アイテム番号: SCP-1792-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 現在、アメリカ合衆国内での児童による無許可の露店販売は規制され、実施時には行政への報告が義務化されています。児童が中心となる活動の場合、運営には20歳以上の保護者が介入する必要があります。
レモネードの販売もしくは頒布が主軸となる際は、行政を通した指導が行われます。屋台の形状は監督され、2本の支柱と板から構成される部分が取り付けられないよう注意してください。
SCP-1792-JPが発生した場合、関係者全員に記憶処置を実施して死体を回収します。発生した死者は適切なカバーストーリーを用いて死因を隠蔽してください。
説明: SCP-1792-JPはアメリカ合衆国の露店販売で発生する連鎖的な現象です。発生中、SCP-1792-JPによって起こる変化は、超常的手段を除いて観測できません。
以下の条件に適合する露店販売にて、SCP-1792-JPは発生します。
- 児童により運営され、主にレモネードを販売/頒布している1。レモネードは屋台、もしくはその近辺で調理される。
- 特定の団体(営利、非営利を問わない)により運営されていない。また、商業目的ではなく、一時的な利益回収や飲料の頒布を目的としている。
- 販売は屋台で行われる。2本の支柱と板から構成される部分が台座に取り付けられており、四角形の空間(以下、“窓”)が形成されている。
SCP-1792-JP発生時、2本の支柱および板は改変されます。板には金属製の刃が搭載され、屋台全体はギロチン2と類似した構造に変化します。
人間(以下、被験者)が“窓”に頭部を挿入し、頸部が板との平行線上に達したとき、被験者は屋台の台座へと固定されます3。直後、板が刃とともに落下し、被験者は頸部を切断され死亡します。被験者以外の周囲の人々は被験者が突如消失したと見なしますが、消失したという状況に対しても即座に関心を抱かなくなります。
切断された頭部を、周囲の人々はレモン(Citrus limon)の果実と認識します。そのため、他の果実と同様に扱われ、積載場所に放棄されたり、さらなる損壊を受けたりします4。飲料としてその成分を摂食した場合も、人々は違和感を認識しません。一方、頭部以外の部分は“レモンの果実ではない部分”と認識され、他の廃棄物と同様に処理されます。死体が実際とは異なる認識を受けている間も、死体は平常通りに腐敗していきます。
露店が営業を終え、屋台を撤去した際にSCP-1792-JPは終了します。そのとき、周囲の人々は初めて異常な状況を理解します。成分を摂食した人物はその瞬間から味覚の違和感を知覚します。
補遺.1792-JP: 発生状況
SCP-1792-JP事例においては、犠牲となる被験者のほとんどが児童であることが確認されています。
SCP-1792-JPが発生する露店販売は平時も児童によって運営され、運営者の近隣住民に向けて販売を行う機会が多いとされます。その場合、顧客が運営者の認知している児童となる状況も高頻度で発生します。また、身長の関係から児童は成人よりも“窓”に頭部を挿入しやすく、商品を受け取る際などには頭部の挿入が必要となることもあります。これらの要因から結果として、児童が“窓”に頭部を挿入する確率が高いと分析されています。
このため、互いに既知の関係にある複数の児童が一つの事例に関与する割合も高いとされます。なお、運営者が知人から抽出された成分を飲料に混入させ、別の知人が摂食しているケースが頻発しています。5