アイテム番号: SCP-1633
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1633のコピーの収められた標準的なDVD-ROM一つと全てのサポート文書、及び補助素材はサイト15の安全な保管ロッカーに保存されることになっています。SCP-1633を実行したい個人は全て主任研究者ベルガー博士(head resercher Dr.Berger)に書面で要請を提出しなくてはなりません。テストは現場にあるドキュメント-1633-HS-11の要求を満たしたコンピュータのみで行われます。これらのコンピュータは長期の試験期間(最高で6ヶ月)の期間使われるかもしれません。しかし、ハードディスクは完全に消去され、全てのコンポーネントはテストの終了時に破壊されなくてはなりません。
いかなる個人もベルガー博士の特別な許可なしに、ゲームのストーリーラインのAct-3以降を独立したセーブデータなしにプレイすることは避けるべきかもしれません。この点の前に、セーブデータと、それと関連付けられた.ptdファイルは消去されなくてはなりません。
説明: SCP-1633は、現在消滅した独立系ゲームスタジオ███████ █████によって作られたコンピューターゲームです。財団所有のコピーはそのベータ版です。プレイするための中核部分は比較的完成していますが、いまだ多数の不備が残っています。いくらかのアートアセット2の欠如に加え様々なグラフィック上の問題、BGMはついていないか"穴埋め"であったり等、多岐にわたります3。このバージョンは財団が201█/██/██に襲撃する二日前に編集されたものであるため、現在存在するこのゲームの中では最も完全なものであると考えられています。
ゲームの異常性の源は、ゲームの発売前に最大のセールスポイントとしても広告された「創発性戦術的アルゴリズム」です。プレイヤーがゲームをやめてセーブした後も、ゲームはバックグラウンドプロセスとして稼働します4。処理が完了すると、プレイヤーのセーブデータと同じフォルダに拡張子"ptd"ファイルを作り、"ptd"ファイルがすでに存在する場合はアップデートします5。プレイヤーがセーブデータに関連付けられた"ptd"ファイルを読み込むと、ゲーム中の敵はプレイ時間に比例して知的で効果的になります6。初めのうちは、これは敵が次第にプレイヤーの好みの武器、戦略、全体的なプレイスタイルに適応していくという挑戦しがいのあるゲーム体験でしかありません。しかし、十分な時間があれば、敵はプレイヤーの存在に気づき、プレイヤーキャラクターではなくプレイヤー自身を攻撃し始めます。
典型的な進行は以下のとおりです。7プレイ時間 | 敵の知性 | |
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0-2時間 | 敵キャラクターは戦術的な知性を欠いており、装備した武器、環境、遮蔽物の存在などを無視してプレイヤーキャラクターを攻撃します。 | |
2-5時間 | 敵キャラクターは装備武器や環境を戦術に適応させ始めます。例えば、短距離武器を持つ敵はプレイヤーキャラクターに遠距離から近づく際、遮蔽物を探します。この段階では、敵キャラクターは戦術的知性において訓練されていない民間人に匹敵します。 | |
5-8時間 | 敵キャラクターはプレイヤーの好みの戦略に対抗するための戦略を取り始めます。遮蔽物からの長距離攻撃戦術をとるプレイヤーに対して、榴弾などの"範囲攻撃"武器で開けた場所へ出るよう強制します。彼らは環境を攻撃的にも防御的にも利用します。例えば、難所に罠を仕掛け、待ち伏せし、「キルボックス」を構築します。この段階では敵キャラクターは戦略的知性において訓練された人間の兵士に相当します。 | |
8-12時間 | 敵キャラクターはプレイヤーキャラクターではなくプレイヤー自身に影響を及ぼすための戦術を使用し始めます。いくつかの点から判断するに、敵はプレイヤーキャラクターが"外側"の知性にコントロールされていることに気づいています。そして、彼らの戦略をそれに合わせて調整し始めます。プレイヤーキャラクターを攻撃するのではなく、プレイヤーの視界を遮るための位置取りをとることもあります。敵がゲーム中の"バグ"8を利用する例も確認されています。繰り返し壁の中へと歩いて行ったり、同じアクションを繰り返すことでその場でフリーズしたりしました。彼らはプレイヤーが攻撃するまでそのまま待っていました。なお、攻撃後には反撃しています。あるセッションでは敵は繰り返し"デイフラッシュ"スキル9を交戦のたびに、パターンとタイミングを変えて使用し続けました。ついには彼らは"ストロボ"パターンを開発し、プレイヤーの方向感覚を失わせるパターンを開発し、最終的にプレイヤーをてんかん発作に追い込みました。 | |
12時間以上 | 敵キャラクターは心理的にプレイヤー自身を攻撃します。それぞれのプレイヤーの精神的処方に合わせて広く変化する特殊化された攻撃を行います。対面しているプレイヤーがプレイするキャラクターを細かく管理する場合、敵はキャラクターにほとんどダメージを与えない"ピヨらせる"(daze)攻撃を使用しました。この状態はプレイヤーのコントロールを一時的に中断させます。しかし、"ピヨった"キャラクターを攻撃するのではなく、敵は単純にプレイヤーキャラクターをただ単に群衆で包囲しました。そして、プレイヤーが他に何もできなくなるよう、絶えず"ピヨり"攻撃をし続けました。コントロールのほぼ全面的な喪失はプレイヤーの集中力に大きな影響を与えました。別の例では、敵はプレイヤーキャラクターの一人を画面外へと素早く"誘拐"しました。その面の後半で、プレイヤーは間に合わせの"祭壇"でこのキャラクターの死体を発見しました。死体は敵の集団により絶えず攻撃されていました。部屋の床と壁に継続的に発生した"血しぶき"エフェクトがプレイヤーの視界を妨害した事を除けば、プレイヤーにはほとんど影響がありませんでした。 |
12時間後以降、注目すべき知性の改善は見られませんでした。彼らが感覚を持った実体に指示されない限り、これ以上のレベルには達しないと推測されます。(詳細はドキュメント-1633-DX-12を参照)