アイテム番号: SCP-1648
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1648は難燃性発泡素材を張り巡らせたヒト型生物収容チャンバーに収容します。煙を除去するため、チャンバーの天井に換気扇を設置します。SCP-1648-Aには豚肉を1日1回3切れ与えます。SCP-1648-Bには牛肉を1日1回3切れ与えます。SCP-1648とそのチャンバーは、手を付けていない食べ物が隠されていないかを毎日検査します — 発見された食べ残しは廃棄します。職員は予定されている実験以外で収容チャンバー内に余分な材質を持ち込まないようにしてください。職員はSCP-1648の存在下に生命体またはその一部を同伴者無しで放置すべきではありません。
説明: SCP-1648は概ねヒト型をした二足歩行生物2匹であり、以下でSCP-1648-AおよびSCP-1648-Bとします。SCP-1648は多色の羽めいた毛皮に覆われており、突き出した腹部・長く柔軟な腕・短足を特徴とします。顔面はPhyllostomidae(ヘラコウモリ科)を思わせる形状をしており、無数の小さく鋭い歯と、Bubo(ミミズク)の頭部の房に似た耳があります。対象は絶対的肉食動物です — SCP-1648-Aは豚肉のみ、SCP-1648-Bは牛肉のみを消化できます。対象は一時的に無機物を胃の中に保管することができます。 SCP-1648は炎や煙を吐くことによって排泄します。
SCP-1648-A、自称名“ザ・ハンチ”は藍色の毛皮を有しており、直立時の身長155cm、体重80kgです。SCP-1648-B、自称名“ザ・ハザード”は紫色の毛皮を有しており、直立時の身長199cm、体重95kgです。どちらの個体も暗灰色の山高帽を被っています。この帽子は取り除いても元の位置に再出現しますが、一旦外した帽子は観察されなくなるまで消失しません。SCP-1648はお互いに知り合いだと主張していますが、どの程度近しい関係かを定量化することができず、しばしば親戚の名前を列挙して説明を試みます。会話において、両個体はお互いの言葉を引き継ぐようにして発言を終えます。SCP-1648同士を大幅に引き離そうとすると、SCP-1648-AはSCP-1648-Bの腕の中に飛び込み、両者の毛皮が編み込まれて物理的分離が不可能になります。
SCP-1648は、提示されるほぼ全ての材質から機械を構築し、かつ機械構築の妨げとなるであろう障害物や状況を予知する能力を持っています。構築作業は無言ダンスのような形式を取り、材質が片方の個体からもう片方へと投げ渡されては組み立てられるという流れが、人間の目では(ハイスピードカメラ映像を使っても)捉え切れないほど高速かつ複雑に行われます。構築中のSCP-1648は、他の状況下では示すことができない極度の頑健さを実証しています。
SCP-1648-AとSCP-1648-Bは、機械の構築に用いる特定の材料を滅多に要求しません。両個体は生死の違いを理解していないようであり、ごく稀に生物やその一部を機械に組み込むことがあります。食料配給の量が過剰である場合は、その食物を機械に組み入れることもあります。
SCP-1648機械構築実験ログ抜粋
実験対象: SCP-1648-A および SCP-1648-B
実験: SCP-1648-Test-01
提供素材: 2×4インチのオーク材20本、アルミニウム100グラム、補聴器1個(実験開始前にSCP-1648-Bの胃から発見)
経過時間: 77秒
結果: 粗雑な造りのチェロ。466ヘルツの音色を約180デシベルで0.5秒間自動演奏した後、純然たる機械的ストレスのみで炎上した。
注記: SCP-1648は、この音が彼らの生まれ故郷で“アン(Un)”と呼ばれている歌の完全な再現だったと述べたが、対象に関する詳しい説明は行わなかった。SCP-1648は聴力喪失の概念を理解していないと思われ、無傷であった。実験: SCP-1648-Test-03
提供素材: 28台のレーシングカーの模型が入った段ボール箱1個
経過時間: 3秒
結果: N/A
注記: SCP-1648は提供素材を使って機械を構築することを拒絶した。実験: SCP-1648-Test-07
提供素材: リネン素材のシートを引いた鉄のケージに入っているダルメシアン犬1匹、鉛2kg、螺旋形CFL電球1.5個(具体的には“1個半”が要求された)
経過時間: 212秒
結果: リネン布のジャンプスーツの上に金属の外骨格を身につけた、頭部と尾を持たない6本足のダルメシアン犬。頭部の代わりにトースターのような機器が取り付けられており、これは焼いたパンを時速およそ1200kmで射出するように設計されていた。2本の余分な足の出所は不明。脳は胸に位置している。
注記: SCP-1648-AとSCP-1648-Bは速やかに、この生物が“マラキー”という名に反応する旨を通知した。
文書-1648-インタビューログ-11
回答者: SCP-1648-A、SCP-1648-B
質問者: ジュリオ・マーティンズ研究員
序: SCP-1648-AとSCP-1648-Bは実験07を終えたばかりである。
<記録開始>
マーティンズ研究員: 今回の作成物に関して何か伝えたいことはありますか?
SCP-1648-A: うーん、こいつは犬っていうよりかは
SCP-1648-B: 機械だな。骨格全体を
SCP-1648-A: 再設計してるんだ。ジャンプスーツは
SCP-1648-B: 外骨格が皮膚を刺激するのを
SCP-1648-A: 避けるために使ってる。
マーティンズ研究員: しかし、なぜ頭部と尾を除去してしまったのですか?
SCP-1648-B: 棒パンの発射には
SCP-1648-A: かなりの反動が
SCP-1648-B: 伴うんだ。うーん、俺たちゃそれを
SCP-1648-A: 安定化しなくちゃいけなかった。それで頭と
SCP-1648-B: 尻尾は邪魔になったんだ。あれは
SCP-1648-A: 障害物さ。
マーティンズ研究員: なぜ名前は“マラキー”なんです?
SCP-1648-B: 何か他に首無しの
SCP-1648-A: 犬を呼ぶ名前があるかい? うーん!
SCP-1648-B: うーん!
<記録終了>
結: “マラキー”はSCP-1648-Cに指定され、研究のためにSCP-1648-AとSCP-1648-Bからは引き離されました。翌朝、SCP-1648-Cは飢餓で死にかけている事が判明しました。これについて質問されたSCP-1648は“口がそんなに重要とは思わなかった”と説明しました。SCP-1648-Cは現在点滴に繋がれており、消化管の入口を特定する試みが進行中です。