当報告書の読了確認時もしくは閲覧開始から5分後、 当報告書はコピーを保存した上で自動的に削除されます。
特別収容プロトコル: SCP-1626-JPに関する情報の閲覧は、 O5評議会員のみが可能です。閲覧可能回数は各会員につき2回/年であり、閲覧者は文書の閲覧後、必要に応じた強度の記憶処理が実施されます。これら以外の職員に対して、SCP-1626-JPに関する情報は隠蔽されます。
SCP-1626-JPの収容違反を受けて収容サイト-CN-██は放棄され、同サイトは半径1kmの半球形のシェルターで密閉されました。全ての既知のオブジェクト群は収容サイト-CN-██にて収容されます。
収容サイト-CN-██を中心とした半径2km圏内(区域-CN-██)への入場は、いかなる権限があったとしても制限されます。区域-CN-██の周辺には財団の監視施設が設置されており、24時間体制で区域-CN-██の監視が行われています。
サバクトビバッタ (Schistocerca gregaria)。SCP-1626-JPの近縁種と推測される。
説明: SCP-1626-JPはバッタ目 (Orthoptera) に属する昆虫に類似した外見の未知の生物です。SCP-1626-JPは特にサバクトビバッタ (Schistocerca gregaria) に類似していますが、習性や身体的特徴などは既知のどの種とも一致しておらず、その起源は不明です。SCP-1626-JPは本来必要な摂食行為や繁殖行為などの生命活動を一切行わず、不明な原理で栄養を摂取せずとも生存することができます。その特性上、SCP-1626-JPに寿命は存在しないと推測されます。
SCP-1626-JPの異常性は、SCP-1626-JP自体に直接関わる情報を他者が認識した際に発現します。認識時に異常性が発現する情報は、現在までに以下が確認されています。
- オブジェクトの外見
- オブジェクトのアイテム番号
- オブジェクトのオブジェクトクラス
これら情報が既知のものとは異なる形式で記述されたものを認識した場合、後述の異常性は発生しません。外見以外の情報が認識・記憶された場合、SCP-1626-JPは全個体での分裂増殖を起こすと推測されています。
認識者がその情報を記憶し続けた場合、SCP-1626-JP群は1匹あたり2~3匹/分のペースで分裂増殖します。この際SCP-1626-JPの生命活動に問題は見られず、増殖分の質量の出自は未特定です。
記憶処理剤によるSCP-1626-JPに関する情報の消去は可能です。ですが長時間SCP-1626-JP個体を認識した場合大規模な増殖の発生が予測されるため、事案の発生時には早急な記憶処理が必要です。
補遺1: 20██/██/██、SCP-1626-JPの急激な増殖によるオブジェクトの小規模な収容違反が発生しました。この事案は█研究員がSCP-1626-JPの報告書を閲覧した際に発生し、前述の異常性の発現条件を満たしため増殖が発生したと推測されています。
この事案を受け増殖したSCP-1626-JP群は焼却処分され、将来的な収容違反を危惧し、オブジェクト群は山間部に位置する収容サイト-CN-██へ移管されました。移管後財団内部への情報操作がなされ、オブジェクトクラスの更新とプロトコルの改定が行われました。
補遺2: 収容後、SCP-1626-JPが自身のアイテム番号やオブジェクトクラスを認知した方法は不明であり、そのため未確認の異常性が存在する可能性が指摘されています。ですがその異常性のため、調査計画は中国支部運営委員会により凍結されています。
補遺3: 20██/██/██、SCP-1626-JP群の急激な増殖により、コンテナの破壊と収容違反が発生しました。収容サイト-CN-██内は増殖したSCP-1626-JP群により即座に占領され、収容体制の維持が困難であることからサイトは放棄されました。サイト内部の状況は現在未確認ですが、収容されていた多くのSafe・Euclidクラスオブジェクトが未収容にあると推定されています。
この事案を受け、特別収容プロトコルの改定とオブジェクトクラスの変更が行われました。収容サイト-CN-██内の職員は全て死亡したとみなされ、財団内外への情報隠蔽が実施されました。収容サイト-CN-██への機動部隊の突入は現在審議中です。
補遺4: シェルター内部で無人で記録された収容サイト-CN-██の監視映像から、人員の更なる侵入がないにも関わらず、様々な地点でSCP-1626-JPが増殖していることが確認されました。増殖地点の多さと職員の脱出が確認されていないことから生存者によるオブジェクトの視認の可能性は否定されており、O5評議会外部の人員による報告書の閲覧の可能性が浮上しています。財団内外への調査が現在計画中です。