-1608からの排出時に死亡したように思われた。
1982/05/27 1900年から絶滅種に指定されている鳥類██████ ████をおよそ324羽排出。██████ ████の全個体はエリア-78の鳥類飼育場に収容された。
1991/08/19 少なくとも1776年頃まで遡るスペイン船由来の旗がSCP-1608から排出された。旗はSCP-1608の血液で染まっているように思われたが、SCP-1608にはダメージが見られなかった。
1999/07/07 財団飛行機の残骸とエージェント バーンが排出された。検死によって、エージェント バーンはSCP-1608から排出される際に死亡したことが示された。その他の異常は遺体や飛行機から発見されなかった。
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