SCP-1661-JP
rating: +56+x
blank.png

アイテム番号: SCP-1661-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1661-JPの物理的収容は不可能です。プロトコル・ロングバケーションに従い、ベリーマン式適性検査において20点以下を取得したレベル1クリアランス以下の財団職員から、ランダムに選ばれた██名を1ヶ月ごとにエリア-93に移送し、SCP-1661-JP-1への曝露を行ってください。

説明: SCP-1661-JPは特定内容の夢です。一度SCP-1661-JPの夢を見た人物(以後SCP-1661-JP-Aと表記)は、それ以外の夢を見る事が出来なくなります。SCP-1661-JP-Aは夢の中で鳥類1の姿に変化し、初回発生時はSCP-1661-JP-Aが卵の状態から始まります。SCP-1661-JP-Aは巨大な鳥(以後SCP-1661-JP-Bと表記)に温められて孵化し、SCP-1661-JP-Bを親鳥と認識するようになります。SCP-1661-JP-Aは巣の中で他のSCP-1661-JP-Aと共に生育され、SCP-1661-JP-Aはこの環境に強い多幸感を得ます。

SCP-1661-JPの発生後、SCP-1661-JP-Aは感情のコントロールが困難になります。その影響でSCP-1661-JP-Aは現実世界での生活に支障が発生し、周囲から孤立します。SCP-1661-JP-Aは夢に依存するようになり、睡眠時間が増えていきます。夢を見始めてからおよそ2週間が経過するとSCP-1661-JP-Aは成鳥となりますが、夢への依存の度合いに応じて羽に奇形が発生します。夢の中で成鳥となったSCP-1661-JP-AはSCP-1661-JP-Bに巣離れを促されますが、巣離れに成功した事例は確認されていません。SCP-1661-JP-Aは成鳥になってから1週間後に昏睡状態に陥り、現実世界で一切の反応を示さなくなります。

SCP-1661-JPの情景描写及び会話内容からSCP-1661-JP-Aは全て共通の夢を見ている事が判明しています。SCP-1661-JP内は夕焼けで固定された空と、地平線まで続くトウモロコシ畑と、そこに住むSCP-1661-JP-A群2で構成されています。SCP-1661-JP-Aの総数に応じてトウモロコシ畑は拡張を続けています。夕日の方角に向けて移動すると小さな丘があり、巣離れではその丘を越えるように伝えられます。

SCP-1661-JPの発生原因は不明です。SCP-1661-JP-Aに見られる共通点は、16歳以上の人物で肉体的または精神的に苦痛を感じる環境に置かれている事のみで、該当する対象の多さから初期対応は極めて困難です。20██年現在において昏睡中のSCP-1661-JP-Aは███体収容されています。

財団はオネイロイがオブジェクトの起源に関連していると推定し機動部隊オミクロン-ロー("ドリームチーム")によるオネイロイの調査を実施しました。調査の結果、最大規模のオネイロイ集団「オネイロイ・ウエスト」の一部に侵食し拡張中の「Imaginanimal」がSCP-1661-JPの情景描写と類似している事が判明しました。機動部隊オミクロン-ローによる調査は継続していますが、「Imaginanimal」は「オネイロイ・ウエスト」側からのアクセスを禁止しており、それ以上の情報は得られていません。

補遺1: 20██年3月、インターネット上でSCP-1661-JPに関連する広告(以後SCP-1661-JP-1と表記)が確認されるようになりました。SCP-1661-JP-1はSCP-1661-JPの情景と推定される夕焼けのトウモロコシ畑の画像で、一般的なインターネット広告に紛れて表示されます。SCP-1661-JP-1にはアクセス不能なURLにリンクが貼られており、リンク先へのアクセスを試みた人物はSCP-1661-JPの夢を見るようになります。SCP-1661-JP-1は肉体的または精神的な余裕が少ない人物ほど魅力的に感じ、リンク先にアクセスしようとする事が分かっています。

SCP-1661-JP-1の発見以降、SCP-1661-JP-1へのアクセス妨害でSCP-1661-JPの発生を完全に防ぐ事が可能となりました。SCP-1661-JP-1の発見と同時期にオネイロイ内で「Imaginanimal」が「オネイロイ・ウエスト」と交流を行った事が確認されており、それが異常性が発現する原因に何らかの影響を与えたと推定されています。

財団はDクラス職員を用いてSCP-1661-JP内の調査を試みていますが、Dクラス職員による実験では被験者が高ストレス環境に置かれる事となり、感情の制御が出来なくなるため有益な情報は得られていません。

補遺2: 財団はDクラス職員を利用した実験を断念しました。機動部隊オミクロン-ローにより、肉体的及び精神的苦痛の無い環境に置く事でSCP-1661-JPから安全に戻る事が可能ではないかと言う仮説が立てられ、機動部隊オミクロン-ローの志願者による実験3を行った所、昏睡状態に陥る事なく復帰する事に成功しました。また、感情的になる効果はSCP-1661-JPから脱出すると時間経過で元の状態に戻る事が確認されています。

機動部隊オミクロン-ローはSCP-1661-JP内の情景は過去の報告内容から変化が無い事を確認し、さらなる調査のためにSCP-1661-JP-Bとの対話を試みました。SCP-1661-JP-Bは調査に協力的な態度を示しています。

以下は機動部隊オミクロン-ロー構成員のAgt.斑鳩とSCP-1661-JP-Bの対話を抜粋4したものです。


会話ログ1

Agt.斑鳩: 質問したい事があるのですがいいですか。

SCP-1661-JP-B: 何でも聞いてちょうだい。

Agt.斑鳩: [SCP-1661-JP-Bが温めている卵を指さして]この卵はどこから来ているんですか?

SCP-1661-JP-B: その卵はね、寝ている人の心を詰め込んで、お母さんが産んだのよ。

Agt.斑鳩: 何でそんな事をしているんですか?

SCP-1661-JP-B: 傷ついた人の心を癒してあげようと思ってね。

Agt.斑鳩: 急に暴れたくなったりするんですけど、これは癒されているんですか?

SCP-1661-JP-B: 心の傷を埋めて赤ちゃんみたいに綺麗にしたの。ほら、あの空の夕焼けとか凄く感動しないかしら。

Agt.斑鳩: 子供の頃のような感覚が戻っているのは確かですけど。それで、癒した後は何でこの世界に閉じ込めてるんですか?

SCP-1661-JP-B: 閉じ込めてなんかいないわ。あなたも巣立ちに成功したら現実世界に戻るはずよ。

Agt.斑鳩: 巣立ちと言うのは、あの夕日の先にある丘を越えればいいと言う話でしたよね。

SCP-1661-JP-B: そう、あの先まで行けばオネイロイ・ウエストって所に出るはずだから、そこまで行けば目が覚めるはずよ。

Agt.斑鳩: 周りの人達は羽がおかしくなってますけど、あれでは巣立ち出来ないのでは?

SCP-1661-JP-B: あなたの羽はまっすぐ育ちそうだし巣立ちは成功すると思うんだけど、ここの子達は外の世界に出たくないから羽が歪んでしまったのよ。大体出て行くつもりがあるなら飛ばずに歩いてでも行けるはずじゃない。私はここの子達を閉じ込めているんじゃなくて守ってるのよ。

Agt.斑鳩: 守っているとは言いますが、そもそも傷を癒さなければ大体の人達は外の世界で生活出来ていましたよね。

SCP-1661-JP-B: この子達は傷に麻痺して傷付けられている事に気付いていなかっただけよ。これが正常なのよ。

Agt.斑鳩: 元の体が衰弱して行くのはいいんですか?

SCP-1661-JP-B: お母さんは体が駄目になるより心が駄目になる方が問題だと思うの。

[しばらく議論を行うが、議論がかみ合わず平行線となったため省略する。]


会話ログ2

SCP-1661-JP-B: お母さんね、今現実世界のインターネットに広告出してるんだけど辞めようかと思ってるの。

Agt.斑鳩: 今みたいにこの世界に人を連れてくるのを辞めるって事ですか?

SCP-1661-JP-B: それは続けるつもりよ。広告が無くても自由に連れてくる事は出来るもの。

Agt.斑鳩: 自由に連れてこれるなら何のために広告を出してたんですか?

SCP-1661-JP-B: オネイロイ・ウエストって所があるんだけど、そこの人に私が動かなくても自動で人が集まるからって強く広告を出すように勧められてね。お母さんインターネットとか良く分からないからお任せしたんだけど、広告出してからおかしいのよ。

Agt.斑鳩: おかしいとは?

SCP-1661-JP-B: 人が予定よりも集まらないし、最近来た子達は元の肉体の方が死んでしまう事が多いのよ。不思議じゃない?

Agt.斑鳩: 不思議ですね。

SCP-1661-JP-B: それにね、最近子供達と話してると凄く悪い組織に捕まってたって子ばかりなのよ。だから凄く精神的に傷ついてるのね。それが財団?とか言う組織らしくて。あなた聞いた事無い?

Agt.斑鳩: ちょっと分からないですね。

SCP-1661-JP-B: だからね、私がその財団?とか言う人達を直接集めて、愛情を注いで改心させてあげようと思ってるの。

Agt.斑鳩: 財団と言う人達を狙って連れてくる事は出来るんですか?

SCP-1661-JP-B: 似たような精神のグループを探せば簡単に引っかかるはずよ。

Agt.斑鳩: あー、すいません、ちょっといいですか。

SCP-1661-JP-B: 何かしら。

Agt.斑鳩: 実は私その財団の人間なんですよ。

SCP-1661-JP-B: あら、そうだったの。そこまで悪い子には見えないけど。

Agt.斑鳩: はい、愛情を注がれて改心しました。

SCP-1661-JP-B: うんうん、偉いわ。

Agt.斑鳩: ただ、財団を狙って連れてくるのは簡単と言いましたが、財団と言うのはそれはもう悪知恵の働く奴らの集まりなので、上手く逃げてしまうかもしれません。

SCP-1661-JP-B: それは困ったわ、どうしましょう。

Agt.斑鳩: なので、私があの広告を利用して財団の人を連れてきましょう。

SCP-1661-JP-B: 本当に?助かるわ!

当事案を受け、プロトコル・ロングバケーションが策定されました。


tobikomi.jpg

レジャー中に感情が高ぶり飛び込む対象者

プロトコル・ロングバケーション概要: プロトコル・ロングバケーションは、SCP-1661-JPへの曝露対象を選別し、安全にオブジェクトの影響から逃れるための措置です。プロトコル・ロングバケーションの実施により、オブジェクトの曝露で後遺症が残る事例は発生していません。SCP-1661-JPへの曝露対象は以下の2点を満たす人物からランダム567で選ばれます。

①.元々のストレス値が低く、楽天的な性格をしている
②.財団の業務上重要な役職に就いていない

①の人物はベリーマン式適性検査において20点以下の取得者が対象となります。②の人物はセキュリティクリアランスレベル1以下の職員8が対象となります。

オブジェクトによる悪影響を少しでも軽減するため、対象者に2ヶ月間の有給休暇を与え、財団管理の大型レジャー施設で構成されるエリア-93に移送9し希望するレジャーを自由に選ばせて下さい。エリア-93内でかかる費用は全て財団が負担します。

対象者はレジャー開始から1週間後にSCP-1661-JP-1の曝露が行われます。1日3回のバイタルチェックを行い、2日に1回精神科医のカウンセリングを受けさせてください。2ヶ月間の休暇を過ごした後は、対象者を元の職場に復帰させて下さい。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。