SCP-170-DE
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機動部隊DE15-𝔖のトーネードIDSのカメラから撮影されたSCP-170-DE-D

アイテム番号: SCP-170-DE

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-170-DEの位置は、周辺領域500m以内の航空交通を禁止するために、最寄りの気象観測所に危険な領域として報告されるべきです。さらに、SCP-170-DEが現在どこにいても、担当の職員は飛行禁止区域を設定し、 待機している空軍を用いて全ての航空機を遠ざけておくべきです。現在、SCP-170-DEは絶えず位置を変化させているため、衛星-DE-12-アルファおよび機動部隊DE15-𝔖 (惑星 "ファルコン・アイ")1で監視されています。

説明: SCP-170-DEは対流圏に住まう存在です。それは一見すると多毛積乱雲(Cumulonimbus capillatus)に似ていますが、非常に平らで黒い色をしています。SCP-170-DEは通常、雲の表面に留まっており、そこで新たな犠牲者を待ち伏せています。SCP-170-DEの犠牲者は普通の旅客機からヘリコプターまで多岐に渡ります。これらの機体のうち一機がSCP-170-DEから2km以内にある場合、SCP-170-DEは飛行物体の真下かあるいは真上の位置になるまで、毎時800kmの速度でその機体の追跡を始めます。それが飛行物体の真下あるいは真上の位置にきた後は、SCP-170-DEから伸び出る触手がその飛行物体を捕らえます。触手が飛行物体を巻き付けるのに成功すると、それはSCP-170-DEの中に引きずり込まれます。これまでのところ、SCP-170-DEの触手の十分なサンプルを確保することは出来ておらず、現在まで意味のあるテストには成功していません。SCP-170-DEは、近くに飛行物体がない場合でも動きます。

これまでに、合計16体のSCP-170-DEが発見されています。それぞれの個体はSCP-170-DE-AからSCP-170-DE-Pとして登録されました。SCP-170-DEの個体は、ある種の領土的な思考を持っているため、彼らに接近する全ての飛行物体に攻撃するのだと考えられています。SCP-170-DE-CとSCP-170-DE-Dがいかにして争ったかについて観察されました。その争いの間、個々の個体の触手がどのくらい素早く、あちこちに揺れたかが観察されました。両個体のどちらかがこの争いに「勝った」わけではありません。そのことについては、SCP-170-DE-FとSCP-170-DE-Aがどのようにして、その後の戦闘行為を引き起こすことなしに接近したかが文書化されています。これはSCP-170-DE-CとSCP-170-DE-Fの場合でも観察可能です。一部のSCP-170-DE個体は、互いに一定の関係性を持っていると考えられています。

発見されたもの: SCP-170-DEは、建設資材を輸送中の機動部隊DE15-𝔖によって偶然発見されました。輸送機の護衛は、SCP-170-DEが機体に向かって移動した後に攻撃しました。その護衛はSCP-170-DEに捕らえられ、その中へ引き込まれました。機体がもはや見えなくなった後、通信が中断しました。

付録170-DE-1:
これは記録されたテスト飛行の音声ログです。

音声ログ1

前書き: 機動部隊のパイロットは「ユーロファイター・タイフーン」2で、SCP-170-DE-DEの現在の位置へ送られました。

カール博士: よし、何か見えるだろうか?

機動部隊パイロット: ええ、見えていると思います。

カール博士: いいぞ、どれくらいそれと離れているか教えてくれるか?

機動部隊パイロット: 推定では300mです。

カール博士: どれくらい上空にいるか教えてくれるか?

機動部隊パイロット: ええ、ちょっと待って下さい……現在5,12kmの高さにいます。

カール博士: SCP-170-DE-Dはあなたのどれくらい下に位置している?

機動部隊パイロット: 推定では130mです。

カール博士: SCP-170-DE-Dを攻撃できるか?

機動部隊パイロット: 了解。

数発の発射音とロケット弾の発砲音が聞こえる。

カール博士: 反応はあったか?

機動部隊パイロット: ありません……しかしやつはロケット弾に手を伸ばして自身の内へ引きずり込みました……

カール博士: ありがとう。ご苦労だった。基地へ帰還してくれ。

機動部隊パイロット: 了解。

付録170-DE-2:
これはSCP-170-DEの個体に対して行われた実験のリストです。

内容 手順 結果
SCP-170-DEの触手を破壊する。 2機のF-1043が現在のSCP-170-DE-Hの位置まで飛行した。機体の1機がSCP-170-DE-Hの上方15mでロケット弾を発射した。SCP-170-DE-Hはロケット弾へ手を伸ばした。ロケット弾はそのままSCP-170-DE-Hの触手に着弾した。触手の1つは目に見えてぼろぼろに引き裂かれたが、SCP-170-DE-Hは高速でF-104の一方に接近し、4本の触手で機体を捕らえた。もう一方の機体は何とか逃れることができた。 SCP-170-DE-Hの触手は破壊可能である。しかし同時に、それが原因でSCP-170-DE-Hは激怒し、周囲600m以内の全ての飛行物体を攻撃する(このテストはしばしば実施された)。
SCP-170-DEの触手の範囲を調査する。 1機のMiG-294がSCP-170-DE-Lの位置まで飛行した。機体はSCP-170-DE-Lのすぐ近くに突入した。SCP-170-DE-Lの触手が機体を捕らえるまで、SCP-170-DE-Lは5分間、機体を追跡した。パイロットによると、機体とSCP-170-DE-Lの間の距離は200mだった。パイロットは射出座席5で何とか無事に脱出した。 SCP-170-DE-Lの触手の範囲は未だ不明だが、およそ600mから1,2kmであると推定される。

補遺170-DE-1:
ここでは事件170-1-DEについて詳しく説明します。この事件は、財団のヘリコプターがSCP-170-DE-Fを観察していた時に発生しました。

12:01:09: シュプレーヴァルト6に霧が発生。

12:02:01: SCP-170-DE-Fは雲の中に沁み込んでいるように見える。

12:02:56: SCP-170-DE-Fが雲の底にいるのが見える。

12:03:04: SCP-170-DE-Fが雲から離れ始め、霧の中へ降りていく。

12:04:12: SCP-170-DE-Fは霧の中にいて動かない。

12:23:34: 2匹の鹿がSCP-170-DE-Fの側を通過した。SCP-170-DE-Fは、2本の触手でその2頭を取り込んだ。

12:56:20: SCP-170-DE-Fは、霧が晴れ始めると同時に動き始めた。

12:58:11: 霧はますます晴れ、SCP-170-DE-Fの姿はほぼ完全に見えている。

12:59:08: SCP-170-DE-Fは再び、元いた雲の中へ戻る。

13:02:42: SCP-170-DE-Fは再び、雲の表面にいるのが見える。

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