SCP-1646-JP-2

アイテム番号: SCP-1646-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 現時点において、SCP-1646-JPの完全な封じ込め手法は確立されておらず、更なる収容方法に関する研究が進行中です。現行での特別収容プロトコル確立以降、サイト-81██では低脅威度のオブジェクトのみが取り扱われており、所属する職員も重要度の低いセキュリティクリアランスレベル2以下の職員のみで構成されます。

SCP-1646-JP-αは、サイト-81██の特別治療室に収容されます。接続機器から検出されるSCP-1646-JP-αのバイタルサインに異常が確認された場合、即座に医療スタッフが対応へと当たります。また、SCP-1646-JP-αが死亡、もしくは昏睡状態から覚醒した場合、新たに発生したSCP-1646-JP-αの捜索、回収を行ってください。

説明: SCP-1646-JPは常に1人の財団職員にのみ発生する、異常な昏睡症状の通称です。現在までに、合計して███人の職員が影響下へと置かれていたことが確認されており、その全員がセキュリティクリアランスレベル2以下の職員1であったことが確認されています。

SCP-1646-JPの影響下に置かれた人物が、その状態で初めての睡眠を行った場合、その人物は即座に昏睡状態へと移行します(以下、この昏睡状態の人物をSCP-1646-JP-αと呼称)。この昏睡症状は早ければ1時間以内、長い場合では数年以上が経過した後に回復します。観測史上、最長では17年2ヶ月の間、昏睡状態の継続したケースが確認されています。それに加え、現在までに疼痛刺激等を含む如何なる手段を用いても、SCP-1646-JP-αを覚醒させることには成功していません。

また、SCP-1646-JP-αに対して行われた脳波モニタリングの結果は、毎回1時間のインターバルを挿んで発生する、最短で102時間、最大では156時間の連続的なストレスレベルの上昇と、不規則な恐怖感・嫌悪感の想起反応の兆候を示しました2。その一方で、昏睡状態から覚醒した全てのSCP-1646-JP-αは、自身の恐怖感・嫌悪感の要因となった存在に関して説明することができず、その間に想起・認識していた夢やイメージを一切記憶していませんでした。それに加え、SCP-1646-JP-αの大半が覚醒後の聴取時に、要領を得ない漠然とした罪悪感や後悔の感情を報告しました。

SCP-1646-JP-αが覚醒した場合、もしくは昏睡状態のまま死亡した場合、新たに別の職員がSCP-1646-JPの影響下へと置かれます。この時、SCP-1646-JP-αの近隣に存在する、セキュリティクリアランスレベル2以下の職員が影響の対象となる傾向性が確認されていますが、その対象基準となる明確な要因は依然として不明です。なお、一度でもSCP-1646-JP-αとなった経験のある職員が、再びSCP-1646-JPの影響下へ置かれたケースは確認されていません。

SCP-1646-JPは、19██年に初めてその存在が確認されました。その性質もあり、現在までに完全な封じ込め手法が確立されておらず、現行の特別収容プロトコルによる被害の軽減対策のみに留められています。また、財団職員のみが対象となる異常性から、他のオブジェクトの影響も考慮されましたが、SCP-1646-JPの要因となるオブジェクトは発見されませんでした。

追記: 元SCP-1646-JP-αの内、長期間の昏睡状態から覚醒した職員の多くに、英雄症候群や救世主妄想に酷似した精神疾患の兆候が明確に示されました。これを受けて実施された更なる調査の結果、SCP-1646-JP-αとなった職員の大半が上記症例と酷似した心理・精神状態を有していると診断されました。

この結果より、SCP-1646-JPが精神影響作用を有する可能性、もしくは、一種の英雄願望や誇大妄想的願望を持つ職員がSCP-1646-JP影響の対象になりやすいという傾向性の存在が示唆されています。また現在、上記事柄に関する調査検証が継続されています。

+ 補遺: 以下の文章を新たに展開しますか?

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