SCP-1774
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アイテム番号: SCP-1774

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 各SCP-1774実例はサイト-88で個別の棟にあるクラス-2心霊収容ユニットに保管されます。不注意によって内部に封入されている実体が破壊されないようにするため、SCP-1774-01、-04、-07は毎週バッテリーを充電/交換しなければいけません。実験を行う際はヨーク管理官の許可が必要です。

説明: SCP-1774は、あるアマチュアの超常現象調査機関がかつて使用していた数点の機材の総称です。現存している実例には、手持ち式赤外線ビデオカメラ(SCP-1774-01)、手持ち式サーモグラフィビデオカメラ(SCP-1774-02)、EMF検出器(SCP-1774-03)、“ゴーストボックス”1(SCP-1774-04)、“ダウジング振子”(SCP-1774-05)、デジタルボイスレコーダー(SCP-1774-06)、赤外線温度計(SCP-1774-07)が含まれます。

SCP-1774実例はそれぞれ独特な霊的実体の容器の役割を果たしています。SCP-1774-X-Aと指定される(SCP-1774-01-A、SCP-1774-02-Aなど)これらの実体は全て知性体であり、対応するSCP-1774実例を使っている場合のみ検出と相互作用が可能になります。例としてSCP-1774-01-AはSCP-1774-01が記録した映像にしか映らず、SCP-1774-06-AはSCP-1774-06に録音されたデータ上の会話を介して意思疎通が可能です。

SCP-1774実例によって記録されるデータは、実際に発生している事象から大幅に逸脱する可能性があります。例としてSCP-1774-01の映像は、何も起きていない状況でも、室内の物品の操作・照明のちらつき・映像中にいる人物の行動の変化などを映すことがあります。全てのSCP-1774-X-A実体はお互いに意思疎通できるようです。実験において、SCP-1774-X-A実体群は超常現象の証拠を捏造するために一致団結して活動する様子を見せています。

全てのSCP-1774実例は“証明”プルーフの名称で知られるアマチュア超常現象調査組織によって使用されていました。プルーフはオハイオ州立大学を拠点に、アメリカ合衆国中西部各地の様々な超常現象を調査していますが、しばしば自分たちのウェブ配信番組“真実と証明”のための証拠の捏造に頼っています。同組織の構成員は財団の活動について如何なる知識も持たないため、脅威とは見做されていません。

オハイオ州クリーブランドの私有地の調査中、警察はプルーフの全員を不法住居侵入、不法私有地侵入、並びに詐欺の疑いで逮捕しました。彼らの機材は警察の管理下に置かれ、そこで初めて異常性質が注目されました。財団の回収チームは機材を押収し、研究のためにサイト-88へ移送しました。

実験ログ1774

実験#: 1774-01
使用したアイテム: SCP-1774-01
実験手順: SCP-1774-01のスイッチを入れ、サイト-88の廊下の一部を12時間撮影するのに使用した。
結果: SCP-1774-01-Aは、ヴィクトリア朝時代の化粧着を着た約45歳の女性として出現した。SCP-1774-01-Aは映像中に見える廊下の一角を早足で往来し、フレーム間で出現と消失を繰り返した。

SCP-1774-01-Aは映像中の研究助手をすり抜けて歩き、即座に痙攣と嘔吐を引き起こさせる様子が認められた。この行動は記録外で発生していない。ある時点において、SCP-1774-01-Aの顔は直接レンズの正面に出現し、観察担当の職員を驚愕のあまり椅子から転落させた。

誓ってもいい、奴はあの後で笑ってやがった。 -ブライアント博士

実験#: 1774-05
使用したアイテム: SCP-1774-02、SCP-1774-07
実験手順: 個々のSCP-1774-X-A実例間で意思の疎通が行われるかを断定するため、SCP-1774-02とSCP-1774-07を同時に使用した。
結果: SCP-1774-02は実験室の中心に立つヒト型の“コールドスポット”をはじめ、複数の熱異常を記録した。SCP-1774-07はこの“コールドスポット”の存在を確証するかのように、15o Cという極端な温度変化を記録した。しかしながら、通常の赤外線温度計では温度変化は確認されなかった。

実験中に数回、SCP-1774-07のデジタル画面は温度の読み取り値ではなく、“シネ”という文言を表示する様子が観察された。映像中のSCP-1774-02-Aは実験が行われている方向を見て笑っているのが観察された。

実験#: 1774-07
使用したアイテム: SCP-1774-04
実験手順: ブライアント博士は、SCP-1774-04を媒体として使用し、SCP-1774-04-Aとの意思疎通を試みた。
結果: ブライアント博士の会話の試みに、実験開始から5分間は沈黙のみが返ってきた。この後、SCP-1774-04は鋭い叫び声で反応し、低い声で数回“出ていけ”という言葉を叫んだ。更なる意思疎通試行で啜り泣き、笑い声、“このお仕事大好き”という声明などが得られた。

実験#: 1774-08
使用したアイテム: SCP-1774-05、SCP-1774-01、SCP-1774-02
実験手順: 自由に揺れ動く状態のSCP-1774-05を持ったブライアント博士が実験室内を歩き回った。SCP-1774-01とSCP-1774-02が実験室内を録画した。この時、室内の床とテーブルには数点の軽量物が配置されていた。
結果: SCP-1774-05は室内の特定領域で急速に回転した。これらの領域では、SCP-1774-01-AとSCP-1774-02-Aが各々関連するオブジェクトの映像に映っていた。しかしながら、SCP-1774-01-AはSCP-1774-02から検出されず、逆もまた同様だった。

SCP-1774-01-AとSCP-1774-02-Aは両方とも、室内の様々な物体を操作するのが観察された。ある時点でSCP-1774-01-Aはブライアント博士の頭に小さな木製ブロックを投げつけ、ブライアント博士は身を屈めてこれを躱してから罵声を上げるという形で反応する様子が映っていた。これらの行動は記録外で発生していない。

インタビューログ: エージェント レイモンド・マギーが、プルーフの機材管理係であり、SCP-1774の製作者と推定されるタイラー・ワトキンズにインタビューを行いました。インタビュー中、エージェント マギーはクリーブランド市警察の職員を装っていました。

<記録開始>

ワトキンズ: 俺たちの調査の何が知りたいんだ?

マギー: テープは見させてもらった。明らかに捏造だ。

ワトキンズ: どういう意味だ? 機材に映ってたのは本物の幽霊だ。

マギー: いいか、私たちは他の超常現象仲間とも話した。君らのテープに映っていたアレだがね、彼らは皆あれをハーバーシャムの幽霊だと言っている。どうしてヴィクトリア朝イギリスの主婦の幽霊が国境を越えたりするんだ? (ワトキンズの方に身を乗り出す) 偽物だからだろう。

ワトキンズ: (長い沈黙) …何て言えばいいか分かんねぇよ。証拠はどれも捏造なんかじゃない。あの幽霊たちは本物だった。

マギー: 冗談は止してくれ。幽霊なんてものは無い。そして君らが少なくとも5名の人物から“調査サービス”と称して金を騙し取っている事実を鑑みるに…

ワトキンズ: 本物なんだってば! ホントの事を話したってどうせアンタは信じないさ、それでも本物だ!

マギー: 確かにな。信じないだろう。だが敢えて調子を合わせてやる。

ワトキンズ: 俺たちがやってた事の殆どは捏造だ、そこは正しいよ。でもダン2は、俺たちが見たものをもっと説得力のある形で捏造したがってた。UFOっぽく塗ったフリスビーとか、ゴリラの着ぐるみでビッグフットの真似をするとかじゃ限度がある。ダンはそれをできる限りリアルにしたかった。

マギー: それでも捏造には違いない。

ワトキンズ: 俺たちがやった他の何やかんやは捏造だ。これは… 本物だった。 (椅子に身を預ける) 最初からこうすりゃ良かったんだ。俺はあいつらを憑り付かせた。

マギー: 何を? 本物なのか、捏造なのか? 率直な答えを聞かせてくれ、それとも—

ワトキンズ: カメラとかは実際には何も映してない。幽霊はカメラの中にいたんだよ、他にも温度計とか、EMF検出器とか、出任せのダウジング振子とか… (頭を振る) 何でも好きな物に霊を縛り付けて、幽霊憑きの箱とかを作るやり方をオンラインで見つけた。最初は振子でやったんだ、アクロンの近くの墓場で。そしたら成功した。その後、撮影場所ごとに新しいアイテムで試した。

マギー: (額を擦り、数秒間沈黙している) つまりこうか。君らは超常的な調査結果をでっち上げようとして、その過程で超常現象の実在を証明してしまった、と。B級ホラー映画のあらすじのように聞こえる。

ワトキンズ: 馬鹿げた話に聞こえるだろうってちゃんと分かってる。でもホントなんだって! 何なら見せたって良い。でもブルボン・ハウスの調査をやろうとした後に、アンタたちは機材を全部没収しちゃったじゃないか。

マギー: 今のところ、君の話で信用できるのはそこだけだ。 (頭を振る) 他に何か突飛な主張はお持ちかな?

ワトキンズ: 実際、かなり便利だったよ。これはもう神かけて誓ってもいいけど、あいつらは撮影を楽しんですらいたよ。俺たちのゴーストボックスはマジでイカした邪悪な笑い声を出した。それに、ハーバーシャムの幽霊は… うん、どうも“エクソシスト”のファンみたいなんだ。頭をぐるっと一回転させる例のアレをやるのが大好きでね。

マギー: 仮にこれが真相だとしておこう。他の超常現象調査機関が皆やっているように、撮影後に証拠を捏造するほうが簡単だとは思わなかったのか?

ワトキンズ: そんなのって楽しくないだろ。

<記録終了>

ワトキンズ氏がSCP-1774の製作に利用した手順はインタビュー後にインターネットから削除されました。プルーフの不法侵入の一件は最近になって無罪判決が下っているため、同団体の更なる監視が行われます。

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