SCP-1691
評価: -5+x

アイテム番号: SCP-1691

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1691は5x5x5mの密閉された部屋で保管されます。部屋は常にカメラによって監視され、予期せぬ出来事があった場合は即刻報告しなければなりません。許可のない限り、職員は常にSCP-1691に入るべきではありません。事例1691-1により、SCP-1691には絶対に入ってはいけません。二人の武装した警備員が常に部屋の外に配備されます。彼らは部屋の中で起こった予期せぬ出来事にのみ使用する無線トランシーバーを持つべきです。早期警報システムとして、部屋の内部に圧力板を設置します。

説明: SCP-1691は回転扉です。枠は鉄で出来ていますが、回転扉の羽は、ガラスから鏡に置き換わっています。SCP-1691は四枚の羽それぞれに、二枚の鏡が常に反射面を見せるように背中合わせで取り付けられています。反射像は、割れた一枚の鏡を除いては、綺麗かつ歪みのないものです。損傷は激しいにも関わらず、鏡の破片を取り除く試みは全て失敗に終わっています。

被験者が入口の反対側へ通り抜けると、円を描くように入口へ戻ってくるように見えるでしょう。しかし、これがそうでないことは明白に分かるでしょう。その最も明白な兆候の内の一つが、書面を用いた場合です。それは鏡像となります(こちら側に戻される前の性質を保持したまま)。しかし、位置、フォント、大きさ、等といったその他の点では、こちら側にある場合と変わりません。あらゆるものが反転します。右利きの人は左利きとなり、コインに彫られた顔は逆の方向を向き、自動車は道路の逆側を運転するように国から期待されているものになる……等。全ての人々(今後SCP-1691-1と呼ぶ)は、外見のみが違っていて、場所や歴史は我々のものと同じであると信じられています。仮説に反し、SCP-1691-1の話し言葉は我々のものと同一で、歪みは見受けられないと記録されました。

観察できる範囲では、扉の向こう側には、こちらと等しい数の人々と世界のドッペルゲンガーが住んでいます。不幸なことに、実験で用いた被験者は全て、反転したドッペルゲンガーをこちらの世界へ侵入させる結果となっています。初め、技術的な理由でSCP-1691-1を外部に持ち出すことに抵抗感がありました。しかし、ドッペルゲンガーはまた戻るだろう、そしてわずかなデータを得るために、それは訂正されました。事例1691-1が起こる前に一度、監視された状態で施設の外に出ることを許可されました。その結果引き起こされた出来事により、その試みは中止され、厳戒態勢が敷かれました。

事件-1691-1

関係するSCP: SCP-1691、SCP-1691-1
関係する人物: D-9237、Dr. █████████
日時: ████/██/██
場所: ████ ██、█████████ █████

詳細: ████/██/██、街や集落に近づかないという条件で、監視された状態でのD-9237のコピーであるSCP-1691-1の外出が認められました。SCP-1691-1は、あらゆる無加工の写真、SCP財団やその他の機密情報以外の情報を与えられることになっていました。SCP-1691-1は、D-9237がSCP-1691に入ったことにより出現しました。SCP-1691-1は初めにX線撮影をされ、内臓が反転(内臓逆位)していることが発見されました。

検査後、外出する前にSCP-1691-1は目隠しされ、口をふさがれ、拘束され、さらに耳栓をつけられ、密閉された部屋の外にいる間中ずっと、拘束された状態のままでした(鎮静剤を使うことも提案されましたが、SCP-1691-1の内部の化学作用――すなわち、分子が反対側とキラルであるかどうか(訳注:鏡像体と元の分子を重ねたとき、それらが重ならないことを、その分子はキラルであるという)――の理解が欠けてしまうため、研究員は事例SCP-1691-1において精神安定剤は正常な結果をもたらさないと断定しました。その代わり、事実上能力と感覚を抑えることは、別の方法で可能です)。その結果、SCP-1691-1がSCP-1691に戻る前に、短い間物思いにふけることを意図した写真や情報を得ることが認められました。施設から離れた後、SCP-1691-1は█km離れた████へ連れられました。拘束を解かれた後、SCP-1691-1は手錠を手首と足首に付けられた状態での、動植物の様々な調査、そして写真と標本を見ることを許されました。何人かの武装警備員が、その間SCP-1691-1を囲んでいました。SCP-1691-1は無事に施設へ戻りました。

しかし、密閉室に戻っている最中、SCP-████の小さな警備ミスが発生しました。軽微の死者でそれが解決される間に、SCP-1691-1は殺害されました。同じことがD-9237にも起こったと仮定され、事例SCP-1691-1で要請されていた情報が集められ、SCP-1691-1の死体とともにSCP-1691に入れられました。

予想に反して、D-9237は生きていて、鏡写しとなった財団に与えられた情報とともに戻ってきました。SCP-1691の中の財団に、敵対行為として解釈されたのだろうと気付き、少し後、ネゴシエーターとして████████博士をSCP-1691の中へ派遣しました。

このとき、SCP-1691の中からSCP-1691-1は出現しませんでした。

D-9237から回収された写真は、SCP-1691の向こうの完全に反転した自然物であると確認されましたが、████████博士のドッペルゲンガーの欠落についての疑問が発生しました。

████████博士は十分後、無事に帰還しました。

SCP-1691の中は未知となっており、私たちの世界と同調不和を起こしていました。初めの重要でない観測誤差が、より広い範囲での変化を予防できなかったのです。SCP-1691は予測できなくなりました。おそらく、以前は扉を通じて、行動が相互作用していたのでしょうが、その安全装置が外されたのでしょう。事例SCP-1691-1の挑発行動と、様々な不必要であるSCP-1691と私たちの世界の間の相互作用を避けるために、実験は中止されました。

研究者はSCP-1691の担当から解任されました。

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