SCP-1804-JP
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SCP-1804-JP

アイテム番号: SCP-1804-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1804-JPはサイト-81██の機械タイプSafeクラス収容ロッカーに保管されます。SCP-1804-JPの起動実験はバイオセーフティ実験室内でのみ行われ、終了後には実験室および投入資産への除染措置が義務付けられています。現在SCP-1804-JP-Aに向けた有人探査は禁止されており、無人ドローンを用いたもののみ許可されています。

説明: SCP-1804-JPは起源不明の機械装置であり、特定の操作を行うことで直上空間に直径約2.2mの螺旋型の双方向性次元間ポータルを発生させます。SCP-1804-JPは最大で890分間連続で稼働しポータルを維持することが可能ですが、ポータル消失後の再起動・再展開には最低3週間程度のインターバルを必要とします。

ポータルはSCP-1804-JP-Aと指定される基準宇宙(以下、ベースライン)の地球に類似した環境(大気組成や生物相)を有した異次元と連結しています。ポータルを通過した物質はSCP-1804-JPを起動させた地点や日時に関わらず、SCP-1804-JP-Aの特定の都市郊外へと出現します。

SCP-1804-JP-αはSCP-1804-JP-Aにおける覇権種と推測される、知性を持ったヒト型実体です。SCP-1804-JP-αのおおよその外観はベースラインの人類に類似しますが、観察可能な露出部に限っても口唇部の未発達(あるいは退化)、前頭部に存在する粘性を帯びた突起状器官といった明確な解剖学的差異が見受けられます。

SCP-1804-JP-αはテレパス能力を有しており、同族間ではそれを介したコミュニケーションを行われていると考えられています。交流中のヒトは(おそらくはテレパス能力による不完全な伝達の結果として)近傍のSCP-1804-JP-αから向けられる感情を漠然としたイメージとして知覚することが可能です。一方でSCP-1804-JP-αがヒトの心理をどの程度のレベルで読み取っているかは不明ですが、これまでに観察されたヒト対象との交流中のSCP-1804-JP-αの振る舞いはその心情を僅かでも汲めているようには見えません。SCP-1804-JP-αとの文化的隔絶  主に口頭言語や表情・発声による感情表現といった概念に対する無理解は、ベースラインのヒトとの意思疎通を著しく困難なものとしています。現時点での有意な交流は普遍文化的なジェスチャー1によるやり取りに限られ、十分な相互理解は得られていません。

SCP-1804-JPは複数の異次元を出自とする知性存在コミュニティであるGOI-9519"ライフラフト"の拠点跡へ財団が踏み込んだ際、放棄されたいくつかのアノマリーとともに回収されました。その後無人ドローンを用いた複数回のポータル周辺探査を経て、Dクラス職員を用いた有人探査が開始されました。Dクラス職員の投入にSCP-1804-JP-αは速やかな反応を見せ、数十分以内に現れた二体のSCP-1804-JP-α個体(それぞれα-1、α-2と指定)から意図不明な接触を試みられました。

以降の有人探索において、α-1およびα-2はDクラス職員の投入以前からポータル付近で待機しているケースが散見されるようになりました。α-1およびα-2から向けられる感情を、大半のDクラス職員は友好や歓待の意と報告しましたが、一部のDクラス職員はそこに入り混じるわずかな好奇や軽侮といったネガティブな感情を報告します。これらの反応は、以前にライフラフトとSCP-1804-JP-αとの間で何らかの交流が行われていた可能性を示唆しています。

有人探査記録-1804-JP-#7

日付: 20██/██/██
実験#18/有人探索#7
種類: D-7643、携帯食料および飲料、無線/撮影用ビデオ機器、個人用軽装防護具
実験時間: 10時間11分

付記: SCP-1804-JP-α文化へより踏み入った調査を目的とした、人口密集地へ向けた初めての有人探査。円滑なコミュニティ内への立ち入りと、予測できない文化的摩擦を避けるため、これはSCP-1804-JP-α-1,2らの同伴と主導のもとで実施された。

以下は有人探査-1804-JP-#7において観察された、特筆すべきイベントの抜粋です。

イベント#7-1(01:17-04:41)

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D-7643の証言を基に作成された再現イメージ。

α-1の誘導のもと、D-7643は老年に見えるSCP-1804-JP-α個体(α-3)2が待つ家屋内へと案内された。D-7643は家屋最奥部の部屋中央に誘導され座らされると、α-3はそれと向き合うようにしてD-7643と頭部同士を接近させた態勢をとり瞑目する。その状態のまま15分が経過した時点で、D-7643は自身の意識領域内に不明な図画模様が形成されていることを報告した。このイメージは時間の経過とともに克明かつ色彩豊かなものへと発展していき、約3時間後には複雑な幾何学的紋様が形成された。

イベント#7-2(05:07-05:46)

α-1より、金属製密閉容器がD-7643へ提供される。同時に供給される陶器製皿とスプーン状器具から、提供物はSCP-1804-JP-Aにおける飲食物の一種であると判断された。D-7643は自身へ向けられている期待感といった感情の増大を報告し、これは摂食への強い要求であると推測された。短時間の協議を経て、司令部はD-7643へ提供物を摂取するよう指示を下す。α-1によって容器が開封されと、D-7643は激しく咳こみ始め形容しがたい悪臭とそれにともなう嘔吐感を報告する。器へ移された提供物へカメラが向けられ、薄く濁った液体に浸かる乳白色の半固形物が映し出される。その見た目と悪臭への嫌悪感からD-7643は摂食を激しく拒否したが、司令部の度重なる厳命を受けたD-7643は約20分かけて推定200gの提供物をほぼ全量摂食した。その間、α-1およびα-2からは絶え間ない喜悦の感情の発露が報告された。持ち帰られた少量のサンプルに対する検査では、数種類の好気性細菌に加えて未知の動物性たんぱく質が検出された。

イベント#7-3(06:57-09:01)

α-1の誘導のもと一行は都市郊外に向けて移動し始め、林間部を抜けた地点に存在する巨大な石造りの施設へと到着する。施設の立ち入り前にD-7643は主に赤・白・黒の三色から成るゆったりとした布を肩から被せられる。D-7643はその後およそ40人ほどの同じ装いをしたα個体と合流すると施設内に入場し、順に2mほどの僅かに湿った縄のようなものを受け取る。一行はそれを両手で携えながらゆっくりと施設内を進み、最奥部に位置する広大な空間へと到達する。そこには跪くような態勢をとる約15mの石造りの人型彫像3が安置され、一行はおよそ30分間に渡ってその周囲を徘徊し続けた。この間、D-7643は彫像から想起するイメージによって生じた自己抑制できない笑声を断続的に発し続け、司令部により叱責された。

この後、D-7643は問題なくSCP-1804-JP-Aから帰還しました。

終了報告: SCP-1804-JP-αとの意思疎通の困難さゆえ、今回経験したイベントの意味合いを十分に理解することはできなかった。調査を継続しSCP-1804-JP-αに対する理解と親交を深めることに成功すれば、ベースラインと異なる文化体系から生まれた有用な技術群を得られるかもしれない。これまでSCP-1804-JP-αは一貫して非敵対的な態度を崩しておらず、SCP-1804-JP-Aでの実験は比較的低リスクであることからも、さらなる有人探査実験の実施を提言したい。 - 大庭博士

大庭博士の提言に対して、実験記録および帰還したD-7643の隔離観察の検証の結果、不審な点が多数存在するとの指摘が寄せられました。

  • イベント#7-1においてD-7643の意識下に形成されたイメージは、探査実験から三週間が経過した時点でもその形状・色彩の細部までを完全に想起可能ほど克明に記憶領域に残存し続けていた。実施されたクラスB記憶処理ではこのイメージを除去することができず、クラスC記憶処理であってもほぼ完全な耐性が示されるだろうと予想されている。今のところ図形自体は異常を示していないものの、これによって意図不明かつ除去できない概念が我々の世界内に持ち込まれたことは事実である。
  • 初期調査においてSCP-1804-JP-A内で回収された廃棄食品等の分析により、SCP-1804-JP-αの味覚的嗜好はベースラインの人間の味覚と比較しても大きな差異がないであろうことが判明している。それを踏まえれば、イベント#7-2で提供されたものはSCP-1804-JP-Aにおける食品として見てもあまりに異質であるという他ない。であれば、あの提供物はいったい何であったのか。あれをD-7643に摂取させることにはたして如何なる意味があったのか?
  • イベント#7-3における一連の行為は、なんらかの宗教的儀式であったと容易に推測される。施設や参加者の規模から見て、少なくともあの周辺地域においては主要かつ伝統的な宗教文化であり、かつ重要な儀式であることは明白である。別次元からの来訪者に、いきなりそのようなものに参加させた意図が読めない。
  • 共に同行しながら、目に見えて意味のある行動をとることがなかったα-2だが、実験記録を精査すると主要なイベント中には一貫してD-7643を明晰に視認できる位置取りをとっていることが分かる。それに加え、α-1はいつ如何なる場面においてもα-2とD-7643の間を決して横切ることをしなかった。私はα-2が何らかの手段で映像を記録する役割を担っていたと考えており、常にD-7643の行動はSCP-1804-JP-αによる監視下に置かれていたものと推測している。

以上の点から、SCP-1804-JP-αの我々に対する友好的態度は真実であるのか、あるいはその友好的意志と行動が我々の価値観と照らして有益な結果をもたらすのかは大いに疑問が残ると私は考えている。楽観的な考えに基くSCP-1804-JP-Aへの軽率な探索の実施には賛同できない。 - 屋敷博士

この指摘を受けて、SCP-1804-JP-Aに対する有人探査実験は一時的に凍結されました。

事案1804-JP:
20██年██月、サイト-81██で発生した収容違反の影響で一時的にサイト-81██へと身柄を移送されていた異常共感能力を有するSCP-███-JPによって、複数の異常なビジョンの想起が報告されました。それらの証言の中の存在にはSCP-1804-JP-αとの類似が見られ、またビジョンを受信した日時はSCP-1804-JPの実験が行われていた日時と一致しました。これらの事実から、定期実験において展開された次元間ポータルを通じ、何らかの手段で強化されたSCP-1804-JP-αによるテレパス信号をSCP-███-JPが受信した結果であると判断されました。

以下の文章は受け取った複数のビジョンの中でも、特に重要であると見なされた短時間のビジョンの内容をSCP-███-JPに書き出させたものの転写です。その内容から、SCP-1804-JP-α側で記録されたD-7643の有人探査の様子であると断定されました。これらの記述はSCP-███-JPの主観に基づきSCP-1804-JP-α側の情報を再翻訳させたものであり、正確性や客観性を欠く可能性に留意していください。

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