SCP-1622
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アイテム番号: SCP-1622

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 本稿執筆現在、7kgのSCP-1622が、外見上は日光取り込み型の木造パントリーに似せたサイト-██冷蔵保管チャンバーに収容されています。SCP-1622は単独で棚に置かなければいけません ― 同じチャンバー内にある他の棚には、様々な量のプール、ゴールド・スティルトン、カチョカバロ・ポドリコ銘柄のチーズを乗せておきます。どの程度の量であれ、SCP-1622のチャンバーから他銘柄のチーズを取り出すことは許可されません。実験前後の輸送は、金メッキを施した純銀の大皿に同じ素材のカバーを添えて、Dクラス職員のみが担当します。実験そのものは、ミシュランで三ツ星評価を得ているレストランに似せた指定の部屋で行われます。

全てのBalaenoptera musculusの回遊ルートは、異常な活動が見られないかを監視します。Balaenoptera musculusの搾乳を試みる人物はその目的を尋問し、クラスB記憶処理を施します。

説明: SCP-1622はBalaenoptera musculus(一般にシロナガスクジラとして知られる生物)の乳から作られた半硬質チーズです。色は白く、滑らかで、僅かにきめの粗い質感を有します。Dクラス職員を用いた味覚検査によって、SCP-1622は普遍的に美味であり、あらゆる主要な風味の料理を補完するものとして知覚されることが明らかになりました。実験に携わった全ての被験者はSCP-1622の風味を“美味しい”、“完璧だ”などと評しましたが、その正確な味をしっかりと定義することは出来ませんでした。実験でSCP-1622の化学構造には異常がないことが明らかにされており、現時点では製造工程こそが異常効果の源だと考えられています。収容下に█年間置かれていますが、SCP-1622は腐敗を示していません。

SCP-1622の異常効果は、風味を別とすれば、その保管・調理・消費の方法を中心とするものであり、SCP-1622を含有する/SCP-1622で構成される食事の準備に使われた総額が97,250米ドルを上回る場合は発現しません。この“総額”には食材の平均コスト、対象料理が提供される環境内の全ての調度品、調理と消費に使用される道具、SCP-1622が使用された料理の平均レストラン価格1が含まれています。このようにしてSCP-1622を摂取した被験者は、他銘柄のチーズに対する強い嫌悪感を除いて、異常な行動を示しません。この反応はSCP-1622の優れた風味が原因と考えられており、異常とは見做されません。

SCP-1622の異常な効果は、97,250米ドルよりも安い価格で準備が行われた際に発現します。SCP-1622を一口消費した時点で、被験者はあたかも頬を平手で叩かれたかのような反応を示します。これにも拘らず、殆どの被験者は料理を食べ続けます。この最初の一撃の後、被験者は知性の著しい低下、自己意識の減退、言語能力障害、社会規範への無理解を示します。この効果の強さは準備に使われた総額に反比例します。最初の一撃以降の消費量は、効果の強さを増大させることはありません。

補遺1622-1: 回収ログ

████/██/██、アメリカ合衆国北東部にある一部の町の住民が非常に奇妙な行動をしているという幾つかの通報が、標準データ走査を通して財団の注目を集めました。尋問の結果、全ての影響された民間人は当該地域にある幾つかのレストランで食事をしていたことが判明しました。地域内の捜索により、言及された全てのレストランと、その他にも3つの店舗からSCP-1622の在庫が発見されました。SCP-1622の効果を引き起こす現在の費用上限は、SCP-1622を消費した全民間人の購入記録、ならびにレストランの家具の総費用から推定されたものです。レストランの経営者たちは、█████フーズ社から試験的調査の一環としてSCP-1622を受け取ったと主張しました2。クラスA記憶処理が行われ、水銀中毒に関するカバーストーリーが広められました。

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