アイテム番号: SCP-1760
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1760の全実体はサイト-84に収容されます。周辺の4km2の領域は、上部に有刺鉄線を備えた金網フェンスで区切られます。考古学調査を装って一般人の侵入が防止されます。顕現事象が発生した場合、全SCP-1760実体を開封し、中身の一覧を作成します。その後、SCP-1760に追跡用の発信機を取り付け、顕現が終了する前に再度封印します。
2006/11/15にSCP-1760-16を開封した際、危険性を増した内容物による被害が生じたことを受け、当該SCP-1760実体は顕現中において常に封印を維持します。(事案1760-1参照)
説明: SCP-1760-1~15は15基の棺で、それぞれが黒い松材で構成されています。各SCP-1760実体はベラルーシ共和国ミンスク郊外の森林地帯で毎年11月15日の午後に地面から現れます。各棺には白い正教会の十字架が付いています。その他の目立った特徴は存在しません。
SCP-1760-1~15は常に封印された状態で地面から現れ、顕現毎に異なる完全な人間の死体が入っています。死体は常にコーカソイドであり、地域特有の葬式衣装を身につけています。検死により、死体はいずれも防腐処理を施された直後であることが明らかになっています。
11月20日の深夜、各SCP-1760実体は開封されたか否かに関わらず地面に埋没します。SCP-1760の位置を特定する為の発掘の試みにより、対象物はその年の残りの間は地表から3mの地点で留まることが明らかになっています。沈んだ後に開封された実体は中身が完全に空であることが確認されています。
SCP-1760実体を領域外へ持ち出すことで埋没を防ぐことが可能ですが、顕現事象が発生した時点で、持ち出された実体は外見上同一の棺と入れ替わります。この時、領域外の実体は異常特性を失います。入れ替わり時に新しく生じる実体は、通常より深い位置から出現するものと推測されます。この出現地点を発見する為の発掘の試みは現在のところ失敗しています。
11月20日時点で地表に残されたSCP-1760由来の死体は、顕現終了から3時間以内に素早く腐敗します。腐敗の程度は対象物によって異なり、軽度の腐敗から灰までの分解に渡ります。
SCP-1760内の死体に発信機を取り付けることにより、顕現終了後も追跡を行うことが可能です。取り付けられた発信機は、埋葬された棺、遺体安置所、また多くは火葬用の骨壺の中から発見されました。なお、発見場所がベラルーシ共和国の国境を越えることはありません。この方法で再発見されたいずれの死体も、SCP-1760顕現時に確認された衣服や防腐処理を欠いています。顕現前のSCP-1760がどのように死体の回収、再構成あるいは装飾を行っているのかは現在不明です。
6年毎の11月15日に限り、SCP-1760実体は1基のみ現れます。蓋にピーター・█████████という名前が彫られている事を除き、この棺は他の棺と同一であると確認され、SCP-1760-16に指定されました。実体の過去の内容物は様々であり、詰まった土や自律移動を行う死体が含まれます。これら内容物の起源を追跡する試みは、発信機がSCP-1760-16の完全な埋没に伴って機能を停止した為に失敗しました。
ピーター・█████████の身元調査を行った結果、対象はミンスク共和国の葬儀屋及び科学者であり、1950年代にソビエト連邦が主導した複数の研究計画に関わっていたことが判明しました。回収された記録は対象が1959年11月15日に死亡したことを示しています。█████████の研究記録の大部分は、1960年以前にGRU-P部局の工作員によって破壊されました。事例証拠は、化学処理による人間死体の長期保存並びに化学処理による蘇生及び再生に関する実験が行われたことを示唆しています。既存記録より名前が抹消されていた為、研究に関わった他の科学者の身元は判明していません。ピーター・█████████の死体及びその埋葬地に対して研究職員による調査が行われましたが、どちらも異常特性を持たないことが確認されました。
回収されたGRU"P"部局資料によれば、SCP-1760は1961年にミンスク郊外で"棺の庭"がオープンしたとの地元報告が成されたことによって初めて発見されました。初期収容の際、以下のメッセージが書かれた銘板が領域内より発見されました:
今日この地に集いし我々は、愛すべき故人の生涯と名声を称え、彼らに不死を授けよう。
SCP-1760は、ソビエト連邦解体後の1992年に初めて財団によって収容されました。
補遺1760-A:
補遺1760-B: