SCP-1687
評価: +4+x

アイテム番号: SCP-1687

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1687はサイト19の厳重保管庫の施錠されたバイオリンケースに収容されています。接触する非Dクラス職員は音痴であることが要求されます。SCP-1687の実験を担当するDクラスは少なくとも古典的な弦楽器を最低限の演奏ができる実力でなければなりません。

SCP-1687との接続または別の影響を受けた楽器は、長期の保存とSCP-1687の長期間研究をするためにそれぞれ型の楽器から1つを除き、全て隔離及び破壊されます。

説明: SCP-1687は起源と年齢が判明していないバイオリンです。基本状態はf字孔が欠け、ネックの一部にはひびが湧いており、腸線を使った弦はすり減っていて大きな破損があるように見えます。この状態で演奏すると楽器の見た目通りに音の品質はとても悪いです。

しかし、他の楽器と同時に演奏すると直接関わっている他の楽器の数、演奏時間、演奏の品質に合わせて自身を修繕します。SCP-1687の修繕具合に合わせて音の質も同時に良くなります。完全なオペラ・オーケストラの一部として使われると、SCP-1687は演奏17分以内で基本状態から世界レベル1にまで改善させます。一旦SCP-1687が演奏をやめると、速やかに基本状態へと戻り、完全に修繕された状態から崩壊するまで最大で370時間掛かります。

SCP-1687と演奏または直接並べられた2楽器はその"音楽性"を失います。十分に影響を受けた楽器を演奏する試みは、奏でられた音をコンピュータでの超音波分析によって音楽と解析できても生物は音楽とは認識しません。実験したヒト、類人猿、イヌ、クジラ、ハチ、植物の全てにおいて影響を受けた楽器の音とホワイトノイズ発生器で出る音の違いを識別できませんでした。この影響は実験被験者が他の楽器から奏でられた音楽を聞いて楽しめることができることから、楽器自体に局所化されているように見えます。

以下のレビュー(抜粋)が公表された後、██████・シンフォニー・オーケストラから多数の影響を受けた楽器と共にSCP-1687は回収されました:

フィガロの死

████年8月23日
リチャード・セント・ジェームズ

昨晩の██████・シンフォニー・オーケストラの舞台は音楽の殺人としか表現しようがありません。

失われたストラディバリウスと称された初演奏はひどく、否、明らかにこれまで聞いた中で最も陳腐で心ない背景音を届けようという演奏家全ての強調した努力によって破壊されました。[…]静けさが必要とされている、バイオリンソロによって観衆の敬虔な沈黙は消えてなくなり、残りのオーケストラが、まるで耳障りな音を単純にめちゃめちゃに混ぜあわせたような"演奏"(これでも穏やかな表現と言えます)をしたことで音楽の作法とプロフェッショナリズムのすべてのしきたりがあざ笑われ、礼節がすべて失われる恐ろしい場面になりました。この不快な衝撃を受けた威厳のある婦人から若いカップルに至るまでが演奏家たちの滑稽な演奏を止めるように要求し、劇場に対して払い戻しの要求を急ぎました。言うまでもなく、評論家たちも彼らに加わり、彼らはプロフェッショナリズムの完全な欠如に言葉もでなくなりました。

[…]

評論家は、今回のシーズン・オープニングが克服するのが難しい災害であると断言しなければならないことに非常に失望しています。純粋だった瞬間は失われたストラディバリウスから発せられた音のみで、その名前が示す通りの美しい演奏でした。もしオーケストラがこの途方もなくひどいオープニングから評判を回復する気があるのなら、すべての演奏家は傷めつけられた観衆に対して謝罪する必要があります。この評論家、私個人としてはオーケストラがこの演奏によって散布された危機から回復することを望んでいます。

バイオリン・ソリストである███ ███████とのインタビューで、SCP-1687は匿名の後援者から"上手に演奏し音楽の流れを維持してください。"というメモとともに送られたことが判明しました。3███████氏は更にSCP-1687が財団の興味を引いた演奏前の無垢な状態であると主張しました。

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