SCP-1771
評価: +14+x
blank.png

アイテム番号: SCP-1771

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: すべてのSCP-1771は周囲半径30mをフェンスにより封鎖されます。封鎖指定域周辺を財団職員は警備しなければなりません。また、内部で発見された民間人にはクラスC記憶処理を適用し解放してください。人口密集地域に出現した場合、封鎖指定域内のすべての不動産は財団のフロント企業により買収されます。また、フェンスではなく壁を設置し、警備は私服を着用し行ってください。SCP-1771を知る民間人はクラスA記憶処理の後に解放してください。ただし、SCP-1771の居住者と個人的に知り合いである民間人がいた場合、記憶処置を適用する前にインタビューを行ってください(例外及び手順については文書1771-A1を参照してください)。新しく発見されたSCP-1771のすべての居住者は、そのSCP-1771のスケジュールが把握されるまで三週間ごとに身元と健康状態を調査されます。スケジュールの把握が終了した後は、それぞれの居住者は最初に現れた日から一年ごとに肉体及び精神の健康診断を受けるようにしてください。居住者たちに何らかの健康上の懸念が見られた場合、速やかに現場で治療を行ってください。

説明: SCP-1771は同一の異常性を有する家屋の総称です。SCP-1771は居住者として実体を出現させます。実体はすべての試験において人間の姿で現れます。居住者は彼らが住むSCP-1771から半径10m以上離れることはできません。居住者はそれぞれのSCP-1771で設定されたスケジュールに基づき一年の特定の日に入れ替わります。この入れ替わりはSCP-1771が位置する地域の季節の移り変わりと同時に発生し、この時に行われる鍵の受け渡し時を除きSCP-1771内に複数の居住者は存在しません。一軒のSCP-1771にはその地域の季節の数だけ対応する居住者が存在し、一年を通して居住者は循環します。SCP-1771及び各居住者の外観は様々で、前述の事項以外に明白なパターンは確認されていません。
SCP-1771に居住する実体はあらゆる人間に等しく友好的であり、以下を含むもののこれらに限定されない様々な活動のため彼らをSCP-1771内部に招き入れます;

  • 「来客」のために食事を作り振る舞う
  • 紅茶、レモネード、ココアなど様々なドリンクを振る舞う
  • 映画鑑賞
  • 雑談
  • バードウォッチング
  • 絵画、彫刻などの趣味的活動の授業
  • 雨宿り

すべての実体はその地域の母国語に当たる言語を解します。個体により、2言語や3言語の話者も存在します。各実体は互いを認識していますが、互いに干渉はできません。同じSCP-1771の実体同士でのコミュニケーション手段は手紙のみが確認されています。異なるSCP-1771の実体間でのコミュニケーションは確認されていません。

居住者が家の鍵を部外者に渡そうとし、それが受け入れられた場合、その人物が居住者の代わりとなります。しかし鍵を渡そうとした居住者は高齢であるか病弱であるかのみで、若く健康的な個体はこの話題を避けようとする傾向にあります。新しい居住者はSCP-1771の異常性を知る必要も、鍵を受け取るという行為の重要性を認識する必要もありません。鍵の譲渡が完了したら、元の居住者は誰も見ていない状態になると消え去ります。彼らをカメラで追跡する試みは、元の居住者がクローゼットの中に入って消失するという結果に終わりました。居住者が変わってもSCP-1771の設定スケジュールは変更されず、新しい居住者は元の居住者が担っていた季節を埋め合わせるようになります。新しい居住者は譲渡された瞬間に鍵の重要性を認識し、反社会的であった場合は友好的な状態へと変化します。財団が把握している鍵の譲渡の実例はこれまでに二例のみです。一つは鍵の譲渡について把握されていなかった頃に偶然起こったもので、もう一つは鍵を譲渡した元の居住者が消失するまでにどれだけ遠くまで移動するかをテストした時のものです。

補遺1771-1: R████博士のメモ

SCP-1771-03で行われた秋季の定期検査において、エージェント██が「改装してくれた親切な人」とだけ呼ばれる存在しない居住者へ宛てた手紙を発見した。居住者は宛先の人物について「もういない1」とだけ述べ、それ以上の言及は避けたとエージェント██は報告した。この手紙はSCP-1771-03が位置する地域においてどの季節にも当てはまらない非常に乾燥した気候を示唆している。SCP-1771の実体が残す手紙について、さらなる調査が求められる。

補遺1771-2: J████博士のメモ

SCP-1771-09の雨季の居住者は重篤な急性肺炎と診断され、医療チームがSCP-1771-09に割り当てられました。治療の効果がすぐには現れなかったため、雨季の終了までに完治しないだろうと予期されていました。治療中、居住者は医療スタッフに████回以上鍵を受け取るよう頼んでいましたが、すべて断られ頻繁に悩んでいるようでした。居住者は医療スタッフに執着するようになり、看護師に24時間そばにいてくれるよう要求し、一日に██回も鍵を受け取るよう頼んでいました。居住者はだんだんと暴力的になり、特にそれが顕著となった雨季の終わり頃には頻りに点滴を抜いては医療スタッフを呼び、鍵を握らせようと試みていました。季節とともに居住者が代わるまで、天候は予測不可能かつ不安定でした。SCP-1771の居住者の容体がその地域の天候に与える影響の詳細な調査が必要となりました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。