アイテム番号: SCP-1675-JP
オブジェクトクラス: Ticonderoga
特別収容プロトコル: SCP-1675-JPの収容は不可能です。SCP-1675-JPの異常性によって引き起こされる作用を定期的に観測することで、SCP-1675-JPに何らかの変化が起きていないかを間接的に観測します。
説明: SCP-1675-JPは地球の内核に存在する何らかの実体、あるいは地球の内核そのものが有する異常性です。SCP-1675-JPは200█/██/██、物資輸送の手違いにより月面サイト-17にハルトマン霊体撮影機が持ち込まれたことをきっかけに存在が示唆されました。通常では使用されるべきではないものの、月面サイト-17の職員達は業務中の気分転換としてハルトマン霊体撮影機を用いて地球を撮影しました。この際、地球から月に向かうような軌道で飛翔する霊的実体が観測され、さらに観測を重ねた結果、無数の霊的実体が太陽の重力圏を脱出する軌道で地球から宇宙空間に放たれていることが判明しました。
先述の事例を受け、地球上での大規模な定点観測が行われました。観測の結果、生物の遺留子が死後に霊素と結合し霊的実体となった際、霊的実体は質量を持たないために生前よりも明らかに重力の影響を受けない一方、生前まで受けていた地球の自転、公転による慣性の影響は受けるため地表に留まることが出来ず宇宙空間に放たれることが判明しました。本来、霊素は霊素張力により質量を持たなくとも地表付近に存在することが可能ですが、霊的実体発生時のエクトプラズム化の際に霊素張力が失われることが観測結果から推察されています。ただし、一定範囲内での霊素濃度の領域下で霊的実体となった場合、SCP-1675-JPの影響により地面に引っ張られるようにして留まることが可能です。またこの際、土地の霊的特性や遺留子情報等の複合的な要因により民間伝承におけるいわゆる「地縛霊」、もしくは「浮遊霊」に分化することが確認されています。
一定範囲を超えて霊素濃度が高い領域下において発生した霊的実体は地上に留まることなく沈んでいくように観測されました。この際に見られる霊的実体の顕著な行動として、空気中の霊素に掴まるようにして地上に留まろうと試みることや霊素をかき分けて浮上するように試みることが挙げられます。しかしどのような行動を取ろうとも、最終的には地中に完全に沈むことは共通しています。この現象を地球上の複数地点で観測したところ、霊的実体の地中への侵入角度から地球の内核に霊素及びエクトプラズムと強く関連するアノマリーが存在する、もしくは内核そのものがそのようなアノマリーであることが示唆され、これをSCP-1675-JPと定義しました。SCP-1675-JPは霊的実体の霊素濃度に応じて霊的実体を自身に引き寄せる働きをしており、地球に霊的実体が留まることを可能とします。ただし、地表に留まるために都合のよい霊素濃度の範囲は非常に狭いため、地表付近で観測可能な霊的実体は地球に存在する霊的実体のごく一部であり、多くは互いに重なり合いながら地球内核に存在するものと考えられています。









