SCP-1628
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事案1628-IIIの前にSCP-1628の入口を検査する技術職員たち

アイテム番号: SCP-1628

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: エリア-1628がSCP-1628の入り口を収容するために設計され、財団フロント企業の偽装の下に構築されました。SCP-1628への入場が許可されるのは活性化状態時のみであり、また探索遠征に携わる職員のみに限定されます。SCP-1628内の実体群との意思疎通は、彼らが敵対的になるのは挑発を受けた場合のみだと示しています。そのため、職員各位はSCP-1628が非活性化するまでは、SCP-1628の活性化の流れに従って行動することを心がけてください。

収容違反が発生した場合、それがSCP-1628実体群によるものであれ外部勢力であれ、事前に配置された爆薬を起爆して入口を崩落させます。掘削の試みは、既知の最後のSCP-1628活性化から130日以内には行うべきではありません。SCP-1628の掘削が実現不可能になった場合、当該オブジェクトはNeutralizedと宣言され、収容プロトコルは改訂されます。

説明: SCP-1628はワシントンDCの実寸大模型であり、出現した時期は判明していません。SCP-1628は縮尺通りではなく、数多くの歴史的に重要な建物が中心に集まっている反面、それ以外の構造物は塗装された木製のブロックです。歴史的に重要な構造物(例として、ホワイトハウスや合衆国議会議事堂)の複製物は真鍮で作られています。SCP-1628の入口は放棄された塩鉱山の地下およそ400m地点にあり、貯蔵トンネルに入った人物はワシントン記念塔の複製から退出することになります。SCP-1628は、おそらく位置の関係上、恒久的な夜の状態にあります。1998/11/15時点では、SCP-1628の内部では天体が観測されていません。 事案1628-IIIを参照。

SCP-1628の内部に生息している実体は、真鍮と鉄でできたヒト型存在であり、合計135体 123体です。これらのヒト型実体の外見的モデルは10 9パターンしか存在しないようであり、各モデルは正確に12 11体ずつ配置されています。活性化状態時のヒト型実体群は外部から侵入した人物と意思疎通できますが、前以て設定されているフレーズを発話するのみであり ことが殆どであり、これらの語句にそぐわない意思疎通は無視されます。独特の外観を有するのは4体のみで、それぞれ歴史的な人物 ― アンドリュー・ジャクソン将軍、ジェームズ・マディソン大統領、ドリー・マディソン大統領夫人、リヴァプール卿の複製です。これらに加え、活性化中は、年代に適切なイギリス軍の制服を着た10体のヒト型実体がごく短い間だけ出現します。ヒト型存在の構成とSCP-2776内骨格の類似が指摘されており、共通の起源に関する調査が行われています。

12時間ごとに、SCP-1628内部の全ての実体は活性化し、1812年に勃発した米英戦争におけるワシントンDC焼き討ちの大まかな流れに沿って一連の活動を行います。この活性化状態は4時間持続し、その後に12時間の“冷却”期間があります。SCP-1628の活性化状態のタイムラインは以下の通りです。

0:00 - 1:00、SCP-1628内部の全実体が活性化し、領域内をランダムに動き回る。実体群は部外者と意思疎通する際、ジャクソン将軍が英国軍を阻止できなければ自分たちは攻撃されるのではないかという疑念を見せる。

1:00 - 2:00、アンドリュー・ジャクソン似の実体がSCP-1628の何処かにあるハッチから現れ、英国軍の攻撃が差し迫っていると主張する。約10体の実体がSCP-1628防衛に志願する。

2:00 - 3:00、ジェームズ・マディソン似の実体がホワイトハウスの複製から現れ、SCP-1628の内部に胸壁を作ることを指示し始める。ドリー・マディソンもまた、空の額縁を抱えて姿を現す。ジェームズ・マディソンの複製体は部外者と意思疎通できるが、ドリー・マディソンは目的も無くSCP-1628を彷徨うだけであることが注目される。

3:00 - 4:00、英国軍兵士とリヴァプール卿を模した実体群が、SCP-1628の西部にある一棟の建物から出現する。英国軍はSCP-1628防衛に志願した11体の実体と簡潔に交戦し、英国側の勝利に終わる。SCP-1628の照明が赤色になり、実体群の発声から、この照明効果が火災を表現したものであることが分かる。これに続けて、SCP-1628の中心部に真鍮製の漏斗1本が出現し、全ての照明が消える。これはSCP-1628の活性化状態の終わりと見做されている。

SCP-1628は████塩鉱山が新たな所有者に売却された後に発見されました。使われていない洞道から銃声が聞こえるという鉱夫たちの報告は、SCP-1628の異常性質の発見に繋がりました。財団職員は噂が広範な注目を集める前に介入を達成し、SCP-1628が発見されたエリアに空中散布型の記憶処理薬が配備されると共に、直接的な目撃者にもクラスA記憶処理が施されました。1981/9/18を以て、SCP-1628は収容され、Euclidに分類されました。

事案1628-I: SCP-1628の非活性状態の間に、数名のエージェントが探索のため派遣されました。この任務中、SCP-1628実体群のうち1体がエージェントらとの意思疎通を試みました。当該実体はエージェントらに、もっと静かに行動しなければ“あやつ(it)”が降りてくるだろうと語りましたが、自身が言及した存在について詳しく語ろうとはせず、それ以上の質問には回答を拒絶しました。これに続き、当該実体および同一モデルの個体群は未知の力によってSCP-1628から除去されました。録音機器がSCP-1628探索用標準装備品のリストに加えられました。

事案1628-II: 1999/11/27、巨大な円形の物体がSCP-1628の中央に落下しました。SCP-1628内の実体群はいずれも直接この物体に気付く様子を見せませんでした ― しかしながら、ホワイトハウスのレプリカが破壊された結果、ジェームスおよびドリー・マディソン型の実体は出現しませんでした。SCP-1628実体群は、あたかも命令を受けて胸壁を築いているかのように振る舞い続けました。また、以下の発言がアンドリュー・ジャクソン型実体から発せられました。

<記録開始>

ジャクソン: 閣下、どうかご命令を。英国軍はポトマック川を越え、今にも街に向かって行進してくるでしょう。

*沈黙*

ジャクソン: …閣下、私が思うに…[間が空く] 貴方が静かなのは… 状況が…暗澹としているからですか?

*沈黙*

ジャクソン: ドリーもきっと… 酷く憂えていることでしょう。[間が空く] 彼女の下へ向かってください。胸壁配置の指示は私にも出せます。

<記録終了>

事案1628-III: 1999/11/30、活性化中のSCP-1628上空に暗い色の塊が出現する様子が観察されました。塊は活性化状態の期間を通して同じ位置に留まり続けました。SCP-1628内の実体群は直接これに気付いてはいませんでしたが、以前に記録されていない“悪天候”に言及する発声が幾つか確認されました。活性化状態の完了後、この塊から1本の巨大な付属肢が飛び出し、事案1628-IIで落下してきた物体を取り除きました。SCP-1628の次回の活性化において、事案1628-IIによる全ての損害は修復されました。

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