SCP-1761-JPが運用していたTwitterアカウント。
アイテム番号: SCP-1761-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1761-JPは対現実改変設備を備えた人型実体収容セルに収容されます。SCP-1761-JPが運用していたTwitterアカウントは低脅威度電子データ隔離収容ストレージに保管されます。また、このアカウントについての言及は通常の隠蔽プロトコルに則り、Webクローラーによって発見され次第削除され発信者の特定と記憶処理を行います。
説明: SCP-1761-JPは現実改変能力あるいはそれに準ずる異常性を持つ人間です。財団はSCP-1761-JPの現実改変能力を直接確認しておらず、ヒューム値の変動等の観測にも成功していません。しかしながら、SCP-1761-JPが現実改変能力あるいはそれに準ずる異常性を有していることは明白な事実です。
SCP-1761-JPはTwitterアカウント、「氷蒼院 零也」を運用していました。このアカウントは政治的、思想的な話題において誤った情報の発信や、誇張した表現による不正確な発信を数多く行っていました。しかしながら運用者自身への言及については事実のみを発信していました。
SCP-1761-JP発見のきっかけは、「氷蒼院 零也」アカウントによる「僕の力をもってすれば、この世界は何もかも思い通りになるけどね。」という発信でした。この発信はSCP-1761-JPが力と定義される何らかによって世界に対して自由自在に影響を与えることが可能であるという事実を誇示するものです。このためSCP-1761-JPは現実改変能力者である可能性が非常に高く、少なくとも現実改変能力に準ずる何らかの異常性を有している存在であるため、財団は緊急確保を決定しました。
アカウントのアクセス記録は単一のスマートフォンを示していたため、SCP-1761-JPの身元は即座に判明しました。しかしながらこの人物は氷蒼院 零也という名前を持つ氷蒼院 零也という存在でありながら戸籍上は別の名前であり、東京都内のタワーマンションに居住中でありながら北海道帯広市内のアパートで両親と生活を行っていました。 またアクセス元に急行した確保チームでしたが、Twitterによる発信で確認された本人の容姿との著しい乖離が見られたため待機を指示されました。最終的に、この人物が氷蒼院 零也であることに加え、観察からこの人物がスマートフォンを操作していない間には「氷蒼院 零也」アカウントでの動きが無いこと、スマートフォン操作時のアカウントとの動作連動率が十分な確度であること、またこの人物の容姿が事実と矛盾した状態であることは何らかの改変能力を有することの裏付けであると判断されたため、この人物はSCP-1761-JPであると断定され確保作戦の開始が承認されました。
確保作戦は22:30に行われました。これは「氷蒼院 零也」アカウントによる「僕はショートスリーパー、毎日必ずピッタリ22時から1時間だけ眠る。8時間睡眠の一般人と比べて、最終的にどれだけ成長の機会が違うと思う?」という発信に基づいたものです。しかしながらこの事実に反し、突入時SCP-1761-JPは睡眠中ではなく食事を摂っていました。22:30にも関わらずSCP-1761-JPが睡眠中ではなかった原因は不明です。確保部隊は奇襲に失敗し、SCP-1761-JPに能力行使の機会を与える結果となりました。通常、現実改変能力者に能力行使の機会を与えることは深刻な結果をもたらします。しかしながらこの際、予想された異常性を用いた攻撃はなく、SCP-1761-JPは多少の非異常の抵抗を行ったのみで滞りなく確保されました。補足として、確保時の簡易診断によって判明したSCP-1761-JPの身体的な事実と矛盾点は以下の表の通りです。
| 項目 | Twitterアカウントで示された事実 | 確保されたSCP-1761-JPが持つ矛盾点 |
|---|---|---|
| 身長 | 172cmである。 | 159cmである。 |
| 体重 | 55kgである。 | 86kgである。 |
| 年齢 | 25歳である。 | 37歳である。 |
| 体形 | 痩せ型ながらも筋肉質である。 | 肥満である。 |
| 容姿 | 中性的かつ魅力的な容姿である。 | 通常の中年男性である。 |
| 利き手 | 左である。 | 右である。 |
| 血液型 | AB型Rh(-)である。 | O型Rh(+)である。 |
補遺1: 確保されたSCP-1761-JPに対して、対現実改変能力者用実験施設にて様々な実験が行われました。その結果、SCP-1761-JPは異常性評価試験において異常性を行使しようとしなかったこと、IQ148であるにも関わらずIQテストにおいて97というスコアを獲得したこと、英語、イタリア語、フランス語、中国語、韓国語、ポーランド語を流暢に話すことが出来るにも関わらず話そうとしなかったこと、フルマラソンを2時間30分で走ることが可能であるにも関わらず約20分走った時点でうずくまり実験を放棄したこと、1日1時間の睡眠時間を確保された実験スケジュールにも関わらず睡眠不足を主張し実験中に眠り始めたことなど、財団に対して非協力的な態度をとりました。これは非協力的な態度によって今後の待遇が低下する場合があると脅迫した場合にも改善されませんでした。SCP-1761-JPはこのことに対し「Twitterに書き込んだことは全て嘘である」と主張しますが、SCP-1761-JPがTwitterで行ったSCP-1761-JP自身に関する発信は全て事実であるため、財団を欺く意図があると考えられています。
補遺2: SCP-1761-JPの身辺調査において、SCP-1761-JPに恋愛感情を寄せていた自身の姉、自身の妹、幼馴染の女性、その幼馴染の女性の母親、有名企業の社員、アイドル、元担任教師等がいずれも存在しないことが判明しました。SCP-1761-JPのTwitter上での「僕くらいの容姿と能力があるとモテ過ぎて困るんだよね。」という発信から、SCP-1761-JPはこの女性達に恋愛感情を寄せられることに窮したため、解決の為に彼女たちの存在を現実から抹消したものと断定されました。
収容時の経緯も鑑み、SCP-1761-JPは非協力的であるものの人間に対する攻撃性を有していないとこの時までは考えられていました。しかしながら今回、自身の肉親や親しい人物にまで危害を加える攻撃性を有していることが明らかになりました。現在、SCP-1761-JPは通常の対現実改変者用設備を備えた収容セルで問題なく収容されているものの、このような人物の覚醒下での収容は不測の事態の際に重大な脅威となり得るため、収容方法の再検討が行われました。協議の結果、SCP-1761-JPを冷凍冬眠装置にて収容することが決定され、倫理委員会もこれを承認しました。









