アイテム番号: SCP-173-KO
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-173-KOは、サイト-58管轄区域内の山中に存在しています。対象は3mの高さのフェンスによって外部と遮断されており、登山中に事故が多発するため入山規制された区域であると偽装する必要があります。
対象内部で以前の対象との差異が発見された場合、その内容は速やかに視覚的記録を添付して報告される必要があり、探索のために一週間に一度、所定の研究員チームが対象をチェックしなければなりません。
説明: SCP-173-KOは、大韓民国██都██市の山腹に位置する小規模な彫刻公園です。対象の内部には、およそ30以上の彫刻が存在します。この数は対象の異常性によって継続的に変化しますが、彫刻の個数が40個を上回った事例は観測されませんでした。
対象内部の彫刻は、その多くが異常性を持たない一般的な青銅や花崗岩で構成されていますが、その他の材料で生成された彫刻も存在します。彫刻の生成プロセスを撮影しようとする試みは全て失敗しており、映像からの判読の結果、全ての彫刻はいかなる兆候や過程を表さず瞬間的に生成されました。彫刻の多くは稼働をしない一般的な彫刻像の形態を取っていますが、まれに手動での稼働を行えるもの、観光客の特定の行動に反応して自律的に稼働する彫刻も存在しています。現在までこの彫刻が観光客にどのような異常性を発露させたか、被害を及ぼしたかなどの事例は報告されていません。
彫刻のうち相当数は大韓民国で一時的に大衆に流行した文化/芸術的要素を連想させる形式で生成します。このような形式の彫刻は一般的に該当要素がほとんど死蔵された状態に生成されるものと見られ、これらの要素に対しての大衆の関心と彫刻の生成プロセスとの相関関係を詳しく把握するための研究が進行しています。
彫刻は一般的に1週間、最長で2~3週間以内にすべてが老化していき、ある程度の瞬間で粉状に変化し消失します。老化した彫刻及び彫刻の断片の保存・復元を行う試みは全て失敗し、多くの場合は即座に以前の状態へと戻る、あるいは追加的な損傷が発生する事例も観測されました。
対象は20██/██/██に財団により確保されており、確保の過程で対象とAre We Cool Yet?との関連性を示す文書が発見されました。詳細は添付された確保記録173-KO及び文書173-KO-012を参照してください。
確保記録173-KO: 対象は、著名なアマチュア美術評論家が、該当する彫刻公園に対して作成した█件の記録(およそ1ヶ月間隔で作成されたもの)で、彫刻が継続して変化するようだといった内容が財団情報局が入手し、財団の関心を引きました。調査の結果、該当する彫刻公園には一切の彫刻の更新や搬入作業が行われておらず、彫刻が自動的に消失・出現するという対象の特性が判明していくにつれ、対象は財団により確保されました。該当する評論家と彫刻公園を管理していた人員にはクラスB記憶処理が施行されました。確保当時、彫刻公園の入り口中央に設置されていた展示物案内席で文書173-KO-012の文面が発見されました。
文書173-KO-012:
"公園"は、芸術がこれ以上永遠でもなく、長くない事を意味している。
例え、それがしっかりと刻んだ彫刻であったとしても、人々の脳裏では、すぐに忘れ去られる。
Are We Cool Yet?
20██/██/██追加事項: 財団職員である泊██博士の要請により行われた再調査の結果、文書173-KO-012の内容に変化が確認されました。
"公園"は、芸術がこれ以上永遠でもなく、長くない事を意味している。
人類は非理性的に加速していく忘却の急流を止め、過去の太陽を再び思い出させる必要がある。
Are We Cool Yet?
現在、SCP-173-KOの異常性にこの内容の変化と関係性を示唆する変化は観測されませんが、不測の事態に備え、現在の特別収容プロトコルとして施行されているものよりさらに詳細な追加調査が予定されています。