アイテム番号: SCP-1797
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 隔離されたSCP-1797のサンプルは、細菌部門エージェントにより通常の収容手順に基づいてサイト66内に保管されています。
実験で生成されたSCP-1797-Aの実体は、常に隔離室で保管してください。実体化したSCP-1797-Aに直接触れる必要が生じた際は、職員は遠距離から鎮静化したのちバイオセーフティレベル2の手順を遵守して隔離室に入室してください。実験終了後の残留物資は必ず焼却処分してください。
説明: SCP-1797は奇妙なインフルエンザの一種です。基本的には実体化SCP-1797-Aとの接触により感染します。SCP-1797は発熱、咳、倦怠感などの症状を伴い、薬物療法が有効なことや保菌者の免疫システムによる自然治癒も可能であるなどの点において、他のインフルエンザウイルスとよく似ています。
感染から2日後、保菌者の体表で複数の大きな腫瘍が成長を始めます。たいてい5個から8個の腫瘍が同時に成長します。腫瘍は数日間に渡って成長を続け、12~20cmほどの大きさになると徐々に実体化SCP-1797-Aの形を取りはじめます。完全に成長するとSCP-1797-Aは動きだし保菌者の身体から分離します。SCP-1797の感染期間中、この過程が繰り返されます。
実体化したSCP-1797-Aは生後3週から8週のFelis Catus、ネコ属イエネコの外見をしています。実体化SCP-1797-Aはそれぞれがみな発生元から独立した存在です。この生命体はいったん保菌者から分離した後は成長することなく繁殖能力もありません。SCP-1797-Aの平均寿命は2年です。
SCP-1797は、ロシアのニジネヴァルトフスクにおける集団発生のさなか発見されました。感染元を遡るとニジネヴァルトフスク市民の92歳の男性、フセヴォロド・ニコラエヴィッチ・チェルノドヴォフと判明しました。複数の目撃者が、チェルノドヴォフは過去7年間に渡りイエネコの販売と譲渡を主な収入源にしていたと証言しています。チェルノドヴォフのアパートを調査した結果、23体の生きたSCP-1797-A実体と約60体分のバラバラの残骸、そしてSCP-1797-Aを材料とした数多くの道具や食器類及び複数の家具などが発見されました。チェルノドヴォフは財団の保護下に置かれましたが、栄養失調が続いたことにより健康状態が悪化し2週間後に死亡しました。