SCP-1708-JP
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アイテム番号: SCP-1708-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 現在までに確保された全ての改変済みのSCP-1708-JPは低脅威物品収容ロッカーに収容されます。未改変のSCP-1708-JPの場合は外部から視認することが不可能な状態で中型危険物収容ロッカーに収容されます。当該実例の収容・実験に携わる職員はその異常性から、3名までとの制限が設けられ、視認も必要であるとされた時以外は禁止されます。

SCP-1708-JPの早期発見・回収のため、財団による介入がなされている全ての駅は映像管理botによって監視が行われます。SCP-1708-JPの出現が確認された場合、該当する駅に潜入している財団エージェントはSCP-1708-JPの回収作業を行なってください。
SCP-1708-JPの内容物の回収が終わった場合、カバーストーリー「利用客の忘れ物」を流布し、SCP-1708-JPが安全な物であると認識されるように誘導してください。必要な場合はクラスA記憶処理を実行することが許可されています。

SCP-1708-JPの内容物により何らかの被害が発生した場合、現地の職員は近隣サイトへの状況報告と対処部隊出動の要請を行なってください。出動した対処部隊は状況に適切なカバーストーリーの流布と関係者への記憶処理を担当します。

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改変済みのSCP-1708-JP実例。

説明: SCP-1708-JPは世界中のランダムな駅に不定期に出現する茶色のブリーフケースです。基本的にSCP-1708-JPの内部は空洞であり、内容物は存在しません。SCP-1708-JPは共通して駅構内の椅子の下などの視認されにくい地点に出現します。出現期間は駅の利用者が比較的多い時間を中心としていることが判明しています。現在まで財団によって2██個のSCP-1708-JPが回収されています。

SCP-1708-JP内部のヒューム値は標準値より著しく低く、部分的な現実性希薄空間となっています。また、周辺のヒューム値に反比例する形でSCP-1708-JP内部のヒューム値の変動が発生し、スクラントン現実錨の効果も軟化されることが判明しています。その為、SCP-1708-JP内部は必然的に現実改変の影響を受けやすいです。また出現地点も相まってSCP-1708-JPに対する現実改変は集団的なものが殆どを占めています。SCP-1708-JP本体は1.02hmと標準的なヒューム値を保っていることから、SCP-1708-JP本体への改変は稀なものとなっています。

SCP-1708-JPは出現から概ね3時間以内に駅の従業員、または利用客によって発見されます。これは"リアルタイムカメラによって監視されている"等の特殊状況下に置かれている場合においてのみ適用されず、駅構外からの発見が可能となります。SCP-1708-JPを肉眼で確認した人物の多くはSCP-1708-JPを駅利用客の忘れ物であると推測します。そのためか、SCP-1708-JPは多くの利用者の目に止まるにも関わらず、重要性が低いとしてその場に放置されます。駅員によってSCP-1708-JPが回収される頃にはSCP-1708-JPに対する集団による現実改変が終了していることが多数です。

改変が終了したSCP-1708-JP内部のヒューム値は標準値内に戻ります。その理由は未だ不明ですが、ほとんどの場合において現実改変により出現した物品がSCP-1708-JPの内部を埋め尽くすため、相殺的挙動が内部で発生していると推測されています。この挙動は二重での現実改変を抑制するのに最適であり、SCP-1708-JPの収容難度が低くなっている要因の1つです。

補遺: 近年、SCP-1708-JPに対する現実改変発生までの平均時間と、その現実改変により出現する物品に変化が現れていることが確認されています。以前までの被現実改変によって出現するのは、日用品やノートパソコンといった一般的な物品のみでした。

変化の程度は場所によって異なることが判明しています。日本国の東京駅やアメリカ合衆国のグランド・セントラル・ターミナル等の、他の駅と比較し利用者が多い駅において、変化が顕著に確認されています。

また、それらの駅には複数個の共通点が見受けられます。その中でも、「不審物を発見した場合の対処法」を駅の利用者にポスターといった形などで呼びかけている点が注目されています。これは不審物の放置を懸念した鉄道会社や警察組織によって行われていることであり、それの抑制は安全面の懸念から実施される予定はありません。

このような点をもつ駅においては、改変によって出現する物品が日用品などではなく危険性を孕んでいる、いわゆる危険物1となる傾向にあります。同様の事象は以前も度々確認されていましたが、その頻度は明らかに増加しています。

当該危険物も、複数の分類が研究チームによって設けられており年代によってどの部類が多く出現するかの割合は細かく変動しています。以前まではこの割合は予測不可能であると考えられていましたが、複数回の歴史的観点を含む調査の結果、国民に強く印象を残した未遂を含む規模の大きいテロ事件が発生した年にはその事件で使用された危険物が多く出現する傾向にあることが確認されました。

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