SCP-1727-JP
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アイテム番号: SCP-1727-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1727-JPを判別するため、各運送会社の集積所にファーガソン・ソコロフ型危険物探知機を導入します。また集積所で発見できなかったSCP-1727-JPの回収のため、警察等を通じ、広く回収を呼びかけるものとします。カバーストーリーは「委託テロ」および「粗悪品につき暴発の危険性大」を適用します。

説明: SCP-1727-JPは、実銃と銃弾が入ったダンボール箱です。ボール箱、銃、銃弾については異常性はなく、製造番号等が刻印されていない点を除けば正規メーカーで製造されているものと相違点はありません。銃および銃弾については様々な種類が確認されており、拳銃、自動小銃、サブマシンガン、散弾銃、[編集済]が確認されています。

SCP-1727-JPは日本国内の運送会社の集積所に出現します。出現先はランダムであり、20██/██/██時点で日本全国で██社、███ヶ所の運送会社の集積所で発見されています。出現時のSCP-1727-JPには出現先の運送会社に応じた正規の運送伝票が貼り付けられています。また出現と同時に集積所および運送会社の荷物引受記録等も不明な理由で改変されており、SCP-1727-JPは最初から正規の手段で引き受けられた荷物であるかのように偽装されています。

SCP-1727-JPの「送り先」は日本国内の個人宅であるという点以外は共通点は見られず、また「送り先」に居住する人物にも共通点は見られませんでした。おそらく「送り先」の選定基準はランダムであると考えられています。

SCP-1727-JPの「送り主」もバラバラであり、20██/██/██現在では大手インターネットショッピングサイトである██████.comおよび██Web、また█████ショッピングが最多ですが、実在の個人や企業、もしくは既に死亡ないし倒産しており現存しない個人や企業、完全に架空の個人や企業である場合も見られます。なお、実在している個人や企業が「送り主」であるケースについては調査の結果実際にSCP-1727-JPを送付したと断定されたものは0件でした。

SCP-1727-JPは200█/██/█、██県警に「まったく心当たりが無いが本物の拳銃らしきものが知らない会社から送りつけられてきた」という通報が入った事がきっかけで財団に把握されました。警察による捜査の結果、「送り先」だった██県在住の男性は反社会的勢力とのつながりは一切無く、また精神状態も良好である事、前科もない事が確認されました。また「送り主」については200█年の時点で既に倒産して41年経過している小規模な玩具メーカーであり、かつての従業員も全員既に死亡していた事が確認されました。

当初は非異常性な拳銃密売等の失敗であると考えられましたが、同様の事件がその後何度も発生したため、財団が調査に乗り出したところ上記の異常性が判明、SCPオブジェクトとして登録されました。それと同時に「テロリズムおよび銃等の密売買防止」のカバーストーリーのもと、ファーガソン・ソコロフ型危険物探知機を新型探知装置として運送会社に導入させました。さらにSCP-1727-JPはテロリストや極左暴力集団等による、銃を無差別に送りつけ、送りつけられた人物がそれを使った犯罪を行うことを期待した「委託テロ」であるというカバーストーリー『委託テロ』、SCP-1727-JPの中身の銃および銃弾は密造された粗悪品であり、発砲した場合暴発し使用者本人が死傷する危険性が非常に高いとするカバーストーリー『粗悪品につき暴発の危険性大』の2つのカバーストーリーを考案・策定した上で警察等を通じた流布を開始しました。

しかしながらSCP-1727-JPの数は年々増加の一途をたどっており、SCP-1727-JPを利用した犯罪等も増加しているのが実情となっています。

SCP-1727-JP関連事件例(20██年██月分)

発生日時および場所: 20██/██/██ 栃木県██市 有限会社[編集済]本社屋

武器: 自動小銃(M16)

概要: 待遇に不満を感じていた従業員が自動小銃を本社内で乱射。これにより同社代表取締役社長および人事部長、人事課社員3名、犯人の上司だった営業課長が殺害される。犯人は警察到着後も社屋内部に人質を取って立てこもり、警察に向けて発砲を繰り返した。警察側に死傷者は出なかったものの、この攻撃によりパトカー1台が破損。最終的に犯人は警官隊により射殺された。その後の捜査により、使用された自動小銃は事件の4日前に犯人に送付されていたSCP-1727-JPと判明した。

発生日時および場所: 20██/██/██ 青森県██市 個人宅

武器: 拳銃(マカロフPM)

概要: 犯人である夫は不倫をしていた事により妻(当時別居中)と離婚調停中だったが、離婚の協議のため弁護士と共に犯人宅を訪れていた妻を射殺。弁護士も撃たれ重傷を追う。犯人は直後拳銃を使い自殺。当初は暴力団の関与が疑われたが、その後の捜査により使用された拳銃は事件2日前に送付されてきたSCP-1727-JPと判明した。

発生日時および場所: 20██/██/██ 東京都██区の路上

武器: 拳銃(ワルサーP38およびグロック18)

概要: ██区を本拠地とする不良グループにより、対立していた別の不良グループメンバー2名が射殺された他、居合わせたホームレスに流れ弾が命中し死亡した。その後警察が駆けつけたところ犯人グループは逃走を図り、警官隊へ発砲、銃撃戦に発展した。結果犯人グループは5名中銃を所持していた2名が死亡。警察側も1名が重傷を負った。その後の捜査により、使用された銃は死亡したメンバー宅に事件4日前に送付されてきたSCP-1727-JPと判明した。

発生日時および場所: 20██/██/██ 高知県██郡██町 コンビニエンスストア「██████」█████店

武器: 短機関銃(MP5)

概要: 午前2時頃、短機関銃で武装した男がコンビニエンスストアに押し入り、店員を銃で脅しレジの中の金銭を奪い逃走。その後の捜査により鳥取県██市在住の男が浮上、逮捕される。男の自宅からは犯行に使われた短機関銃が発見された。供述によると事件6日前に知らない住所から送付されてきたとのことであり、当該短機関銃はSCP-1727-JPであると判断された。

発生日時および場所: 20██/██/██ 茨城県███市の海岸

武器: 自動小銃(AK-47)

概要: 茨城県███市の海岸沿いの水中で自動小銃が遺棄されているのが発見される。その後の捜査の結果、群馬県██市在住の男性が3日前に送付されてきたSCP-1727-JPを遺棄したものと判明。警察の取り調べに対し男性は「自分は元左翼活動家であるため、『委託テロ』で銃が送りつけられてきたと説明しても警察が信じてくれないと思い込み、怖くなって海に捨てた」と供述している。

他、SCP-1727-JPを用いた殺人事件は201█年のみで██件、殺人未遂は██件、自殺(未遂含む)は███件にも及んでいます。

以前読んだある小説の、世界は火薬と火のような危険が内在していて、ただ運良くそれらが出会ってないだけではないか、という文章を思い出す。さしずめこいつはその火薬に銃…すなわち火器を、fireするものを放り込もうとしているのだろうな -小松博士

補遺1: SCP-1727-JPを使用した事件の増加を受け、SCP-1727-JPにミーム的要素や認識災害等が存在しないかを確認するためのテストが行われました。しかし、結果はすべてネガティブであり、銃器それ自体だけでなくボール箱や配送票等にも(認識災害等においては)異常は存在しない事が再確認されました。

補遺2: 20██/██/█、アメリカ合衆国████████州█████において無職の男がショッピングモールでサブマシンガン1を乱射する事件が発生、██名が死亡、██名が負傷しました。犯人は警官隊に射殺されました。その後の犯人の家宅捜索および用いられたサブマシンガンの調査の結果、SCP-1727-JPである可能性が非常に高いと判断されました。このためSCP-1727-JPの捜査・確認範囲の拡大が決定されました。

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