SCP-1662
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アイテム番号: SCP-1662

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全ての保管施設はSCP-1662実体の説明に一致する警察の報告を調査します。SCP-1662実体が確認された場合、最寄りの保管施設は回収を行い、サイト-19の長期的な移送まで一時収容します。

SCP-1662-Aから-Dはそれぞれ3m×3m×2.5mの大きさで厚さ8.8cmの透明なラミネート構造の装甲の部屋に収容します。それぞれの部屋には電子錠が取り付けられ、出口は1本の廊下に集結します。この廊下は4人の武装警備員によって巡回し、6時間毎に人員を交替します。警備員は収容違反の試みに備えて、大口径のショットガンと折りたためる警棒を武装します。

それぞれの実体は区切りへの出入りを防止するために、胴に施錠された金属の輪が取り付けられ、鍵はそれぞれ担当の警備員が所持しています。動物の実体またはSCP-1662-1実体がSCP-1662-Aから-Dの区切り内で発見された場合、それらは空間維持のために処分します。

実体は2週間毎に損傷の徴候を検査するために個別に点検を受けることになっています。実体の可動不能な箇所への損傷が見られる、または検査中に障害を訴えた場合、実体が受けた損傷は治療することになっています。

快適さのためにそれぞれの部屋にはベッドが1台備え付けられています。更に、良い行動または協力の報酬として2時間音楽を再生します。

説明: SCP-1662は"貧者達の郵便"として確認された実体総数不明の集団です。これら実体は自律性があり、ステンレス鋼線材の針金を人型に象っており、それぞれの身体には同じ名前を記した模様があります。実体は知性の徴候を示し、様々な言語に対する筆記能力と理解力を持ち、大抵は実体が居住する地域に基づき異なります。また実体は点、様々な形状、0から7の現時点では未翻訳の文書暗号の知識を有しており、これらは実体間での意思疎通に使用していると推測されています。実体間には身長、体型、構造上の損傷等の外観上の相違があります;しかし、全実体は方向が変更できる2つの節に分割された真っ直ぐで、区分された胴体を所有しています。

SCP-1662実体は未知の手段を通じてその地域で一般的なハト、ネズミ、リス等の様々な動物を作り、形容しづらい動きと振動による合図でそれら動物に命令、意思疎通することができます。これら動物はSCP-1662の仕切りから出てくるのが確認されましたが、製造方法そのものについては未だ確認できていません。彼らの行動性の異常にも関わらず、検死においてこれら動物の身体的異常は見られませんでした。

SCP-1662はこれら動物を利用し不特定の地域の日常生活を観察し、SCP-1662-1配達基準を満たした対象者を探します。一旦対象者を特定すると、これら動物はその対象者に対して未知の手段で印を付け、空間的分離に関係なく印の付いた対象者を見つけ出す能力を示します。それからSCP-1662は印の付いた対象者を追跡し、配達が終了するか、対象者が必要条件を満たさなくなるまで個人的にSCP-1662-1を配達しようと試みます。SCP-1662がSCP-1662-1自体を配達できない場合、動物がその場で配達を行う場合があります。

SCP-1662-1はSCP-1662によって保管され、他の対象者に配達される手紙です。現在までに回収されたSCP-1662-1実体は段ボール箱、封筒、マニラフォルダ、郵送用筒等の様々な容器で封がされ、通常通りに到着しました;その形状に関わらず、"貧者達の郵便"というラベルを除き返送用の住所がありませんでした。それぞれの手紙はテーマが不規則な類似した手書きのソネットが記されており、そのうち幾つかはテーマの特定はできませんでした。SCP-1662-1内の筆跡はSCP-1662実体間で一貫し、SCP-1662がSCP-1662-1を記したことを示唆します。

SCP-1662-1の配達は特定の傾向の必要条件があるように見えます:第1に、両対象者は都市において、手紙を受け取れるための家または職業がありません。一旦SCP-1662の実体が必要条件を満たした対象者を特定した場合、配達が終了するまで対象者に明らかな印を付けます。第2に、SCP-1662-1の受取人は影響を受けた対象者のみで、非受取人がSCP-1662-1を読んでも異常な副次効果は表れません。主文にかかわらず、SCP-1662-1の受取人は内容に希望を感じ、SCP-1662-1を読んだ後最高5週間は楽観の増加を経験します。更に、受取人の約95%はSCP-1662-1を読んだ1ヶ月後に職と家を見つけます。

SCP-1662実体はSCP-1662-1を配達するために足、自家用車、公共輸送機関を使って長距離移動するために1つの地域に長期間滞在しません。特定の地域に滞在する場合、SCP-1662は通常ホームレスのシェルターまたは一般的にホームレスが集まる地域に避難し、新しい目標を特定するために溶け込むと推測されます。SCP-1662実体は発声能力が欠如しているため、手紙の配達を除き対象者との接触は制限されていると推測しています。現在までに回収した実体は露出部を覆うためにコート、ブーツ、グローブ、帽子、マスク等の厚く重い装飾を身に纏い、隠し切れない部分には別の材料(最も一般的には包帯)を使用しました。実体毎に少なくとも衣類の1箇所、通常は胴体部の衣服の裏側に"貧者達の郵便"の単語が分かりやすく記されており、単語は実体が活動する地域の主要な言語で記されています。

実体: 2011/05/12時点にて、4体のSCP-1662実体が収容され、それぞれSCP-1662-Aから-Dと指定しました:

実体 回収詳細 体型 使用言語 追加メモ
SCP-1662-A 1994/03/07、エジプト・アラブ共和国███ █████で発見 身長1.6m、胴体幅44cm アラビア語 左足にプールキューとダクトテープがあります
SCP-1662-B 1997/11/02、日本██████で発見 身長1.9m、胴体幅30cm 日本語、北京語 右腕が使用不能
SCP-1662-C 2003/05/07、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国█████████で発見 身長1.83m、胴体幅42cm 英語、ドイツ語 N/A
SCP-1662-D 2011/05/12、カナダ██████で発見 身長1.8m、胴体幅35cm 英語、フランス語、北京語 明らかにSCP-1662-1と動物実体を生成する能力がありません;永住地で発見されました;"貧者達の郵便"のラベルがありません

SCP-1662-Dを除く、収容しているSCP-1662の全実体は意思疎通を嫌います;SCP-1662-Aから-Cと接触すると、各実体はSCP-1662について議論することを拒みます。これまでに明らかになった詳細はSCP-1662-Dの証言と、財団が回収した証拠に基づきます。この為、SCP-1662-Dの証言の信頼性は不確かです。

インタビュー1662-A: 騒音苦情の後、カナダ██████の集合住宅でSCP-1662-Dは発見されました。SCP-1662-Dは収容され、即座に███████博士によって尋問が行われました。

SCP-1662の性質により、SCP-1662-Dの返答はすべて筆記で、返答は彼らが書いたように複写しています。

SCP-1662-D: おいアンタ、なんのつもりだ?!オレは何もしちゃいねえ!

███████博士: どうか、落ち着いてください。私の名は███████博士、幾つか貴方に質問をします。

SCP-1662-D: 嫌だね!真夜中に家から引っ張りだしたと思ったら、オレに幾つか質問したいだと?!オレの方こそアンタに幾つか質問がしたいよ!!

███████博士: 私の質問に答えた後に、貴方には質問の機会が与えられます。私は貧者達の郵便について尋ねたいのです。

この時、SCP-1662-Dは約2分休止します。

SCP-1662-D: オレはヒッピーじゃない。

███████博士: 失礼?

SCP-1662-D: オレをイカれたビートニックなヒッピーと一緒にしないでくれ。

███████博士: 記録しておきます。その組織について何か教えてくれませんか?

SCP-1662-D: 何の組織だって?

███████博士: 貧者達の郵便についてですが、違うのですか?

SCP-1662-Dは返答する前に聞こえないように笑う仕草をします。

SCP-1662-D: アンタ、面白いな。その考えは間違ってるぜ。

███████博士: 詳しくお願いできますか?

SCP-1662-D: オレたちは目的を探す鉄の郵便屋の集まりだ。組織だったことなんて無い。

███████博士: それではどのようにして何をすべきか知るのですか?先天的なものなのですか?

SCP-1662-D: まあそうだな、小さなクラブから始まることもあれば、伝説に沿った場合もある。モーリス、ダンテ、セバスチャンが全ての始まりだ。それから彼らは別れ、オレたちの集まりが始まったとされている。今は彼らはただ実行するだけだ、元と同じ名前でな。

███████博士: それでは貴方は示した3つのような名前なのですか?

SCP-1662-D: そりゃ俺が奇妙なワイヤー野郎だって意味か?

███████博士: ええ。

SCP-1662-D: ああ。だけど、オレは全員同じように見えると聞いた。オレたちに何が起きたかは知らねえ。

███████博士: それと貴方は貧者達の郵便と一緒にしないでくれと言いましたよね?

SCP-1662-D: ああそうだ。世界中を歩くよりもマシなことを世界平和のためにやっている。オレは仕事を手にしたんだ、それにHBOも。

███████博士: 仕事ですか?

SCP-1662-D: ゴミ集めだ。

この時、███████博士は発言内容をすべて記すために数分経過します。███████博士が筆記をしている1分間、SCP-1662-Dは会話を再開します。

SCP-1662-D: 今度はオレが質問してもいいか?

███████博士: 答えられるかは約束できませんが、どうぞ。

SCP-1662-D: もう帰ってもいいよな?

███████博士: それはできません。

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