SCP-1673-JP
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SCP-1673-JP事象発生後の██温泉

アイテム番号: SCP-1673-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1673-JPはその性質上、収容が極めて困難です。SCP-1673-JPに関連したインターネット上の情報は財団ウェブクローラによって監視され、関係者を特定した後に記憶処理を行います。SCP-1673-JP出現地域が特定された場合、機動部隊ゆ-11("番頭")が派遣され当該地域に於けるカバーストーリーの流布と目撃者の捜索を行います。

説明: SCP-1673-JPは日本国内の露天風呂付き温泉施設に不定期で出現する、壮年期のコーカソイドの外見を持った人型実体とそれによって引き起こされる異常事象の総称です。

SCP-1673-JPは当該施設の男性脱衣所に杖を持った状態で現れます。その後、不明な言語1による発声を繰り返し行いながら周囲の人間を自身の列に加えていき、最も近くにある露天風呂までの道程を進みます。

SCP-1673-JPとその列に加わった人間(以下、対象者と呼称)が露天風呂に辿り着くと、SCP-1673-JPは叫び声を上げながら杖を振り上げます。この動作に合わせて出所不明の轟音と共に露天風呂の湯面が2つに別れ、その割れ目に地下へと続く道が現れます。SCP-1673-JPと対象者がこの道を降りて行き、周囲の人間や録画機器から認識されなくなった時点で全ての異常は消失します。

SCP-1673-JPの発声は聴者に対して精神影響を引き起こす可能性が示唆されています。現時点で報告されているSCP-1673-JP事象のほぼ全ての事例に於いて、目撃者の80%以上がSCP-1673-JPの発声を認識していなかったという統計結果もあり、この仮説は有力視されています。

なお、上記の説明は目撃者の証言を基に作成されたものであり、担当研究チームは現在までSCP-1673-JPの直接的な観測に成功していない事に留意してください。

補遺: 1 インタビュー記録 - 1673-JP - 日付2016/11/18

以下は群馬県██町の共同浴場█████で初めてSCP-1673-JPの存在が財団に認知された際、当該事象の目撃者に対して行われたインタビューの記録です。

対象: 荻久保 健次(SCP-1673-JP事象の目撃者。以下、荻久保氏)

インタビュアー: 伏原研究員(以下、インタビュアー)

付記: 荻久保氏にはこのインタビューが警察の事情聴取である旨を伝えている。目撃者は荻久保氏以外にも存在したが、SCP-1673-JPの精神影響が軽度であり、かつSCP-1673-JP事象の詳細な情報を保持している事が判明したため対象に選別された。


<記録開始>

インタビュアー: それでは聴取を開始します。荻久保さん、よろしくお願いします。

荻久保氏: ああ、よろしく。

インタビュアー: だいぶ落ち着きましたか。

荻久保氏: あんなことがあった後では中々ね。まだちょっと興奮してるよ。

インタビュアー: そうですか。焦らずゆっくりでいいので私の質問に答えて貰えば結構です。ではまず、あの大浴場で初めに何が起こったのか教えてください。

荻久保氏: [数秒沈黙]確かあの時、俺は髪を洗ってたんだ。そうだ、そしたら後ろで誰かが知らない言葉で喋ってるのが聞こえて、振り返ったら白人の爺さんが周りの奴ら何人も引き連れて歩いてたんだな。

インタビュアー: なるほど。

荻久保氏: その時はなんだこいつ、って思ったんだけどさ。一番不思議だったのは、爺さんの喋ってる言葉が何語かさえ分からないのに、何となく言ってることの意味は理解できたんだよね。

インタビュアー: どういういうことでしょうか?

荻久保氏: 簡単に言うと、聴こえてくる言葉とは別にその意味だけが自分の脳内に響いてくる、的な?信じてもらえないかも知れないけどそんな感じかな。

インタビュアー: いえ、信じます。どんな内容だったか覚えていますか?

荻久保氏: これは乱暴な言い方だけど、自分は約束の地に向かうから皆も付いてこい、的な意味だった。それが何だか妙に心地良い響きでさ、俺も危うく地下に連れ去られるところだった。

インタビュアー: しかし現に貴方は付いて行かなかった。何故ですか?

荻久保氏: いや、興味本位で露天風呂までは付いて行ったんだけどね。外の冷たい空気に当てられたら、急に冷静になってさ。もしかしたら、自分はのぼせて無かったっていうのも大きいのかな。湯に浸かってた奴らは最後まで爺さんに付いて行ってたし。

インタビュアー: 参考にさせて頂きます。他には何かありますか?

荻久保氏: [数秒沈黙]そういえばあの爺さん、約束の地の事を湯と硫黄の流れる地とも言ってたな。お湯はともかく、硫黄だらけの場所なんてロクなもんじゃ無さそうだけどね。

[以降は荻久保氏により、SCP-1673-JPと対象者が消失するまでの詳細な状況説明が続く]

<記録終了>


<特記事項> 荻久保氏には記憶処理が行われた後、解放された。インタビュー後に実施された██町全域を対象とする地下への物理探査では、消失したSCP-1673-JPと対象者の所在及び大規模な地下空間が存在する証拠は発見されなかった。

補遺: 2 事案 - 1673-JP - 日付2018/12/09

静岡県██市██温泉にて、ローカルTV局███の温泉番組を収録していた女子アナウンサーの石堂 三羽子(当時29歳)と同局カメラマンの木林 浩司(当時44歳)が滞在中の██旅館での撮影中に行方不明となる事案が発生しました。同日中に財団ウェブクローラによってSCP-1673-JPとの関連が指摘され、機動部隊ゆ-11("番頭")が即時派遣された後、現地にてSCP-1673-JP事象の発生を確認。カバーストーリー「駆け落ち」を適用して事態を早期に収束させました。

同日深夜、██旅館の源泉ポンプが動作不良を起こしました。管理会社の作業員に偽装した機動部隊ゆ-11("番頭")が原因を調査した結果、直径0.2 m程の球状の湯花2に包まれたP2カードが源泉ポンプ内部から発見されました。湯花と接触し、かつ高温の源泉に晒されていたにも関わらず一切の腐食や破損が生じていなかった点は特筆すべきです。

以下はP2カードに記録されていた映像記録の抜粋です。現在、これら映像記録の研究はSCP-1673-JPの安全な収容プロトコルの確立、及び異常性の全容を解明する上で必要不可欠なものと見なされており最優先事項に設定されています。

この事案以降、新たなSCP-1673-JP事象の発生は確認されていません。
SCP-1673-JP及び木林氏の行方は現在も不明です。映像内の領域の所在も含めて、機動部隊ゆ-11("番頭")による捜索は継続されます。

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