アイテム番号: SCP-1683
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 許可された実験を目的とする場合を除き、SCP-1683への立ち入りは禁止され、また、部屋に通じる廊下は警備員によって監視することになっています。Dクラス職員のみSCP-1683への立ち入りが許可されます。SCP-1683を有する住居の周辺の建物は、円滑な収容のため財団によって取得され、一括して収容サイト-142として用いられます。毒性化学物質を除去するために継続して保守作業が行われるというカバーストーリーが、SCP-1683の異常特性がこれ以上に発達しない限りは実行されます。
いかなる目的であっても、Dクラス職員をSCP-1683内に入れる際は、必ず全ての現地職員は航空機技術者と同じグレードの聴覚保護具を着用の上、SCP-1683から少なくとも20 mは離れる必要があります。
説明: SCP-1683は子供の寝室で、アメリカ、オハイオ州クリーブランドの、2階建て住宅の2階に存在します。SCP-1683には、備え付けのベッド1台、ドレッサー1台、望遠鏡1台、黒く塗装され、発光性の宇宙をテーマとしたステッカーで覆われた天井と壁、そして、1971年時点での天文学と宇宙探査に関連した、数十のポスターと書籍が置かれている本棚が5台、なお、住居の2階には一切窓がありません。解析からステッカーが、1971年時点で知られていたものに限られるものの、多くの恒星系と、惑星の位置を正確にマップしていることが示されています。
SCP-1683に入った被験者は、即座に、かつ永続的に、天文学に対して感じる魅力が増大します1。通常は、被験者はSCP-1683内のステッカーを観察しはじめ、さらにステッカーと書籍の記述を比較します。この行動は、識字率の低い被験者においても発生します。被験者がステッカーの観察を続けるにつれ、ステッカーはその時SCP-1683上の空に見えうる全ての恒星、惑星、小惑星を正確に表現する配置を取ります。この現象は、日中の観察時、あるいは天文学的観測をさまたげる天候現象中ですらも継続します。ステッカーの配置は、生きている人間によって直接観察されている間2 は変化し続けます。
視力のある人間3が望遠鏡と皮膚接触した時、SCP-1683が活性化します。活性化の間、SCP-1683の扉は約0.04秒以内にひとりでに閉じます。扉が閉じる力は正確には測定されていませんが、入口を跨いで配置されたコンクリートブロックと鋼桁を破壊するのには十分であることが証明されています4。それ以降、SCP-1683の活性化が終了するまで、扉を外部から再び開けることは不可能です。SCP-1683内の人物が内部から扉を開けることが可能かどうかはわかっていません。
SCP-1683が自律的に密閉された後、人の声による10から1までのカウントダウンが、約75 dBの音量で聞こえます。 音声分析では、発声者は活性化イベントを引き起こした被験者であると識別されます5。活性化イベントを引き起こした被験者を物理的に発声不能にした場合では、カウントダウン音声はアポロ13号打ち上げのラジオ録音と同一になります。活性化イベント中にSCP-1683内を録画した全ての映像は、アポロ13号打ち上げのテレビ放送と同一になります。
カウントダウン終了時に、SCP-1683と部屋に通じる廊下は急速に3300 ℃に加熱され6、その間アポロ13号の離昇時と同一の音7が聞こえます。SCP-1683の半径約15 m以内ではこの音が聞こえ、それより外側では突然聞こえなくなります。
活性化イベントの開始から2分後、未確認飛行物体が地上約2,400 kmにおいて、約33 km/sで飛び去るのが検出されます。
活性化イベントから20分後、部屋に通じる廊下の温度がイベント前の状態に戻り、SCP-1683への扉が再び開けられるようになります。SCP-1683内の人物は全て消え、ステッカーは初期配置に戻り、書籍とポスターは全て本棚の元あった場所に戻ります。
Dクラス職員によってSCP-1683に持ち込まれた異物は、活性化イベントによる影響を受けず、その後回収可能ですが、例外に1971年よりも後に出版された天文学の書籍、Dクラス職員が着用した衣類、そして生きたイヌ(Canis lupus familiaris)があります。 占星術の書籍は火炎による深刻な損傷を受けます。科学的根拠のない天文学的推測を含む「ニューエイジ」系の書籍も同様です。
SCP-1683は、SCP-1683の効果を詳細に記述した一連の警察報告書に続いて、1971年に発見されました。SCP-1683を有する住居にもともと居住していた人物(2人の親と1人の男児からなる家族)は、最初に記録された活性化イベントの直前に失踪しています。近所の住民は、息子が天文学と宇宙探査に深い関心を持っており、ほとんどの時間をその勉強に費やしていると供述しました。この人物がSCP-1683の効果を起動したと現在考えられていますが、どのように行ったかは不明です。全ての目撃者は、該当の人物との関連性に応じて、クラスCからBの記憶処理を受けています。
1976年8月19日現在、SCP-1683はSafeとして分類されています。
補遺: SCP-1683の探索時、地球から月へのルート計画を表す文書がノートの中から発見されました。この文書は非常に擦り切れており、消しゴムの跡や修正があります。これらは発見前に大きな変更が数回あったことを示しています。さらに、以下の文章が反対側から発見されました。
人類は大きな飛躍をとげているというのに、なんで僕はまだこんなところで時間をムダにしているんだろう?明日が待ってるんだ、準備は万端だ。望遠鏡はセットしたし、星たちがそこで見てる。僕もすぐ見る
補遺: 2008年9月18日、土星軌道を周回中の財団衛星は、SCP-1683に関連すると考えられる送信信号を受信しました。
ハロー?僕の声聞こえますか?あの人達帰らせてください。他の人を [雑音] 人ですよね?どうやってそれが動作してるか知ってますよね、なら [雑音] 何かいじっちゃってたら、[雑音] お願いなんです、ちゃんと聞いて、かえ-
(2分間の伝達信号は解読できない)
- 海王星でもダメ。そいつら [雑音] -なくて、場違いなんです。皆さん中には [雑音] -ってわかるしそれはいいんだけど、あと犬は- [雑音] -もうちの親間違って [雑音] ちゃって、ほんとすいませ- [雑音] -らせてあげてください、お願いです。また自分を傷つける前に。